6/18(土) ䷋ 天地否(てんちひ) 上爻三爻

6/18(土) 天地否(てんちひ) 上爻三爻


【運勢】
道理に合わない事が多くなり、世の中が乱れやすい時。
俗欲を抑え控えめに過ごすと良い。
無理に理解を求めず、志は内に秘め冷静に機会を待つ事が大切である。
長い目で見て判断すると良い。
最後には上手く行くだろう。


【結果】
䷋◎上⚪︎三
天地否(てんちひ) 上爻三爻
《卦辭》
[上爻 老陽][五爻 少陽][四爻 少陽]
[三爻 老陰][二爻 少陰][初爻 少陰]
《爻辭》
[上爻 優先][三爻]


【原文】
《卦辭》
否は之(こ)れ人に匪ず。君子の貞によろしからず。大は往き、小は來る。
彖に曰く、「否は之れ人に匪ず。大は往き小は來る」とは、則ち是れ天地交はらずして、萬物通ぜざるなり。上下交はらずして天下邦无(な)きなり。内、陰にして外、陽。内、柔にして外剛。内小人にして外君子なり。小人は道󠄃長じ、君子は道󠄃消ゆるなり。
象に曰く、天地交はらざるは否。君子以て德を儉し難を避け、榮するに禄を以てすべからず。


《爻辭》
[上爻 優先]
上九。否を傾く。先には否にして後には喜ぶ。
象に曰く、否終はるときは則ち傾く。何ぞ長かるべきや。
[三爻]
六三。羞(はぢ)を包む。
象に曰く、羞を包むとは、位當らざるなり。


【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
否者、閉塞なり。此卦、内坤にして外乾。卦變は泰にして興り相錯る。泰の三陽往きて外に居る、三陰來て内に居る。此の天氣は上騰して地氣は下降す。陰陽隔絶す。相交わりて通らざるの象有り。故に卦の名否に曰く、天地交わらず。則ち萬物成らず、萬物の生は人の大爲なし。故に辭系、人に匪ずと云ふ。上下否隔す、國その國非ず、君子、道を行ふ時に非ず。


《爻辭》
[上爻 優先]
長く世が乱れていたが、漸く否の時が終わりそうである。始めは傾いているが、後には通じて喜びにかわる。否の時は長続きしないものである。
[三爻]
すべて小人の道を用いる。上を承けて、位に当たらない。恥をかく。


〔東涯の解釋〕
《卦辭》
否は塞がる、匪人は悪人の意󠄃味である。天地が通じず、上下の意思が通わない様を表す。世の中が乱れる時である。君子が正しくしていても、臣下や国民には伝わらない。悪人が栄え、有徳者は德を隠す。このような時には、徳のある者は徳を隠し、控えめにするのが良い。


《爻辭》
[上爻 優先]
[三爻]
否の時にあり、陰柔で不中正である。陰なのに陽に居る。下卦の最上にをり、また陽に包まれおもねり汚れる。恥をかく。無道の時に仕え、どんなに高位についてもその徳はほめられたものでない。旣に時を計るのに暗く、又己の力量を量るのに短慮である。孔子は言はれた。邦に道無く、富栄えるは恥であると。羞を包むとはそういうことである。


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
否は塞がるの義である。天地陰陽の気が塞がっている。これは地天泰と反対である。こうした隔絶をつくったのは匪人である。匪人は人間でなく、悪の最も大なるものである。君子が正しい政治を行っても災を受け、小人が権力を握る。このような状態では咎を無くし、誉も出ないように謹慎しなければ危うい。大往小来は、陽が外の方へ往ってしまい、陰ばかりが内側に来ることである。
[彖傳]
天の気が上にあり下に降ってこない。地の気は下に滞って上に騰がっていかない。天地の気が交わらなければ、萬物は生長して往かない。上は上で高振って下を顧みず、下は下で上を上と思わず尽くす所が無い。君臣の道も、親子の道も無く、禽獣の住む所と変わらず、人間の国ではない。外卦は陽爻で内卦は陰爻である。これを一人の小人とすれば、内の心は柔弱で陰、外は無理に剛を偽って拵える。朝廷とすれば、内にばかり在って政務を執るのは小人、外に出て遠くの田舎にまで往くのは君子である。世の中が欲ばかり盛んになれば、道徳は廃れ、君子の正しい道は段々と消滅してくる。それを小人の道が長じて、君子の道が消するという。
[象傳]
天地陰陽の気が調和せず、萬物は害を受け、人間の身体も病弱になる。君子は我が身を全うすることを心掛け、なるべく徳を内に仕舞込んで用いない。徳を外に顕すと小人に憎まれて必ず害を受ける。官から禄を与えるといっても、出れば害に遭うから賢人は出てこない。そこで営するに禄をもってすべからず。後世の本には「栄」の字で書いてあるが、古い方の「営」が正しい。


《爻辭》
[上爻 優先]
人が否を傾け泰平にする。先には否であるが、後には喜びが出る。
[象傳]
否が終わるのは自然に終わるのではなく、人の力で傾けたのである。乱れた天下を志あるものが力を合わせて治めなければいけない。
[三爻]
包羞は恥を知らない小人の事である。六三において行う所は、羞の上に羞を重ねており、自分が利さえ得れば良いと思っている。君子と小人の違いは此の廉恥の有無である。
[象傳]
六三は尊い大臣の位に在るが、大臣に為るべき身分でない。羞を知る者ならば、自分から官を辞するであろうが、そのような事は無い。世が乱れ、段々小人の世の中に為って来たが、人民の方で朝廷に在る悪い役人を罷免させ、君子に直接出てもらいたいと願う心が起こる。

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