2/9(水) ䷢ 火地晋(かちしん)→䷤ 風火家人(ふうかかじん)
【運勢】
周りからの信頼に応え、役割を堅実に果たす事が大切である。
助けを求める社会よりも、助けを差し伸べる社会の方が健全である。
義務感からではなく、自主的に行動する事で、道は大きく開けるだろう。
【結果】䷢→䷤
本卦:火地晋(かちしん)
之卦:風火家人(ふうかかじん)
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 老陰][四爻 老陽]
[三爻 老陰][二爻 少陰][初爻 老陰]
《爻辭》
[五爻][四爻][三爻][初爻]
【原文】
《本卦:䷢ 火地晋》
晋は康侯(しょうこう)用ゐて馬を錫(たま)ふこと蕃庶(ばんしよ)。晝日三接す。彖に曰く、晋は進むなり。明󠄃地上に出づ。順にして大明󠄃に麗(つ)く。柔進みて上行す。是を以て康侯用ゐて馬を錫(たま)ふ蕃庶。晝日三接すなり。象に曰く、明󠄃、地上に出づるは晋。君子以て自ら明德を照(あきらか)にす。
《之卦:䷤ 風火家人》
家人は女の貞によろし。彖に曰く、家人女位を内に正し、男位を外に正(ただ)す。男女正しきは天地の大義なり。家人に嚴君(げんくん)有りとは、父母の謂(い)ひなり。父は父たり。子は子たり。兄は兄たり。弟は弟なり。夫は夫なり。婦は婦なり。而して家道󠄃正し。家を正しくして、天下定まる。象に曰く、風火より出づるは家人。君子以て言物有りて行恒あり。
【解釋】
《本卦:䷢ 火地晋》
〔王弼、東涯の解釋〕
晋は進󠄃むである。地上に日が昇り、あまねく天下を照らす象である。陰が三つ上に登って太陽に付き従っている。これは名君に人々が仕える象である。そして立派な諸侯となり、王は恩恵を賜る。三陰は柔順の徳がある。君子は德を明らかにし、天下あまねくその恩恵を受ける。
〔根本通明の解釋〕
上卦の離は日であり、下卦の坤は地である。つまり地上に日が初めて出た所の象である。晋は日が出て万物が進むという義である。『説文解字』に「日出萬物進也」とあるように、太陽の働きで万物は育ち伸びてゆく。二・三・四爻目に艮がある。艮は東北の間であるから、将に日が出んとする所である。康侯は、諸侯の職分が民を康(やす)んずる所にあることに由来する。諸侯は天子に朝するに三度御目通りをするので「昼日三接」という。その時に諸侯は自国の名馬を献ずる。馬十匹を献ずることを錫(たま)うという。錫という字は古くは上下の区別なく、下から上へ差上げるのにも錫うという。『書経』にも「衆錫帝」とある。これが上から下に与える意味に限られるようになるのは、始皇帝の時からである。下から上へ差上げる時には、献ずる、奉るというようになる。蕃庶は馬十匹で多いことによる。
[彖傳]
日が出て万物が段々進んで来る、即ち天子が上に在って諸侯が進んで拝謁する所の象である。明は離の卦の象である。「大明に麗(つ)く」というのは、大明=乾の卦の真ん中に陰爻が麗いて離の卦になることである。天は大明、離は明である。「柔進みて上行す」というのは、元これは真っ暗の夜の象である地火明夷の卦であったことによる。五爻目の陰爻が二爻目にあり、それが上行して五爻目まで往く象である。
[象傳]
日が地の下にある真っ暗な状態は、欲に覆われて徳が明らかにならない状態である。君子は欲を取り払って、明徳を明らかにして四方を照らす。
《之卦:䷤ 風火家人》
〔王弼、東涯の解釋〕
家人の爻は家族それぞれが一家を治める道について説く。家の外の他人のことは分からない。家人は夫人のことである。☲は中女を表す。☴は長女を表す。四爻が主爻である。主に女性について説かれている。家をそれぞれがうまく治めることで天下も治まるのである。家庭円満の象である。
〔根本通明の解釋〕
家人は家族全員のことであるが、この卦は上が長女下が中女であるから、女ばかりである。家の中がいざこざなく、よく治まるためには女がしっかりしなければならない。この卦の女性は全員和合しており、家はよく治まっている。国家に当てはめると、五爻が天子、二爻が皇后である。兩方中である。皇后の助力により、宮中はよく治まり、朝󠄃廷が治まり、天下が治まるのである。
[彖傳]
五爻が天子で二爻が皇后であり、陰陽正しい位置にある。これはすべての家に言えることで、嚴君というのは、立派な父親と母親を指す。子供は母親に甘えがちであるが、母親が甘やかすと子供に良くないので、厳しさが求められる。家族それぞれが自分の為すべきことをして家はよく治まる。婦と妻と二つの字がある。双方婚礼を平等にするときに妻といい、旣に嫁入りしてからは婦という。中男と兄にも嫁がある。一つの家に三つの夫婦が揃っている。
[象傳]
この卦の場合、☴は木、☲は火である。物を煮たり焼いたりするのは竈である。竈をよく治めることが家を治める時の第一である。家族は秘め事をしてはいけない。