7/1 (水) ䷥ 火沢睽(かたくけい) 上爻
【運勢】
周囲の人と相反するので、協力する事は出来ない。
しかし、自分の信念は持っているので、一人で出来ることは上手く行くだろう。
相反するとは否定では無いので、周りを害するのであれば上手く行かないだろう。
【原文】
《卦辭》
睽は小事吉。
彖(たん)に曰はく、睽(けい)は火動いて上り、澤動いて下り、二女同居して、その志同じく行はれず。說󠄁(よろこ)びて明󠄃に麗(つ)き、柔進みて上行す。中を得て、剛に應ず。是を以て小事吉。天地睽(そむ)いてその事同じきなり。男女睽(そむ)いて其の志通ずるなり。萬物睽(そむ)いて其の事類するなり。睽(けい)の時用大なるかな。
象に曰はく、上火下澤は睽(けい)。君子以て同じくして異なり。
《爻辭》
上九。睽孤(けいこ)。豕(ぶた)の塗を負ふを見る。鬼を一車に載す。先には之れが弧を張り、後には之れが弧を說󠄁く。寇するに匪(あら)ず婚媾(こんこう)せん。雨に遇󠄄ふときはすなはち吉なり。
象に曰はく、雨に遇ふの吉は群疑亡ぶるなり。
【解釋】
〔王弼、通解の解釋〕
《卦辞》
睽は背くの意󠄃である。
小さな事には吉である。
二爻と五爻が相性が良く(応じている)、下の☱沢が喜んで☲火につき従い、五爻が柔(陰)であり、二爻と応じてゐる。
よって大きなことには用いるべきでないが、小事には良い。
《爻辞》
上爻は猜疑心が深い。
三爻とは相性が良いが信用しない。
毛嫌いして来るものを弓で威嚇して拒絶するが、猜疑心も終わりを迎え、最後には誤解が解ける。
〔根本通明の解釋〕
《卦辞》
睽は互いに相反して和せざる所の卦である。
『説文解字』には互いに反目する貌とある。
上爻の離の卦は目である。
下卦は兌の卦で癸(みずのと)で、この陰の卦が主となっている。
陰は小事の方が吉であって、大事は良くない。
[彖伝]
火の性は動けば上がり、水は動けば下方へ流れる。
また火は物を焼いて害し、水は物を潤して生じるから、その性質は反対である。
人でいえば、家族が別々になって相争う所の卦である。
兌の卦は少女で、巧言令色で旨く寵愛を得ており、内の方で権を握って居る。
少女を大切にして、年を取っている離の中女を遠ざけて居れば、互いに嫉妬心が起こり、火が熾(さかん)になるように互いに害しあう。
兌にも毀折の象がある。
しかし反目は何時までも続くのではなく、相和する所の象もある。
兌は說(よろこ)んで明らかなる方へ麗(つ)く。
五爻目が陰爻で、二爻目は剛で陽爻である。
君臣でいえば、君が弱く、臣が強いという卦である。
君を輔ける者が少ないから、大事を行うのはいけない。
小事が吉である。
しかし君臣は国家の為に為すべき所があり、天地は萬物を生じさせ、夫婦は一家を興す。
つまり半目し合っていても志は通じており、大いなる仕事を為す所がある。
[象伝]
上る方の火と、下る方の沢とで相背くが如くである。
しかし君の為に尽くそうという所は皆同じである。
人によって皆長じる所が異なっており、武をもって事(つか)える者がいれば、文をもってする者もいる。
君子は是を用いて事を為す。
《爻辞》
上九と九四が睽孤である。
独りに為り、助けてくれる者が無い。
睽孤は六三を疑っており、泥を背中に塗り付けた豕(ぶた)のように不潔なるものと見ている。
また車一杯に乗った悪人達で鬼の様に嫌悪すべきものが、相集って来る。
そこでこれら六三を弧で射ようとするが、心を落ち着けて考えてみれば、そのようなものでは無かった。
六三は兌の卦の主爻であり、我に対して說びあるもので、相和する所のものだった。
上九の陽と六三の陰は互いに親しくするべきである。
陰陽和すれば雨が降る。
大いに吉を得る。
そこで上九が六三と交わって互いに往来すると、雷天大壮の卦になる。
そうなると、仲春二月の卦となり、萬物花が咲いて說ばしき所になる。
[象伝]
睽弧が六三を悪人と見ていたが、その疑いが悉く晴れた。