7/25 (土) ䷝ 離爲火(りいか) 四爻

【運勢】

明るく振舞う者は、意「欲」的になりがちで、正しさを暫し忘れてしまう。

明るく、そして「誠」意的である者は、どんな時でも使命を全う出来るだろう。

明るくある事よりも、正しくある事を常に優先すれば良い。

【原文】

《卦辭》

離は貞に利(よろ)し。亨(とほ)る。牝牛を畜(やしな)へば吉。

彖に曰はく、離は麗なり。日月は天に麗(つ)き、百穀草木は地に麗き、重明󠄃以て正に麗く。乃(すなは)ち天下を化成す。柔、中正に麗く。故に亨る。是を以て牝牛を畜へば吉なり。

象に曰はく、明󠄃兩たび作るは離。大人以て明󠄃を繼ぎ、四方を照らす。

《爻辭》

九四。突如、其れ來如。焚如。死如。棄如。

象に曰はく、突如。其れ來如とは、容るる所󠄃无きなり。

【解釋】

〔王弼の解釋〕

《卦辭》

離は柔であることが正しい。

だから、必ず正しくして後にうまく行く。

陰爻が卦の真ん中にある。

牝の善いものである。

外は強くて内は柔らかい。

牛の善いものである。

柔順を良しとする。

凶暴な動物を飼ってはならない。

牝牛を飼うのが良い。

それぞれのものが、あるべき場所にあるのが良い。

陰爻が真ん中に在ればうまく行く。

吉。

強暴な動物を飼うべきでない。

《爻辭》

明道が始めて変わるところである。

黄昏になって始めて暁となり、日没になって始めて日の出となる。

だから突如という。

その明るさが始めて進み、炎がはじめて盛んになる。

尊位の五爻に近接し、その位にない。

盛んなところに進もうとする。

その上を炎上させる。

命は必ずしも終わらない。

離の義に違い、応ずるものなく、承けるものもない。

民衆が受け入れない。

〔伊藤東涯の解釋〕

《卦辭》

離は附くということである。

一陰が二陽の間についている。

火であり、日であり、電気であり、德としては明󠄃である。

皆柔順であることを知っている。

明󠄃は正しくあるのに良い。

世の中で明󠄃を用いれば、正を失いがちである。

明󠄃が二つ重なる状態で正を忘れなければ、天下を化成することが可能である。

坤では牝馬の貞によいとあったが、この離では牝牛である。

柔順の徳というより、柔順な人に服するのが良い。

智の至りである。

明󠄃とは日のことである。

前の日が没しても、次の日の出がある。

君子はこれを体現し、前の王の明徳を継いでいくのである。

《爻辭》

四爻は不中正で応じるものがない。

人心は服さないし、必ず災いあり。

凶であることは言うまでもない。

〔根本通明の解釋〕

《卦辭》

離はつくの意󠄃味である。

正しくあればどこまでもよい。

陰が陽爻二つの間についている。

この陰爻は坤からきた。

牝牛は柔順であり、温厚である。

二爻と五爻が牝牛であるから、柔順の徳をやしなうべきである。

[彖傳]

乾の卦の二爻と五爻に陰爻がついたのである。

日月は天について天下をあまねく照らす。

また百穀草木は地に附いて盛んである。

明󠄃の上に明󠄃が重なっているので、重明󠄃という。

それが皆正しい位置についている。

日月が天下を照らすように、君主も今日も明日も正しさを失わずにいれば、あまねく天下を化すことが出来る。

中正なる所󠄃に居るのは二爻である。

牝牛というのは二爻のことである。天子は每日明徳を以て政治をしなければならない。

《爻辭》

四爻は陽なのに陰に居るので良くない。

九四は親に背くものであり、親不孝である。

親を弑すなどということがあるべき道理はないが、それがたまに突然起こることがある。

昔漢󠄃土には火葬がなく、親不孝者に施される刑罰であった。

[象傳]

親不孝から起こった事件は最も重い罪である。

そんなことを犯した者には居場所はない。

今日はこの人につき、明日はあちらにつく。

行いに定まりがない。

不孝と不信は置くべきところがないのである。

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