8/27 (木) ䷶ 雷火豐(らいかほう) 三爻二爻

【運勢】

何事も上手く進み、成果が出るが、安心は出来ない。

何の心配もなく進んでいる様に見えるものほど、表に出ていない不安定さがあり、続かない事が多い。

満遍なく進んでいるという事は、全てが同じ段階にある事を意味しているので、崩れる時も一斉である。

【結果】 ䷶◎三⚪︎二
雷火豐(らいかほう) 三爻二爻

《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陰][四爻 少陽]
[三爻 老陽][二爻 老陰][初爻 少陽]

《爻辭》
[三爻 優先][二爻]

【原文】
《卦辭》
豐は亨る。王、之に假る。憂ふる勿れ。日中に宜し。

彖に曰はく、豐は大なり。明󠄃以て動く。故に豐なり。王、之に假るとは、大を尚ぶなり。憂ふる勿れ。日中に宜しとは、天下を照らす宜しきなり。

日中するときは則ち昃(かたむ)き、月󠄃盈(み)つるときは、則ち食󠄃す。天地の盈虚、時とともに消息す。而るを況や人に於いてをや。況や鬼神に於いてをや。

象に曰はく、雷電皆至るは豐。君子以て獄を折し刑を致す。

《爻辭》
[三爻 優先]
九三。其の沛(はい)を豐にす。日中沫(あわ)を見る。その右肱を折る。咎无し。

象に曰はく、其の沛(はい)を豐にすとは、大事に可ならざるをなり。その右肱を折るとは、終に用うべからざるなり。

[二爻]
六二。其の蔀を豐にす。日中斗を見る。往けば疑疾を得ん。孚有りて發若すれば吉。

象に曰はく、孚有りて發若すとは、信以て志を發するなり。

【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
豐の義はひろめる、ひらく、微細にするである。

隠れ滞っているものを通して天下の主となって、微隱にはうまく行かない。

憂えは未だに収まっていない。

だから、豐は亨に至るのである。

そして憂えが無くなる。

豐亨憂えなきの德を用い、天中に居るべきである。そして天下を照らす。

《爻辭》
[三爻 優先]
沛は幡である。

盛んな光を御す所以である。

沫はかすかに暗い明りである。

上爻と応じる。

志陰にある。

陰が陰に居てもまだ闇を免れない。

日中沫を見ることをいう。

明かりを施せば沫をみれる。

用を施せば右ひじを折る。

だから自分で守らなければならない。

未だ用が足らない。

[二爻]
蔀は覆いである。

光を遮るものである。

明󠄃動の時に居て、自然に豐かにはなれない。

光大の德で内に居る。

陰で陰に居る。

豐かなところに蔀がある。

かすかにしてみえない。

日中は明󠄃の盛である。

北斗が見えるとは暗い事の極みである。

だから往くと疑いを招く。

そして中を履んで位に当たる。

暗い場所に居て邪にならない。

争うことがあれば、誠が大切である。

闇に苦しまない。

だから吉。

〔伊藤東涯の解釋〕
《卦辭》
豐は盛大である。

知有りて動く。

よくうまく行く。

王者が大事業を起こす時である。

火を日とし、下に在る。

その徳の光明、あまねく四方を照らせば、憂うことなく、自然と豊大である。

人は明󠄃がなければ物を照らすことできない。

動かなければ事業は出来ない。

明にしてよく動く。

昔は湯王の徳を慕っていった。

天が王に勇智を錫(たま)う。

《爻辭》
[三爻 優先]
旧本では沛を旆と書いた。

王弼は幡とした。

内を覆い、暗いことが甚だしい。

右腕を折ってしまうと行動できなくなる。

明の最上に居て、陽剛正を得て、上は上爻が陰。

治めることが出来ない。

二爻に比である。

二は陰であり、陽に順う。

暗い場所に居ても、上に頼るべき君主なし。

右手を折って用いることが出来ない。

位は正しい。

陰暗の世に居て、明正の功があり、問題ない。

[二爻]
蔀は覆いである。

北斗が暗いから見える。

この爻には豐があり、明の主爻である。

中正の徳がある。

五爻が応じる。

五爻は陰柔不正、よく動くことが出来ない。

才があっても上が応じない。

陰暗が甚だしくよく見えない。

日中の一番盛に北斗が見える。

五爻は柔暗、賢を下すことがきでない。

もし行きて求めれば、人々の猜疑心を引き起こす。

ただひたすら人に誠実にあるべきである。

大変な賢人と暗愚の君、誠実のみである。

〔根本通明の解釋〕
《卦辞》
「豊」は腆(あつ)いと云う義で、物が厚く充ち満ちて居ることである。

世の中で云えば、天子が名君で政事が能く行き届いて居り、天下が盛んで富んでいることである。

しかしながらどれだけ盛んであっても、衰える所も出て来る。

下卦の離は日である。

東に在る時は未だ日が低いが、日中になれば遍く東西南北を照らし届かない所は無い。

ただし日が昃(かたむ)くといけない。

[彖伝]
天子の明徳は宜しく四海天下を照らすべきで、暗い所が出て来てはいけない。

しかしながら日が南中すれば、やがては傾いて往く所がある。

月も満ちれば、欠けて来る。

天地の道は斯くの如きもので、いつまでも保つことは難しい。

人間の主でなって居る所の鬼神と雖も、神明なることもあれば、時には神明ならざることもある。

自然の勢いと云うものは、力を以て動かすことは出来ない。

[象伝]
雷と電が一書に来るのが豊の卦である。

天下が皆富んで、上下安楽の時である。

しかし安楽であると、自然と人の心には奢りが出て来るようになる。

其処で刑罰を厳重にしなければいけない。

《爻辞》
[三爻 優先]
六二は日中に北斗七星を見る程暗いが、九三に至っては小さな星まで見える程に愈々暗い。

小人が盛んになって、我が寵愛を専らにするために、君の明徳を塞ぐ。

九三は上六と応じて居る。

上六は君の側で大臣の地位にあるが、最も小人であり、是が君を惑わす甚だしい者である。

上六は豪傑で剛にして正しい所の九三を我が党派に引き込もうとするが、それを憂えた九三は自ら我が腕を折ってしまい、上六に対して用を為さないことを明らかにする。

従って咎は無い。

[象伝]
小人が権勢を専らにして居れば、大事を行ってはいけない。

右肱を折ると云うのは、誓って上六のための働きを為さないことを示す。

[二爻]
この卦は安楽の義が有り、小人が君に楽しみを勧め奢りを助長させる所がある。

蔀(しとみ)は遮り塞ぐ物で、君の明徳を蔽って塞ぐ所が甚だ盛んである。

六二は陰爻を以て陰位に在り、離の卦の主爻でもあるから、明徳ある賢人のことである。

賢人が往って君を輔けようとするが、讒言が多い為に往けば君から疑われる。

天子が惑いから覚めて、忠臣の精神に感じ入り、志を動かす様になれば吉である。

[象伝]
六二の信が六五の天子の志を動かす。

其処で信以発志也と云う。

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