8/7(日) ䷵ 雷澤歸妹(らいたくきまい) 二爻初爻

8/7(日) 雷澤歸妹(らいたくきまい) 二爻初爻


【運勢】
多くの困難に直面し、過ちを犯しやすい時。
大きな過ちを犯す前に、自らの行いを省みる事が大切である。
物の順序を守り、やるべき事を堅実に進め、好機が来るのを待つと良い。
控えめに過ごす事が大切である。


【結果】
䷵◎二⚪︎初
雷澤歸妹(らいたくきまい) 二爻初爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陰][四爻 少陽]
[三爻 少陰][二爻 老陽][初爻 老陽]
《爻辭》
[二爻 優先][初爻]


【原文】
《卦辭》
婦妹は征けば凶。利(よろ)しき攸(ところ)なし。
彖に曰く、歸妹は天地の大義なり。天地交はらざれば萬物興らず。歸妹は人の終始なり。說󠄁(よろこ)びて以て動く。妹を歸く所󠄃なり。征けば凶とは位に当たらざるなり。利しき攸なしとは、柔、剛に乘ずればなり。
象に曰く、澤上に雷有るは歸妹。君子以て終を永くし敝(へい)を知る。


《爻辭》
[二爻 優先]
九二。眇能く視る。幽人の貞に利し。
象に曰く、幽人の貞に利しとは、未だ常を變ぜざるなり。
[初爻]
初九。妹を歸くに娣を以てす。跛能く履む。征けば吉。
象に曰く、妹を歸くに娣を以てすとは、恒を以てするなり。跛能く履む吉とは、相承くるなり。


【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
妹は少女のことである。兌は小陰で、震は長陽である。小陰が長陽を承けるので、よろこんで動く。妹を嫁がせる象である。陰陽が既に合って長と少が交わった。天地の大義、人倫の終始と言える。少女を長男に嫁がせる。少女は嬉しくない。不正を犯し、それを喜んで動くのは邪道である。終には敝を知る。


《爻辭》
[二爻 優先]
其の位を失ふと雖も、内に居りて中に處り。眇猶ほ能く視る。以て常なるを保つに足るなり。内に在りて中を履みて、能く其の常を守る。故に幽人の貞に利しなり。
[初爻]
少女にして長男と耦を爲す。敵するに非ざるの謂なり。是れ娣從ふの義なり。妹は少女の稱なり。少女の行、善きこと娣に若くはなし。夫れ嗣を承くるに君の子を以てすれば、幼きと雖も妄りに行かず。少女娣を以てすれば、跛と雖も能く履む。斯れ乃ち恒久の義、吉にして相承くるの道なり。斯を以て進めば、吉なること其れ宜なるなり。


〔東涯の解釋〕
《卦辭》
婦人のことを嫁とも歸ともいう。兌は少女、震は長男である。これは婦人が嫁ぐ時に礼を失している。二爻から五爻まで位を得ていない。三爻と五爻の陰爻が陽の上に居る。これは陰として正しくない。夫が先に声をかけて、それに妻は随うのである。これは天地の大義である。父母の命、媒酌の言を待ち、礼を尽くす。その後にそれぞれがその道を尽くして家道󠄃がなる。正しい道に由らないと、その夫婦は礼儀を乱し、制御できなくなる。
《爻辭》
[二爻 優先][初爻]


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
上卦は震で長男、下卦は兌で少女である。兄たる六五の天子は、六三の我が妹を以て、諸侯に嫁がせる。兌は巧言令色で、男子を玩ぶ象がある。しかし婚姻は必ず男子の方から求めるべきものだから、女子の方から征くのは凶である。
[彖傳]
夫婦の道は、天地陰陽の道である。陰陽が正しく交わって、萬物が生じる。天地の大義は、人の大倫である。孟子も、男女室に拠るは、人の大倫と云う。兌は說び、震は動く。これは妹が帰ぐ所の義にあたる。三爻目の陰が、一・二爻目の陽の上に乗っており、柔が剛を凌ぐ所がある。これは戒めなければならず、この女が征けば凶である。
[象傳]
澤上に雷がある。雷が動けば、澤も随って動く。これは男子が動いて事を行い、女子がこれに応じる象である。婚姻を終生の永いものとするには、後々弊害が出ないように能く対策し、始めを慎まなければならない。
《爻辭》
[二爻 優先][初爻]

8/6(土) ䷁ 坤爲地(こんゐち) 三爻

8/6(土) 坤爲地(こんゐち) 三爻


【運勢】
能ある鷹は爪を隠す。
目立たず受け身でいるのに良い時。
無理は続かない。ゆっくりと時間をかけて成長して行く事が大切である。
何気ない積み重ねが大きな力となる。
周りからの期待に応え、素直な気持ちで努力すると良い。


【結果】
䷁◎
坤爲地(こんゐち) 三爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陰][四爻 少陰]
[三爻 老陰][二爻 少陰][初爻 少陰]
《爻辭》
[三爻]


【原文】
《卦辭》
坤は元(おほ)いに亨(とほ)る。牝馬の貞に利(よ)ろし。君子往くところ有り。先(さきだ)つときは迷ひ、後るるときは主を得るに利あり。西南には朋を得る。東北には朋を失ふ。安貞にして吉。
彖に曰く、至れるかな坤元。萬物、資(よ)りて生ず。乃ち順にして天を承(う)く。坤、厚くして物を載す。德无疆に合ふ。含弘光大にして品物、咸(ことごと)く亨る。牝馬は地類。地を行くこと疆なし。柔順利貞は君子の行ふところ。先だつときは迷ひて道󠄃を失ひ、後るるときは順にして常を得る。西南には朋を得る。乃はち類と行く。東北には朋を喪ふ。すなはち終に慶有り。安貞の吉は地の无疆に應ず。
象に曰く、地勢は坤。君子以て厚德者物を載す。


《爻辭》
六三。章を含み貞にすべし。或ひは王事に從ひ、成ることなくして終有り。
象に曰く、章を含み貞にすべしとは、時を以て發するなり。或ひは王事に從ふとは、知光大なるなり。


【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
坤は貞によろしい。牝馬によい。馬下にあって行く。牝馬は柔順の至りである。柔順を尽くして後にうまく行く。牝馬の正しいものによろしい。西南は人を養う地である。坤の方角である。だから友を得る。東北は西南の逆である。友を失う。乾は龍を以て天を御し、坤は馬を以て地を行く。地は形の名である。坤は地を用いるものである。両雄は並び立たない。二人主が居るのは危うい。剛健と對をなす。長く領土を保つことが出来ない。順を致していない、地勢が順わない。その勢は順。


《爻辭》
三は下卦の極に處りて、陽に疑はれず。斯の義に應ずる者なり。事の始めを爲さず、唱ふるを須ちて乃ち應じ、命を待ちて乃ち發す。美を含みて正しかるべき者なり。故に章を含み貞にすべしと曰ふなり。事有れば則ち從ひて、敢へて首と爲らず。故に或ひは王事に從ふと曰ふなり。事の主と爲らず、命に順ひて終ふ。故に成ることなくして終有りと曰ふなり。
知慮光大なり。故に其の美を擅にせず。


〔東涯の解釋〕
《卦辭》
坤の爻はすべて陰。順の至りである。牝馬は柔であり強く行く。この卦は柔にして健である。主に遇うとは、陽に遇うことである。西南は陰、東北は陽。順の至りでうまく行く。君子まず行くところがあれば迷い、後に主を得る。西南に行くと友を得て、東北に行くとその友は離れる。正しいことだけをしていれば吉。天の気を承け萬物を生ず。陽に先んじてはならず、陽の後に行けばよい。
《爻辭》


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
坤は乾と對であり、乾は天、坤は地である。牝馬の話が出るが、これは乾の方が牡馬であることをも示している。臣たるもの、必ず朝󠄃廷に行って君に仕えなければならない。しかし、無学では全く役に立たないから、そのためには朋(とも)をもって助け合わなければならない。西南は坤である。
巽の卦、離の卦、坤の卦、澤兌の卦は陰の卦である。そこで、西南に陰の友が集まっている。朋は友と違う。一緒に勉強するもののことを朋というのである。友とは朋の中でも特に親しいものである。朋の字は陰で、友の字は陽である。始めのうちは陰の友達が必要である。そこで西南が良いのである。また、東北は朝󠄃廷を意味する。乾の気で萬物は始まり、坤の気で萬物に形が備わる。坤の卦は地の上に地を重ねているから、地盤は盤石である。天の気がどこまでも拡大していくのに、陰の気はどこまでも従うのである。牝馬が牡馬に従うように、臣下は君主に仕えるのである。先に行こうとしてはいけない。常に後ろについていくべきである。臣下は朋友を失うことになるが、君主に仕えることでそれを克服するだけの喜びを得る。慶(ケイ、よろこ)びは高級な臣下の卿(ケイ)に通じる字である。上に鹿の字が附くが、昔は鹿の皮を以て喜びを述べた。人々が集まってくるのである。
[大象傳]
地が二つも重なっているので盤石である。物を載せても耐えられる。つまり様々なことを任されても耐えられる存在なのである。
《爻辭》