【運勢】
進むべき道を理解しているので、些細な事に囚われないと良い。
良く考え行動する事は大切だが、考え過ぎると、かえって的外れになってしまう。
大事は上手く行くので、焦らない事が大切である。
【原文】
《卦辭》
明󠄃夷は艱貞によろし。
彖(たん)に曰はく、明󠄃、地中に入るは明󠄃夷。内文明にして外柔順。以て大難を蒙る。
文王これを以てす。「艱貞によろし」とは、その明󠄃を晦すなり。内艱にして能くその志を正す。箕子之を以てす。
象に曰はく、明󠄃地中に入るは明󠄃夷なり。君子以て衆に莅(のぞ)みて晦を用ゐて明󠄃なり。
《爻辭》
九三。明󠄃、南狩に夷る。其の大首を得たり。
疾く貞にすべからず。
象に曰はく、南狩の志は乃ち大いに得るなり。
【解釋】
〔王弼、通解の解釋〕
《卦辞》
明󠄃夷は目をくらますことである。
心の中では聡明で大きな徳を有しているが、外面は柔順である人、例えば文王のような人である。
箕子は紂の親戚で國内にいたが、難󠄄に会い、内に志を正した。
《爻辞》
南の方に狩りに行き、大物を得た。
あまり急いでは失敗する。
〔根本通明の解釋〕
《卦辞》
明らかなるものが傷ついて夷(や)ぶる。
内卦の離は明らかなるもので、外卦の坤は欲である。
前の卦の火地晋の明徳が欲のために夷ぶれ亡びようとする所の卦である。
[彖伝]
明らかなるものは地の底に這入って悉く失われる。
明徳を身に懐いていながら、その明徳を外に現さずに巽順にして能く仕えている。
その結果、柔順なる聖人は大難を蒙る。
ちょうど文王と殷の紂王の無道なる時に該当する。
[象伝]
明らかなるものが地の中に這って真っ暗に為った所が明夷である。
君子は万民の上に立って晦を用いる。
天子は余り世間の事を細かい所まで見るようではいけない。
《爻辞》
九三は離の卦の最後である。
離は南の象とともに、火で物を害する所があるから兵の象がある。
つまり南において狩りして大首を得るとは、ちょうど殷の紂王を伐ったことにあたる。
しかし是は堪えに堪え、抑えに抑えても、止めることが出来ないために已むを得ず撃ったのである。
[象伝]
南狩之志とは、多いに人民を得たことである。