6/28(火) ䷵ 雷澤歸妹(らいたくきまい) 五爻四爻
【運勢】
何事も楽な道などない。
物の順序を無視して、不正な道を歩めば、最悪の結果を招くだろう。
大きな間違いを犯す前に、自らの行いを省みる事が大切である。
やるべき事を堅実に進め、好機が来るのを待つと良い。
【結果】䷵◎五⚪︎四
雷澤歸妹(らいたくきまい) 五爻四爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 老陰][四爻 老陽]
[三爻 少陰][二爻 少陽][初爻 少陽]
《爻辭》
[五爻 優先][四爻]
【原文】
《卦辭》
婦妹は征けば凶。利(よろ)しき攸(ところ)なし。
彖に曰く、歸妹は天地の大義なり。天地交はらざれば萬物興らず。歸妹は人の終始なり。說󠄁(よろこ)びて以て動く。妹を歸く所󠄃なり。征けば凶とは位に当たらざるなり。利しき攸なしとは、柔、剛に乘ずればなり。
象に曰く、澤上に雷有るは歸妹。君子以て終を永くし敝(へい)を知る。
《爻辭》
[五爻 優先]
六五。帝乙妹を歸く。其の君の袂は、其の娣の袂の良きに如かず。月望に幾し。吉。
象に曰く、帝乙妹を歸く、其の娣の袂の良きに如かずとは、其の位中に在り、貴を以て行くなり。
[四爻]
九四。妹を歸くに期を愆る、遲く歸けば時有り。
象に曰く、期を愆るの志は、待つこと有りて行くなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
妹は少女のことである。兌は小陰で、震は長陽である。小陰が長陽を承けるので、よろこんで動く。妹を嫁がせる象である。陰陽が既に合って長と少が交わった。天地の大義、人倫の終始と言える。少女を長男に嫁がせる。少女は嬉しくない。不正を犯し、それを喜んで動くのは邪道である。終には敝を知る。
《爻辭》
[五爻 優先]
歸妹の中にして、獨り貴き位に處り。故に之を帝乙妹を歸くと謂ふなり。袂は衣の袖にして、以て禮容を爲す者なり。其の君の袂とは、帝乙の寵する所を謂ふなり。卽ち五なり。帝乙の崇飾する所と爲る。故に之を其の君の袂と謂ふなり。配は九二に在り。兌は少にして震は長たり、長たるを以て少に從ふ。少たるを以て長に從ふの美を爲すに若かざるなり。故に其の娣の袂の良きに若かずと曰ふなり。位中に在りて、貴を以て行く。極陰の盛んなるなり。斯を以て配に適けば、少たるに若かずと雖も、往けばまた必ず合す。故に月望に幾し、吉と曰ふなり。
[四爻]
夫、不正應ずるなきを以て。人に適うなり。必ずすべからく彼道窮盡すべし。與に交はる所なし。然後すなはち以て往くべし。故に期を愆り遲て歸く。以て時を待つなり。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
婦人のことを嫁とも歸ともいう。兌は少女、震は長男である。これは婦人が嫁ぐ時に礼を失している。二爻から五爻まで位を得ていない。三爻と五爻の陰爻が陽の上に居る。これは陰として正しくない。夫が先に声をかけて、それに妻は随うのである。これは天地の大義である。父母の命、媒酌の言を待ち、礼を尽くす。その後にそれぞれがその道を尽くして家道󠄃がなる。正しい道に由らないと、その夫婦は礼儀を乱し、制御できなくなる。
《爻辭》
[五爻 優先]
[四爻]
愆は過ちなり。此爻歸妹に存て、陽剛を以て上體に在り。下、相應せず。此女子の賢行有りて妄(みだり)に人に嫁がざる者なり。故に其の歸すること期を過ぐ。人を擇(えらび)て適ふ。故に云く、妹歸、期を愆つ。遲れて歸ぐ時有り。蓋し女子の嫁ぐや、猶ほ士の仕ふるがごときなり。其の君に非ざれば事(つか)へず。何ぞ歸つの遲るるを怨みんや。其の人に非ざれば適はず。何ぞ歸するの遲るるを憂へんや。待つ有りて然り、售(もちゐ)られざるに非ざるなり。
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
上卦は震で長男、下卦は兌で少女である。兄たる六五の天子は、六三の我が妹を以て、諸侯に嫁がせる。兌は巧言令色で、男子を玩ぶ象がある。しかし婚姻は必ず男子の方から求めるべきものだから、女子の方から征くのは凶である。
[彖傳]
夫婦の道は、天地陰陽の道である。陰陽が正しく交わって、萬物が生じる。天地の大義は、人の大倫である。孟子も、男女室に拠るは、人の大倫と云う。兌は說び、震は動く。これは妹が帰ぐ所の義にあたる。三爻目の陰が、一・二爻目の陽の上に乗っており、柔が剛を凌ぐ所がある。これは戒めなければならず、この女が征けば凶である。
[象傳]
澤上に雷がある。雷が動けば、澤も随って動く。これは男子が動いて事を行い、女子がこれに応じる象である。婚姻を終生の永いものとするには、後々弊害が出ないように能く対策し、始めを慎まなければならない。
《爻辭》
[五爻 優先][四爻]