4/25(月) ䷸ 巽爲風(そんゐふう) 五爻初爻
【運勢】
初めは上手く行かないが、一度進み始めれば、良い結果に終わる。
悩んでも答えは出ない。信頼できる人の意見を仰ぎ、好機を活かすと良い。
礼節を守ると良い。厳しい指摘も素直に受け止め、聞き従う事が大切である。
【結果】䷸◎五⚪︎初
巽爲風(そんゐふう) 五爻初爻
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 老陽][四爻 少陰]
[三爻 少陽][二爻 老陽][初爻 老陰]
《爻辭》
[五爻 優先][初爻]
【原文】
《卦辭》
巽は小(すこ)し亨(とほ)る。往く攸(ところ)有るに利(よろ)し。大人を見るに利し。彖に曰く、重巽以て命を申(かさ)ね、剛、中正に巽して志行はる。柔皆剛に順ふ。是を以て小し亨る。往く攸(ところ)有るに利(よろ)し。大人を見るに利し。象に曰く、隨風は巽。君子以て命を申(かさ)ね、事を行ふ。
《爻辭》
[五爻 優先]
九五。貞にして吉。悔い亡ぶ。利しからざることなし。初なくして終有り。庚に先だつこと三日、庚に後るること三日。吉。
象に曰く、九五の吉は位正中なるなり。
[初爻]
初六。進退す。武人の貞に利し。
象に曰く、進退すとは、志疑うなり。
武人の貞に利しとは、志治るなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
巽の德であるから、少しうまく行く。上下ともに巽。令に違わず命が行われる。だから命が重なり、事が行われる時、上下ともに巽なのである。巽はよく仕えて行くことである。拒むものはない。大人は巽を用いて道がいよいよ盛んになる。剛が巽を用いる。中正に居るのは譲られたのである。明󠄃は間違えることがない。だから少しうまく行くのである。
《爻辭》
[五爻 優先]
陽で陽に居る。初めは誰も喜ばないが、中正に終わる。邪道は消える。
[初爻]
令の初に處り、未だ服し令すること能はざる者なり。故に進退するなり。命を成し邪を齊ふるは、武人より善なし。故に武人の貞に利し。以て之を整ふ。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
巽は順である。一陰が二陽の下に居て陽に順っている。また、入るという意味もある。風、木、命令を意味する。五爻は剛で中正である。大人の象である。命令に重複がある。初爻と四爻は陰であり、陽に順う。大きなことは出来ないにしても、小さなことは出来る。命令は、剛が過ぎれば厳しすぎて民が従えず、乱れてしまう。柔が過ぎれば緩くなり、秩序が乱れてしまう。剛中の君に柔が順う状況なら、大きな成功は見れなくても、官職について君に仕えるのに支障はない。
《爻辭》
[五爻 優先]
天に十日がある。甲から始まり癸で終わる。丁より己に至る。陽で尊󠄄位に居る。命令を出す主󠄃である。下に応じる者がいない。徳は中正。剛が強すぎる間違いはない。命令して初めは効き目がなくても、終には功がある。
[初爻]
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
巽は四爻目の陰爻と初爻目の陰爻が卦の主である。陰爻は、上に重なる陽爻に順っていけば能く亨り、進んで事を行う所に宜しきを得る。この卦はもとは山風蠱から変わったものである。天子の晩年に政治が乱れ、崩御後に太子が即位した。そして朝廷に入り込んだ小人を除きさり、天下を斉(ととの)えた所の象である。古代、堯が隠居して舜に政を斉えさせたのは、まさに此の卦の義である。
[彖傳]
なし
[象傳]
巽は重ねて命令を下し、能く下へ諭す。是までの政の弊害を悉く除いた後で命令を下す。剛は五爻目で、中正の所に坐っており、思う通りに志が行われて往く。柔は初爻目で二・三爻目に順う。四爻目も五・上爻目に順う。そこで小人は大人を見て順い事を行うのが宜しい。
《爻辭》
[五爻 優先]
九五はこの卦の主爻である。三・四・五爻目に兌の卦があり、これは秋である。十干に当てると、庚である。庚は五行に取ってみると、金である。金は物を能く改めると云う象がある。『書経』にも「金従革」とある。其れがこれまでの政の弊害を能く改革する所に象る。其所で悔が亡んで、利の無いことが無い。此の改革は、天子が初めに立てた大本は改めずに、其所を拠り所として終わりを遂げる。これは『書経』で謂う所の、舜に中(あ)たる。舜は、堯の政を始めた所に従って、弊害だけを改めた。先甲三日は、十干で庚の前の丁戊己の事である。後甲三日は、庚の後の辛壬癸のことである。十干の中で始まりの甲乙が無い。其所で无初有終と云う。また山風蠱の卦が、父が終わり、子たるものが新規に始めて行く所と反対である。其所で吉である。
[象傳]
九五が吉であるのは、其の位が正しく、能く中を得て居るからである。
[初爻]