9/5 (土) ䷹ 兌爲澤(だいたく) 四爻初爻

【運勢】

公私共に、良い人間関係を築く事が出来る。

日々の習慣から信念は生まれるので、良い習慣は大変であっても続けるべきである。

大きな選択を迫られるが、この事を念頭に置けば、自ずと答えを見出せるだろう。

【結果】 ䷹◎四⚪︎初

兌爲澤(だいたく) 四爻初爻

《卦辭》

[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 老陽]

[三爻 少陰][二爻 少陽][初爻 老陽]

《爻辭》

[四爻 優先][初爻]

【原文】

《卦辭》

兌(だ)は亨(とほ)る。貞によろし。彖(たん)に曰はく、兌は說󠄁(よろこ)ぶなり。剛は中にして柔は外。說󠄁(よろこ)びて貞によろし。ここを以て天に順(したが)ひて人に應ず。說󠄁(よろこ)びて以て民に先(さきだ)てば、民その労をわする。よろこびて

以て難󠄄を犯せば、民その死をわする。說󠄁の大、民勧むかな。

象に曰はく、麗澤(れいたく)は兌。君子以て朋友講習す。

《爻辭》

[四爻 優先]

九四。商(はか)りて兌(よろこ)ぶ。未だ寧(やす)からず。介として疾めば喜び有り。

象に曰はく、九四の喜は慶有るなり。

[初爻]

初九。和して兌(よろこ)ぶ。吉。

象に曰はく、和して兌ぶの吉は、行ひて未だ疑はざるなり。

【解釋】

〔王弼と東涯の解釋〕

《卦辞》

兌は喜ぶこと、嬉しいことである。

この卦は☱が二つ重なってできている。

☱は内に强い意志を持ち、外に対しては温和な態度で臨むので、人との付き合いはうまく行き、人間関係は良好である。

内に强い意志を持ち、外に対して温和な態度の人は、天道にも、人道にも逆らわない良い人である。

喜びを大切にすれば、他の人はどんな労力も厭わずに協力してくれる。

《爻辭》

〔王弼の爻辭〕

[四爻 優先]

商は量る、裁く、制するの意󠄃である。

介は隔てるの意󠄃。

三爻はおもねりの喜びを用い、至尊󠄄の五爻に近づく。

だから四爻が剛德を以て裁き、三爻を隔てる。

内を正し、外を制す。

だから未だ寧(やす)からずである。

危機に近づき、邪を遠ざけ、疾病を隔てる。

喜びがある。

[初爻]

兌の初めに居て、応じるものがない。

仲間となる者がいない。

喜びは諂(へつら)いではない。

これを履んで行く。

初爻を疑う者はいない。

当然吉である。

〔伊藤東涯の爻辭〕

[四爻 優先]

四爻は兌にあって、上は五爻で中正である。

三爻の陰柔に比の関係(相性が良い)で、從うところを考えている。

取捨して未だ決まらない。

だから心が安定しない。

そして質は本来は陽剛、よく正しさを守る。

邪悪を遠ざければ、喜びがある。

前󠄃に從えば上り、惡に從えば崩れる。

君子は親しみにくく、小人は付き合いやすい。

剛德を大切にすれば喜びを得る。

[初爻]

初爻は兌にあって、陽で最下位に居る。

上に応ずる者がいない。

だから仲間を持たずして、人と喜びを共にするものである。

人は陰柔にして上に居れば、自ら用いて衆をいれない。

友達や親類がいなければ、近づき慣れ親しむものがない。

初爻は陽剛の徳を行って卑下の地に居る。

それは喜びの至りである。

和して偏向しない。

君子は和して同ぜずという。

吉である。

〔根本通明の解釋〕

《卦辞》

兌は喜びである。

自然と出る喜びが本当のもので、私心からの喜びは偽りである。

立心偏のない「兌」が本来のもので、立心偏を添えた「悅」や言偏を添えた「說」になるのは後の事である。

彖伝が「說」の字で書くのは、喜びを言葉で表すからである。

上卦下卦とも兌であるのは、己と他者が互いに喜ぶ象である。

互いに相助ける所があるので、何事も亨るのである。

『中庸』に「致中和天地位」とある。この中和が兌の卦にあたる。

中庸の道を行い、人がそれに服し、親しみ和合するなら、天地陰陽の気までも調和する。

あくまで作られた喜びでなく、正しい所が無ければいけない。

そこで「貞利」なのである。

[彖伝]

「兌悅也」というのは、沢山咸の「咸感也」と同様に、「心」の字の有無と同じである。

「剛中」は二爻目、五爻目が陽爻で、それぞれ上卦下卦の中を得ていることを云う。

「柔外」は三爻目、上爻が陰=柔らかであることを云う。つまり剛は明らかにして正しく、外の人には穏やかで柔らかに交わるのである。

それによって自他ともに喜ぶのであり、正しい所にあるのがよろしい。

この卦を天地人の三才に分けてみると、上の二爻が天、下の二爻が地、中の二爻が人となる。

「天に順い」というのは、五爻目は天の正しい位で、其れに上六が陰爻で順っていることである。

また「人に応ずる」は、人にあたる三爻目が陰爻で、地にあたる二爻目が陽爻であるから、人に応じているのである。

己が先ず喜びを起こすことで、民も喜び順う。

上下和順しているから、民は労苦を忘れて働き、戦争が起これば難を犯して戦ひ、死をも忘れて尽くすのである。

[象伝]

兌の卦を澤と言う。

澤は潤うという義で物に湿潤の気を含んでいる。

『国語』の「周語」に、澤は美(水)を鐘(あつ)めるとある。

これが麗澤である。

《爻辞》

[四爻 優先]

九四は名君の九五を輔ける大臣である。

しかし傍らにいる巧言令色な小人の六三に迷わされる。

九四は說び親しむ所を考えて未だ心が定まらない。

其所で邪なる所の疾(六三)を隔てたなら喜びが出て来る。

[象伝]

九四の大臣に目出度き所の喜びが出て来ると共に、国家の大いなる慶びが出てくる。

「慶」の字は一人の慶びでなく、大いなる慶びである。

[初爻]

我と彼と互いに和合して說ぶ。

初九は說びの始まりである。

未だ年若く、世に揉まれておらず、質僕な所がある。

其所で和順して互いに愛說ぶ所がある。

[象伝]

無し

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