8/21(土) ䷵ 雷澤歸妹(らいたくきまい)→䷰ 澤火革(たくかかく)

【運勢】
目先の機会に囚われず、長い目で見て今は待つ事が大切である。
急な方針変更は、道理に適っていても周りからの理解を得られない。
目標を高く示し、周りと協力して堅実に進めて行くと良いだろう。


【結果】

本卦:雷澤歸妹(らいたくきまい)
之卦:澤火革(たくかかく)
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 老陰][四爻 少陽]
[三爻 老陰][二爻 老陽][初爻 少陽]
《爻辭》
[五爻][三爻][二爻]


【原文】
《本卦:
雷澤歸妹》
婦妹は征けば凶。利(よろ)しき攸(ところ)无し。
彖に曰はく、歸妹は天地の大義なり。天地交はらざれば萬物興らず。歸妹は人の終始なり。說󠄁(よろこ)びて以て動く。妹を歸く所󠄃なり。征けば凶とは位に当たらざるなり。利しき攸无しとは、柔、剛に乘ずればなり。
象に曰はく、澤上に雷有るは歸妹。君子以て終を永くし敝(へい)を知る。


《之卦:
澤火革》
革は已る日乃ち孚あり。元いに亨る。貞に利し。悔い亡ぶ。
彖に曰はく、革は水火相ひ息し。二女同居して、其の志相得ざるを革と曰ふ。已る日にして乃ち孚あり。革めて之れを信にす。文明にして以て說󠄁(よろこ)ぶ。大いに亨るに正を以てす。革(あらた)めて當る。其の悔い乃ち亡ぶ。天地革りて四時成る。湯武革命。天に順ひて人に應ず。革の時大なるかな。
象に曰はく、澤中に火有るは革。君子以て歷を治めて時を明󠄃にす。


〔王弼の解釋〕
《本卦:
雷澤歸妹》
妹は少女のことである。
兌は小陰で、震は長陽である。
小陰が長陽を承けるので、よろこんで動く。
妹を嫁がせる象である。
陰陽が既に合って長と少が交わった。
天地の大義、人倫の終始と言える。
少女を長男に嫁がせる。
少女は嬉しくない。
不正を犯し、それを喜んで動くのは邪道である。
終には敝を知る。


《之卦:
澤火革》
民は常識を学ぶことを共にすることが可能であるが、変動に共に適応していくことは難しい。
共に成功を喜ぶことは出来るが、共に事業を始めることを考えるのは難しい。
だから革の道は、即日は誠なく、日が終わる時には誠がある。
誠があって元亨利貞で悔いが滅ぶのである。
日が終わるころに誠が無ければ革に当たらない。
後悔が生じるのである。
変動を生じるものである。
革めて其の悔いに当たれば、悔いを無くせる。
不合に變が生じ、変が生じるところに不合が生じる。
だから不合は革である。
息とは變を生じることである。
火は上に昇ろうとし、澤は下に降りようとする。
水と火が戦い、その後に變が生じる。
二女が同居している。
水と火が近くにあって互いに適合しない。革めるところとなり信があれば、文明の喜びである。
正しいことを履み行う。
そして改める。
天に應じ民に遵う。
大成功する正しいものである。
革めて大成功する。
必ず正しさを失ってはいけない。


〔伊藤東涯の解釋〕
《本卦:
雷澤歸妹》
婦人のことを嫁とも歸ともいう。
兌は少女、震は長男である。
これは婦人が嫁ぐ時に礼を失している。
二爻から五爻まで位を得ていない。
三爻と五爻の陰爻が陽の上に居る。
これは陰として正しくない。
夫が先に声をかけて、それに妻は随うのである。
これは天地の大義である。
父母の命、媒酌の言を待ち、礼を尽くす。
その後にそれぞれがその道を尽くして家道󠄃がなる。
正しい道に由らないと、その夫婦は礼儀を乱し、制御できなくなる。


《之卦:
澤火革》
革は変革である。
已日は事を終える日のことである。
澤は水である。
火と水が互いに消しあっている。
中女が下に居て、少女が上に居る。
同居して志を一緒にしない。
変革の兆候である。
内は明るく外は喜びである。
智があってよく和す。
其れで革のはじめに居て、疑いを免れないが、最後まで達成できる。
よく互いを信じることが出來、妨害や滞りがない。
その正しさを失わない。
革めて当を得ている。
悔いは亡くなろう。
非常の初めに在り、革の初めである。
人々は旧習に安んじ、疑いや讒謗が生じる。
非常の事をして、人心を察せず、軽挙妄動してはいけない。
初めは疑われるが最後には信を得て悔いはなくなる。


〔根本通明の解釋〕
《本卦:
雷澤歸妹》
上卦は震で長男、下卦は兌で少女である。
兄たる六五の天子は、六三の我が妹を以て、諸侯に嫁がせる。
兌は巧言令色で、男子を玩ぶ象がある。
しかし婚姻は必ず男子の方から求めるべきものだから、女子の方から征くのは凶である。
[彖伝]
夫婦の道は、天地陰陽の道である。
陰陽が正しく交わって、萬物が生じる。
天地の大義は、人の大倫である。
孟子も、男女室に拠るは、人の大倫と云う。
兌は說び、震は動く。
これは妹が帰ぐ所の義にあたる。
三爻目の陰が、一・二爻目の陽の上に乗っており、柔が剛を凌ぐ所がある。
これは戒めなければならず、この女が征けば凶である。
[象伝]
澤上に雷がある。
雷が動けば、澤も随って動く。
これは男子が動いて事を行い、女子がこれに応じる象である。
婚姻を終生の永いものとするには、後々弊害が出ないように能く対策し、始めを慎まなければならない。


《之卦:
澤火革》
己は十干の土の弟で、五行の半ばを過ぎた所である。其所で、最早革命を行わなければならない勢いになって居る。また己は五行に於いて、仁義礼智信の信に当たる。即ち己日は、天下の人の信用が出て来た所でもある。其所で後悔も亡びる。
[彖伝]
革は水と火の卦で、互いに相害する所である。此の卦は丁度、水火既済の相和する所と反対である。同じ家に女が二人一所に居る。兌は何処迄も下へ下がり、離は何処迄も上に上る。其所で互いに衝突する。革命は殷の湯武に始まる。之は止むを得ずして行ったものであるが、併し逆賊と云うのが正しい所である。天下一同の求める所に従うのが、人に応じる所である。併し革命に当たっては、真に大いなる目的を以て行うべきである。
[象伝]
沢の中に火が有り、火気の動く所に依って色々なものが変わって来る。火の字には、物の変化する所の義がある。君子は暦を第一に治め、春夏秋冬の時を間違わない様にしなければいけない。

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