5/31日 ䷎ 地山謙 初爻

謙は亨(とほ)る。君子は終はり有り。彖に曰はく、謙はとほる。天道下濟して光明。地道卑(ひく)くして上行す。天道は盈(えい)を虧(か)きて、謙に益す。地道󠄃は盈を變じて謙に流る。鬼神は盈を害して謙に福す。人道は盈を惡(にく)みて謙を好む。謙は尊くして光り、卑(ひく)くして踰ゆべからず。君子の終はりなり。初六。謙謙す。君子大川を涉るに用ゐれば吉。象に曰はく、「謙謙す。君子」とは卑くして以て自ら牧するなり。

謙は謙譲や謙遜の意󠄃味である。

平面な地卦の下に高いはずの山卦がある様が謙遜を表す。

謙譲の徳を持っている者は、どんなところでも歓迎されるし、尊敬される。

しかし、謙譲の美徳は昇進するにつれて失いがちである。

謙譲の美徳を持ち続けて、人の上に立つことは難しい。

君子とは最後まで謙譲の美徳を全うすることができる人のことである。

謙譲の美徳を有する者が上にいると、下の者を大切にするので、下の者は自分の実力を活かすことができる。

また、謙譲の美徳を有する者が下にいると、周りの人がその徳を慕って昇進を求める。

初爻は謙の卦の中の最下位であり、しかも陰爻なので徹底している。

謙の中の謙といえる。

このような人物を登用すれば、大事業も上手く行くであろう。

君子は下にいる時に、謙譲の美徳を大切にして人間形成に努めるのである。

謙虚さを常に持ち、どの様な立場にあっても、学びの姿勢を忘れない。

そういった姿勢であるから人望を集め、大事を成すことができる。

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