7/29 (木) ䷎ 地山謙(ちさんけん) 二爻初爻

【運勢】
謙は謙遜の美徳を説いた卦である。
常日頃から、謙虚でいることが大事である。
正しい行いを続け、謙虚で居続けることは、大変である。しかし、続けることによって大成することができる。


【原文】
《卦辭》
謙は亨(とほ)る。君子は終はり有り。
彖に曰はく、謙はとほる。天道下濟して光明。地道卑(ひく)くして上行す。天道は盈(えい)を虧(か)きて、謙に益す。地道󠄃は盈を變じて謙に流る。鬼神は盈を害して謙に福す。人道は盈を惡(にく)みて謙を好む。謙は尊くして光り、卑(ひく)くして踰ゆべからず。君子の終はりなり。


《爻辭》
[二爻]
六二。鳴謙(めいけん)す。貞にして吉。
象に曰く、鳴謙す、貞にして吉とは、中心得ればなり。
[初爻]
初六。謙謙す。君子大川を渉るに用ふれば吉。
象に曰はく、謙謙す。君子とは卑しうして以て自ら牧(やしな)ふなり。


【解釋】
〔王弼と東涯の解釋〕
《卦辞》
謙は謙譲や謙遜の意󠄃味である。平面な地卦の下に高いはずの山卦がある様が謙遜を表す。謙譲の徳を持っている者は、どんなところでも歓迎されるし、尊敬される。しかし、謙譲の美徳は昇進するにつれて失いがちである。謙譲の美徳を持ち続けて、人の上に立つことは難しい。君子とは最後まで謙譲の美徳を全うすることができる人のことである。これを有終の美という。謙譲の美徳を有する者が上にいると、下の者を大切にするので、下の者は自分の実力を活かすことができる。また、謙譲の美徳を有する者が下にいると、周りの人がその徳を慕って昇進を求める。


〔王弼の爻辭〕
[二爻]
鳴は、名声が聞くことができる言われである。位を得て中に居て、謙にして正である。
[初爻]
謙の最下位に居て、謙の中の謙である。よく謙を体する謙である。それは君子のみである。大難を渡るに用いる。害はない。牧は養うである。

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