4/13(水) ䷶ 雷火豐(らいかほう) 上爻四爻
【運勢】
勢いがあり努力が実を結ぶ時。
悠長にしてはいられない。怠ければ勢いを失い、衰退の道を辿る。
次なる目標を定め、前進すると良い。
自分本位に行動せず、仲間と協力して取り組めば、如何なる困難も乗り越えられる。
【結果】䷶◎上⚪︎四
雷火豐(らいかほう) 上爻四爻
《卦辭》
[上爻 老陰][五爻 少陰][四爻 老陽]
[三爻 少陽][二爻 少陰][初爻 少陽]
《爻辭》
[上爻 優先][四爻]
【原文】
《卦辭》
豐は亨る。王、之に假る。憂ふる勿れ。日中に宜し。彖に曰く、豐は大なり。明󠄃以て動く。故に豐なり。王、之に假るとは、大を尚ぶなり。憂ふる勿れ。日中に宜しとは、天下を照らす宜しきなり。日中するときは則ち昃(かたむ)き、月󠄃盈(み)つるときは、則ち食󠄃す。天地の盈虚、時とともに消息す。而るを況や人に於いてをや。況や鬼神に於いてをや。象に曰く、雷電皆至るは豐。君子以て獄を折し刑を致す。
《爻辭》
[上爻 優先]
上六。その屋を豐にす。その家に蔀す。その戸を闚ふに、闃としてそれ人なし。三歳覿ず。凶。
象に曰く、その屋を豐にすとは、天際に翔るなり。その戸を闚ふに、闃としてそれ人なしとは、自藏するなり。
[四爻]
九四。其の蔀を豐にす。日中斗を見る。其の夷主に遇ふ、吉。象に曰く、其の蔀を豐にすとは、位當らざるなり。日中斗を見るとは、幽にして明ならざるなり。其の夷主に遇ふとは、吉の行なり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
豐の義はひろめる、ひらく、微細にするである。隠れ滞っているものを通して天下の主となって、微隱にはうまく行かない。憂えは未だに収まっていない。だから、豐は亨に至るのである。そして憂えが無くなる。豐亨憂えなきの德を用い、天中に居るべきである。そして天下を照らす。
《爻辭》
[上爻 優先]
屋は藏蔭の物。陰を以て極に處りて、最も外に在り。位を履まずして、深くして自ら幽隱す。迹を絶え深く藏るる者なり。既にその屋を豐にして、又たその家に蔀す。屋厚くして家覆はる、闇きの甚しきなり。その戸を闚ふと雖も、闃としてそれ人なし。その處る所を棄てて、自ら深く藏るるなり。明動にして大いなるを尚ぶの時に處りて、深くして自ら幽隱し、以てその行ひを高くす。大道既に濟りて、猶ほ見ず。隱れて賢を爲さず、更に道に反するを爲す。凶なることそれ宜なるなり。三年にして豐道成り、治道未だ濟らざれば、隱るるも猶ほ可なり。旣に濟りて隱る。是を以て治、亂を爲すなり。
光を翳ふこと最も甚しき者なり。
以て出るべくして出ず、自藏の謂なり。爲す有るして藏るるに非ざるすら、戸庭を出でず、時を失ひ凶に致る。況んや自藏や。凶なることそれ宜なるなり。
[四爻]
陽を以て陰に居り、其の蔀を豐にするなり。初を得て以て發し、夷主たれば吉なり。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
豐は盛大である。知有りて動く。よくうまく行く。王者が大事業を起こす時である。火を日とし、下に在る。その徳の光明、あまねく四方を照らせば、憂うことなく、自然と豊大である。人は明󠄃がなければ物を照らすことできない。動かなければ事業は出来ない。明にしてよく動く。昔は湯王の徳を慕っていった。天が王に勇智を錫(たま)う。
《爻辭》
[上爻 優先]
[四爻]
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
「豊」は腆(あつ)いと云う義で、物が厚く充ち満ちて居ることである。世の中で云えば、天子が名君で政事が能く行き届いて居り、天下が盛んで富んでいることである。しかしながらどれだけ盛んであっても、衰える所も出て来る。下卦の離は日である。東に在る時は未だ日が低いが、日中になれば遍く東西南北を照らし届かない所は無い。ただし日が昃(かたむ)くといけない。
[彖傳]
天子の明徳は宜しく四海天下を照らすべきで、暗い所が出て来てはいけない。しかしながら日が南中すれば、やがては傾いて往く所がある。月も満ちれば、欠けて来る。天地の道は斯くの如きもので、いつまでも保つことは難しい。人間の主でなって居る所の鬼神と雖も、神明なることもあれば、時には神明ならざることもある。自然の勢いと云うものは、力を以て動かすことは出来ない。
[象傳]
雷と電が一書に来るのが豊の卦である。天下が皆富んで、上下安楽の時である。しかし安楽であると、自然と人の心には奢りが出て来るようになる。其処で刑罰を厳重にしなければいけない。
《爻辭》
[上爻 優先]
[四爻]
此れもどこ迄も君を惑はすのである。日中に大ひなる星を見る其處で之に誨へる言ばである。此九四は矢張大臣で居る。大臣たる者は飽迄君の明を蔽ふと云ふでは可けない。其所で其夷主に遇へば吉なり。夷主と云ふのは此初九を指して言ふ。其所で之に誨へる辭ばには兎角我身を全ふするには大臣の官を拗ちて其下賤なる所の我主とする其物に就て能く初九の賢人と親む様にしたならば吉であると云ふ所は速かに位を去れと云ふ事を諷諌するのである。其夷主に遇ふたならば吉である。
[象傳]
其蔀を豊にするは位當らざるなり。我身分は大臣の位に坐つて居る。其大臣の位は我が身に不相當である。小人の身を以て永く其所に居るべき譯のもので無い、其れを日中に斗を見ると云ふものは今の世の中が暗くなつて明かで無いと云ふものは此大臣が君を晦ますからである。其所で我れは大臣の地位を去つて其夷主に遇へば吉であると云ふものは行るなり、我が是迄居る所の位を去る所を言ふのである、行ると云ふは此位を棄て。去つて行く、然うすれば免れる。何時迄も富貴を貪つて居れば可けない。