大有は元(おほ)いに亨る。彖に曰はく、大有は柔尊󠄄意位を得て、大中にして上下之に應ず。大有といふ。その徳剛健にして、文明。天に應じて、時に行く。是を以て元いに亨る。九四。其の彭たるに匪(あら)ざる、咎无し。象に曰はく、其の彭たるに匪ざる、咎なしとは、明󠄃辨晢(せつ)なり。
大有は多くを所有することであり、その徳は剛健であり、滞ることなく、天に応じて行動するので、大変良いという。
四爻は勢いが盛大すぎなければ問題ない。
四爻は大臣などの補佐役の爻で、陽である。
その下役の三爻も陽で上昇志向が強く、自然と四爻は勢いが盛んになりがちである。
しかし、君位の五爻は陰であり、控えめであるから、これ以上四爻が勢いを持つと、君臣の関係がおかしくなってしまう。
明󠄃ははっきりの意󠄃で、辨はわきまえる、晢はかがやくである。
はっきりと忠節をわきまえてこそ、人は輝くのである。
上司をたてることが大切ということである。
物事を進める際に、主導権を利用してはいけない。
常に控えめに進める事が賢明である。
そうすれば、力があるのに驕る事が無い、君子の道に相応しい人間になれるだろう。