11/28(日) ䷝ 離爲火(りゐか)→䷫ 天風姤(てんぷうこう)
【運勢】
勢いや朗らかさも大切だが、何より素直である事が求められる。
邪な考えを避け、成果の出る時をじっくりと待つ事が大切である。
相手にお願いをする時は、迅速かつ明確な誠意ある対応を心掛けると良い。
【結果】䷝→䷫
本卦:離爲火(りゐか)
之卦:天風姤(てんぷうこう)
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 老陰][四爻 少陽]
[三爻 少陽][二爻 老院][初爻 老陽]
《爻辭》
[五爻][二爻][初爻]
【原文】
《本卦:䷝ 離爲火》
離は貞に利(よろ)し。亨(とほ)る。牝牛を畜(やしな)へば吉。
彖に曰はく、離は麗なり。日月は天に麗(つ)き、百穀草木は地に麗き、重明󠄃以て正に麗く。乃(すなは)ち天下を化成す。柔、中正に麗く。故に亨る。是を以て牝牛を畜へば吉なり。
象に曰はく、明󠄃兩たび作るは離。大人以て明󠄃を繼ぎ、四方を照らす。
《之卦:䷫ 天風姤》
姤は女壮なり。女を取るに用ゐることなかれ。
彖に曰はく、姤は遇なり。柔剛に遇ふなり。女を取るにもちゐる勿れ。與に長かるべからず。天地相ひ遇(あ)ひて、品物咸(ことごと)く章なり。剛中正に遇ひて、天下大いに行はる。姤の時義大なるかな。
象に曰はく、天の下に風有るは姤。后以て命を施して四方につぐ。
【解釋】
《本卦:䷝ 離爲火》
[王弼]
離は柔であることが正しい。だから、必ず正しくして後にうまく行く。陰爻が卦の真ん中にある。牝の善いものである。外は強くて内は柔らかい。牛の善いものである。柔順を良しとする。凶暴な動物を飼ってはならない。牝牛を飼うのが良い。それぞれのものが、あるべき場所にあるのが良い。陰爻が真ん中に在ればうまく行く。吉。強暴な動物を飼うべきでない。
[東涯]
離は附くということである。一陰が二陽の間についている。火であり、日であり、電気であり、德としては明󠄃である。皆柔順であることを知っている。明󠄃は正しくあるのに良い。世の中で明󠄃を用いれば、正を失いがちである。明󠄃が二つ重なる状態で正を忘れなければ、天下を化成することが可能である。坤では牝馬の貞によいとあったが、この離では牝牛である。柔順の徳というより、柔順な人に服するのが良い。智の至りである。明󠄃とは日のことである。前の日が没しても、次の日の出がある。君子はこれを体現し、前の王の明徳を継いでいくのである。
[根本通明]
離はつくの意󠄃味である。正しくあればどこまでもよい。陰が陽爻二つの間についている。この陰爻は坤からきた。牝牛は柔順であり、温厚である。二爻と五爻が牝牛であるから、柔順の徳をやしなうべきである。
[彖傳]
乾の卦の二爻と五爻に陰爻がついたのである。日月は天について天下をあまねく照らす。また百穀草木は地に附いて盛んである。明󠄃の上に明󠄃が重なっているので、重明󠄃という。それが皆正しい位置についている。日月が天下を照らすように、君主も今日も明日も正しさを失わずにいれば、あまねく天下を化すことが出来る。中正なる所󠄃に居るのは二爻である。牝牛というのは二爻のことである。天子は每日明徳を以て政治をしなければならない。
《之卦:䷫ 天風姤》
[王弼]
姤は遇うことである。
柔が剛に遇う。
人でいうと女が男に遇󠄄うのである。
一人の女が五人の男に遇󠄄う。
大変強靭な女である。
取るべきでない。
剛が中正であるから天下はあまねく王化󠄃に帰すのである。
言義は見えるところを表現しきれない。
[東涯]
姤は遇󠄄うことである。
一陰が下に生じて、五つの陽にあったのである。
一陰が五つの陽に対峙する。
その大壮はすさまじいが、陽が必ず勝つ。
このような陰を用いてはならない。
陰陽が互いに對待(たいたい)することは、天地の常経である。
陰が盛んであると陽が損なわれる。
臣下が君主に背くのも、婦が夫を凌駕するのも皆陰が盛んだからである。
姤の卦が戒めるところである。
[根本通明]
この卦は初六の陰爻が主役で、他の陽爻は賓客のような訳になる。
陰は長じて、次第に陽を侵食していく。
陰爻つまり女の方から、進んで陽爻に遇う所がある。
其処で女を娶るという方へ、この卦を用いてはならない。
[彖傳]
「遇」は多いがけない所で遇うと云う義である。
柔は剛に遇うと云うのは、女の方から進んで男に遇うという義である。
このような女を娶ると、次第に増長して往くから娶ってはならない。
剛中に遇うというのは、九五の剛が九二の賢人に遇う所を云う。
賢人は朝廷へ出ようとする初六を抑え止める。
そのため剛は賢人と相謀って、初六を正しくする。
[象傳]
天の下に風が旋ぐるように、天下に命令を下す。
四方に遍く告げ諭して、能く治め斉(ととの)える。
旧弊を除きはらって政を以て天下を新たにする。