6/2(木) ䷒ 地澤臨(ちたくりん) 五爻

6/2(木) 地澤臨(ちたくりん) 五爻


【運勢】
大局的に考え決断するのに良い時。
良い考えを思い付いた時、それを最善だと思ってはいけない。
周りの意見を柔軟に取り入れ、判断してこそ、真に最善であると言える。
思いやりの心を持ち、根気強く相手に向き合うと良い。


【結果】
䷒◎
地澤臨(ちたくりん) 五爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 老陰][四爻 少陰]
[三爻 少陰][二爻 少陽][初爻 少陽]
《爻辭》
[五爻]


【原文】
《卦辭》
臨は元(おほ)いに亨(とほ)る。八月󠄃に至りて凶有り。
彖に曰く、臨は剛浸して長ず。說󠄁(よろこ)びて順。剛中にして應ず。大いに亨りて以て正し。天の道󠄃なり。八月に至りて凶有りとは、消すること久しからず。


《爻辭》
六五。知臨す。大君の宜。吉。
象に曰く、大君の宜とは、中を行ふの謂ひなり。


【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《卦辭》
臨は下を見下ろすこと、臨むことである。下から陽が二つ目まできており、たいへん勢いがある。また、上から下を見下ろす余裕がある。今はとても運気が良い。しかし、八月には悪いことが起きるので、そのための備えを忘れてはならない。


《爻辭》
臨は下を見下ろすこと、臨むことである。下から陽が二つ目まできており、たいへん勢いがある。また、上から下を見下ろす余裕がある。今はとても運気が良い。しかし、八か月後には悪いことが起きるので、そのための備えを忘れてはならない。
五爻は君位の爻である。よく世の中の事情を知り、賢者が誰かを把握し、登用しながら統治することは、君子のあるべき姿である。それはとてもよいことで、国は自ずと良く治まる。


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
上卦の坤は岸である。岸の高い所から、下の水に臨んでいる。臨は望とは違う。望は遠くを見ることで、臨は高所から下を見ることである。天子が尊い位から、下の万民を見るのが臨の卦である。一・二爻目の陽爻が段々盛んになっていく。九二は時で言えば旧暦十二月、十二支では丑の月である。次に三爻目が陽爻となれば地天泰、四爻目が陽爻となれば雷天大壮、五爻目が陽爻となれば沢天夬、上爻が陽爻となれば乾為天、初爻が陰爻となれば天風姤、二爻目が陰爻となれば天山遯、三爻目が陰爻となれば天地否となる。つまり、二爻目から数えて八ヶ月目に至って凶の卦となる。
[彖傳]
初爻目のみが陽爻の時は一陽来復で、初めて陽気の出た所の卦、地雷復である。続いて二陽になって此の臨となる。さらに三陽、四陽と長じて盛んになる。順は、心が說び行いにも現れる所で、天道に背き違う所の無い所である。剛中の九二の君子は徳があり、それに六五の天子が応じ、陰陽相和する所がある。そこで大いに亨る。明君は己を虚しくして賢人に能く応じるから何事も行われる。八ヶ月目で凶が出て来るのは、盛んなる中に予め戒めたのである。
[象傳]
地の上の高い所から下を俯瞰する。君子は思慮深くして物を教える。深く考えるのが兌の象である。教えを思うのは兌、無窮というのは坤である。萬物を生じるのに窮まりが無い。坤の地は良く兌の水を容れて、能く萬物を生じさせる。その様に上なる者が人民を能く保って往く所が尤疆である。
《爻辭》

6/1(水) ䷿ 火水未濟(かすいびせい) 変爻無し

6/1(水) ䷿ 火水未濟(かすいびせい) 変爻無し


【運勢】
目標を定め、出来る事から進めると良い。成功への道のりは長い。
失敗を恐れて歩みを止めてはいけない。
何度でも立ち上がり、最後まで歩み続ける事が大切である。
諦めなければ、如何なる難局も乗り越えられる。


【結果】
䷿
火水未濟(かすいびせい) 変爻無し
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 少陽][四爻 少陰]
[三爻 少陰][二爻 少陰][初爻 少陰]
《爻辭》
[変爻無し]


【原文】
未濟は亨(とほ)る。小狐、汔(ほとん)ど濟(わた)る。其の尾を濡らす。利(よろ)しき攸(ところ)なし。
彖に曰く、「未濟は亨る」とは、柔、中を得るなり。「小狐、汔(ほとん)ど濟(わた)る」とは、未だ中に出でざるなり。「其の尾濡らす利しき攸なし」とは、續いで終らざるなり。位に當たらざると雖も、剛柔應ずるなり。
象に曰く、火、水上に在るは未濟。君子以て愼みて物を辨(わきま)へて方に居る。


【解釋】
〔王弼の解釋〕
柔が中にあり、剛に違わない。よく剛健を納めるので、うまく行く。小狐が大きな川を渡ることができない。あと少しの所󠄃で実現できない。剛健が難を抜き、その後に可能になる。ほとんどわたれるが、危険を脱することができない。小狐渡れるだろうが、余力がない。もう少しで渡れるのであるが、力尽きる。終わりまで続けられない。今も険難の時である。未濟はまだ険難の時が終わらないの意󠄃味である。位に当たらないので未濟である。剛柔が応ずれば済む。


〔東涯の解釋〕
未濟は事が成就しないことである。火が上に在り、水が下に在る。上下交わらない。互いに用いないので未濟という。五爻は柔で中にいる。ことはよく通󠄃るが、初爻は陰で一番下にいて中に到らない。狐は陰の存在であり、積極的にやろうとすると失敗に終わる。始めはうまく行く。そして、下に止まっていればよいのである。いたずらに難局を打開しようとすれば失敗する。君子は外は時勢を見て、内は己の才をはかる。上が陽で下が陰である。互いに妨害しない。


〔根本通明の解釋〕
下は水上は火である。水は低きにあり火は上に昇るもので、居るべき場所にいるが、互いに和することが無い。互いが作用しないので、萬物が創造されない。しかし、両者あるべき場所に在る。しかし、いずれは互いに動き出し、交わり始めるのである。だから最終的には亨るのである。
坎は狐である。この卦の場合、小さな狐である。それが川を渡ろうとするが、終にはしっぽを濡らしてしまう。狐は川を渡る時にしっぽを濡らさないようにあげている。疲れてくるとしっぽが下がり、水につかって驚いて引き返してしまう。忍耐力が無いのである。忍耐力が無いと何事をしてもうまく行かない。気力が無いと何事も達成できないのである。
[彖傳]
柔が中を得ている。五爻のことである。これが主爻である。また初爻に關しては、あと少しのところまでやって、忍耐力なく引き下がる。この卦全体でみると、ことごとく全て位を外している。陰は陽に居て、陽は陰に居る。しかし、隣同士陰陽で相性が良く、うまく行っている。また、初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と上爻、それぞれ応じている。最終的にはうまくいくのである。
[象傳]
火は南に居り、水は北に居る。自分の居場所をはっきりとしていて、混じるところが無い。何事もはっきりと分ける象である。
離はものを明󠄃らかにする。それぞれが自分のいる場所にいることを示している。