《運勢》
様々な悩みが生まれて、現状に不満を覚えてしまう。
しかし、これは統率者に力が無いからではなく、今の時期が不安定で難しいからである。
現状を最善に導く事は難しいので、打開のために改革を断行するのでは無く、出来ることを一つずつ行っていれば、悩みはいずれ解決するだろう。
《原文解釈》
屯はなやみある象、また草が萌芽しはじめたところである。
なやんで通ずることが出来ない状況である。
ただし、時が至れば険難を脱して安泰な境地に至る。
そのためには、正しさを固く守らねばならない。現在は草創期であり、社会の秩序がまだ整わない時である。
こういう時は、適材適所で良い人材を登用しなければならない。
五爻は、辛い時代に望臨む君主である。
君主は賢臣の正しい助言が欲しいけれども、悪い臣下に邪魔される。
小さな改革を行うのは良いが、大改革をしようとすると、悲惨な結果となる。
《原文》
屯(ちゅん)は元(おほ)いに亨(おほ)る。貞(てい)によろし。往くところ有るに用ゐるなかれ。侯(こう)を建つるによろし。彖(たん)に曰はく、屯は剛柔始めて交はりて難生ず。険中に動く。大いに亨(とほ)りて貞し。雷雨の動く滿盈(まんえい)。天造󠄃草昧(てんぞうそうまい)。侯を建つるによろしくして、寧せず。象に曰はく、雲雷は屯。君子以て經綸(けいりん)す。九五。その膏(あぶら)を屯す。小貞は吉。大貞は凶。象に曰はく、その膏(あぶら)を屯すとは施すこと未だ光ならず。