8/3 (月) ䷵ 雷澤歸妹(らいたくきまい) 三爻


【運勢】

道理に従うのなら、未だ動く時では無い。

物事の順序は、秩序を保つ為に重要なので、常に考える必要がある。

社会の秩序は、人間関係の秩序を守る事で、自然と強固なものになるだろう。

【原文】

《卦辞》

婦妹は征けば凶。利(よろ)しき攸(ところ)无し。

彖に曰はく、歸妹は天地の大義なり。天地交はらざれば萬物興らず。歸妹は人の終始なり。說󠄁(よろこ)びて以て動く。妹を歸く所󠄃なり。征けば凶とは位に当たらざるなり。利しき攸无しとは、柔、剛に乘ずればなり。

象に曰はく、澤上に雷有るは歸妹。君子以て終を永くし敝(へい)を知る。

《爻辭》

六三。妹を歸くに須を以てす。反り歸りて娣(いもうと)を以てす。

象に曰はく、妹を歸くに須を以てすとは、未だ当たらざるなり。

〔王弼の解釋〕

《卦辞》

妹は少女のことである。

兌は小陰で、震は長陽である。

小陰が長陽を承けるので、よろこんで動く。

妹を嫁がせる象である。

陰陽が既に合って長と少が交わった。

天地の大義、人倫の終始と言える。

少女を長男に嫁がせる。

少女は嬉しくない。

不正を犯し、それを喜んで動くのは邪道である。

終には敝を知る。

《爻辭》

主が居るのに進もうとする。

進󠄃むがまだ時に当たっていないので、待たなければならない。

だから帰って時を待つのである。

〔伊藤東涯の解釋〕

《卦辞》

婦人のことを嫁とも歸ともいう。

兌は少女、震は長男である。

これは婦人が嫁ぐ時に礼を失している。

二爻から五爻まで位を得ていない。

三爻と五爻の陰爻が陽の上に居る。

これは陰として正しくない。

夫が先に声をかけて、それに妻は随うのである。

これは天地の大義である。

父母の命、媒酌の言を待ち、礼を尽くす。

その後にそれぞれがその道を尽くして家道󠄃がなる。

正しい道に由らないと、その夫婦は礼儀を乱し、制御できなくなる。

《爻辭》

須は卑しい妾のことである。

程子は須は待つである。

適したところがないという。

陰柔であり不中正。

下卦の一番上に居る。

また兌の主である。

この女は婦德を失っていて人のために取らないものである。

初爻の剛、妹で徳がある。

旣に嫁いだが帰る。

その徳が正しくないので帰るのである。

〔根本通明の解釋〕

《卦辞》

上卦は震で長男、下卦は兌で少女である。

兄たる六五の天子は、六三の我が妹を以て、諸侯に嫁がせる。

兌は巧言令色で、男子を玩ぶ象がある。

しかし婚姻は必ず男子の方から求めるべきものだから、女子の方から征くのは凶である。

[彖伝]

夫婦の道は、天地陰陽の道である。

陰陽が正しく交わって、萬物が生じる。

天地の大義は、人の大倫である。

孟子も、男女室に拠るは、人の大倫と云う。

兌は說び、震は動く。

これは妹が帰ぐ所の義にあたる。

三爻目の陰が、一・二爻目の陽の上に乗っており、柔が剛を凌ぐ所がある。

これは戒めなければならず、この女が征けば凶である。

[象伝]

澤上に雷がある。

雷が動けば、澤も随って動く。

これは男子が動いて事を行い、女子がこれに応じる象である。

婚姻を終生の永いものとするには、後々弊害が出ないように能く対策し、始めを慎まなければならない。

《爻辞》

天子は妹を縁付けるにあたり、衣服を飾り立てさせず、却って姪娣の方へ譲らせる。

君の袂は、婦人の袂のことを云ったのであり、その美しさは姪娣のそれに劣る。

衣服を飾って寵愛を専らにするようではいけない。

また天子の女であっても、皇后より一等下るようにするのが礼である。

[象伝]

六五の天子は中庸の徳があり、過ぎたことはしない。

そこで天子の女は、なるべく謙遜をして、衣服等を姪娣より劣るようにして嫁入りする。

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