5/27日 ☱☵ 澤水困 五爻

困は亨る。貞なり。大人は吉にして咎なし。言有り。信ぜられず。彖に曰はく、困は剛揜(おほ)はるるなり。險以て說󠄁(よろこ)ぶ。困みてその亨るところを失はず。それただ君子のみか。貞なり。大人は吉。剛中を以てなり。言有り。信ぜられずとは、口を尚べば乃ち窮まるなり。九五。劓られ、刖られ。赤紱に困しむ。乃ち徐にして說󠄁び有り。用て祭祀するに利ろし。

困は苦しむことである。

しかし、最後は苦しいながらも屈することなく困難から脱出できるだろう。

正しく生きるということは元々困難なものである。

それでも正しいことを続けていかなければならない。

徳のない人にはできないことである。

口だけ立派なことを言っているだけでは駄目である。

行動が伴わないと信用されない。

五爻は為政者の爻である。

鼻を切られ、足を切られる困難な状況である。

そこで赤紱という礼服を着て賢者を待つがまだ来てくれない。

しかし急がずゆっくりとしていれば、志を遂げることができ、喜びも訪れる。

必ず賢者が来てくれて、共に祭祀を行うことで、福を得よう。

物事に行き詰まりを感じる時、その困難の原因を排斥する。

しかし、そうして解決しようとすれば、協力は得られず、かえって阻まれるだろう。

けれど心配は要らない、真に進むべき道(徳のある道)は外の者に止める事が出来ない。

5/25日 ☶☴ 山風蠱 二爻

蠱は元いに亨る。大川を渉るに利ろし。
甲に先だつこと三日。甲に後るるに三日。彖に曰はく、蠱は剛上りて、柔は下りる。九二。母の蠱を幹す。貞にすべからず。象に曰はく、母の蠱を幹すとは、中道を得るなり。

蠱は腐敗の意󠄃味であり、腐敗を正すことが求められている。

そのためには大胆なことをしなければならない。

5月31日が甲の日であり、この日を挟む前後3日が重要である。

この間に大改革をすれば、事はうまく行き、その後に腐敗は自然と解消するであろう。

そうすれば一陽来復、また好転し始める。

二爻の意󠄃味は、五爻の母親の腐敗に二爻の子供が対処するという状況である。

ただし、子供は強く働きかけるべきではない。

母子の仲が悪くなるだけで、解決にはつながらない。

中道を大切にしなければならない。

改革を始める時、その体制の否定を公にするべきではない。

正道を歩んでいるものは、相手を否定せずとも受け入れられるだろう。

5/26日 ☳☴ 雷風恒 三爻

恒は亨る。咎めなし。貞に利ろし。往く攸あるに利ろし。彖(たん)に曰はく。恒は久なり。剛上りて柔下る。雷風相ひ與す。巽にして動き、剛柔皆應ず。恒。恒は亨る。咎めなし。

貞によろしとは、その道に久しきなり。

天地の道󠄃は恒久にしてやまず。

往くところあるによろしとは、終れば則ち始まり有るなり。

日月は天を得てよく久しく照らす。

四時は変化して、よく久しく成󠄃る。

聖人はその道を久しくして天下化成す。

その恒とするところをみて、天地萬物の情󠄃見るべし。

九三。その徳を恒にせず。

或いはこれが羞を承く。

貞なれども吝なり。

恒は変わらないこと、久しいこと。

何事も長く続けることで、邪悪に誘われて横道に逸れることもなく、変化しつつも変わらないことが大切である。

太陽や月、四季が恒久的に維持されることから、天地万物が生育する意󠄃味を知る。

三爻は有力者に従って利を得ようとするばかりで、恒の徳を守らず、節操がない。

こういう人は根本から心を改めなければならない。

そうしないと恥をかくことになる。

事なかれ主義は、大切な処世術の一つだ。

しかし、これでは八方美人になり、信頼は得られない。

信頼を得る為には、芯を持った発言や行動が重要になる。

一度決めた道は貫き通す、そういった強い意志が必要である。

5/24日 ☳☶ 雷山小過 上爻

小過は亨る。貞に利ろし。小事に可にして、大事に可ならず。飛鳥之れが音を遺す。上るに宜しからず、下るに宜し。大吉。上六。遇はずして之に過ぐ。飛鳥之に離る、凶。是を災眚(さいせい)と謂ふ。

小過は陰の過ぎたること、少し過ぎたことの意󠄃である。

小さなことをするのは良いが、大きなことをしてはならない。

昇ろうとするのは良くないが、降ろうとするのは良い。

この卦の形は☵を二倍にしたようであり、その形は大きな鳥が羽ばたいているように見える。

そこで空を飛ぶ鳥の話になる。

鳥が姿が見えないほど高く飛んでいるから、これ以上高く飛ぶべきでないというのである。

上爻は陰が過ぎる、徳のないものが究極まで来てしまったということである。

ついに遇うべき人にも遇えなかった。

飛ぶ鳥が網に引っかかるようなことになる。

凶であり、災いというべきである。

早急に己の言動を反省すべきである。

自己の能力が不足しているので、周りの為に行動をする事は困難。

周りに助けてもらう時期を逃してしまったため、物事を良い方に進める事は出来ない。

慢心を続けるのなら、災いを招くだろう。

5/23日 ☳☶ 雷山小過 五爻

小過は亨る。貞に利ろし。小事に可にして、大事に可ならず。飛鳥之れが音を遺す。上るに宜しからず、下るに宜し。大吉。六五。密雲雨ふらず。我が西郊よりす。公戈して彼の穴に在るを取る。

小過は陰の過ぎたること、少し過ぎたことの意󠄃である。

小さなことをするのは良いが、大きなことをしてはならない。

昇ろうとするのは良くないが、降ろうとするのは良い。

この卦の形は☵を二倍にしたようであり、その形は大きな鳥が羽ばたいているように見える。

そこで空を飛ぶ鳥の話になる。

鳥が姿が見えないほど高く飛んでいるから、これ以上高く飛ぶべきでないというのである。

五爻は西の方から大きな雲が出来てきたが、まだ雨が降らない。

陰気が勝りすぎているからである。

優秀だが日の目を見ていない人(穴の中にいる鳥)を取り立てて(捕まえて)、補佐させよ。それでも大きなことはすべきでない。

自己の能力が不足しているので、周りの為に行動をする事は困難。

取り立てて悪い事は起こらないので、先ず自分の為に行動するべきである。

大きな事を為す場合は、周りの人間の協力が必要不可欠だろう。

5/22日 ☱☴ 澤風大過󠄃 三爻

大過は棟撓(たわ)む。往く攸(ところ)あるに利ろし。亨る。九三。棟撓む。凶。

大過󠄃は大なることが過󠄃ぎる、または過剰が大であることを意味する。

それだけ、勢力が充満しているので、大きなことをしようとすることにはちょうど良い。

三爻は、特に棟の撓みがひどいので、誰も助けられないから凶である。

棟木(上に立つ人)を支える事が出来ない。

この状況はどうする事も出来ないので、間もなく家は壊れてしまうだろう。

大過の最も大過らしいところ。

5/21日 ☰☲ 天火同人 三爻

同人は野に于(おい)てす。亨る。大川を渉るに利ろし。君子の貞に利ろし。九三。戎を莽に伏せ、其の高陵に升る。三歳興らず。

同人は同志の意󠄃である。

天も火も火德で同じである。

ただ狭い付き合いに終わらせず、多くの人と交わることを良しとする。

常に人に対して公明正大に接していれば、どんな難事業も一緒に乗り越えられるとする。

三爻は強敵が待ち構えているので、草むらから様子をうかがっている状況である。

高い丘の上に登って敵情を視察してみると、相手の手強さを再確認した。

三年は兵を起こすことができないであろう。

泣き寝入りするしかない。

このまま進めても成果が得られないので、計画を変更するべきである。

欲がとても強く、満たす為にあれこれと画策をする。

しかし、この行動は不純な動機から来ている為、無理に遂げようとするならば、最後には非難されてしまうだろう。

5/20日 ☷☲ 地火明夷 二爻

明夷は艱貞に利し。彖に曰はく、明󠄃地中に入るは明󠄃夷。内文明にして外柔順。以て大難を蒙る。文王之を以てす。艱貞に利しとは、その明りをくらますなり。内難󠄄にしてよくその志を正す。箕子(きし)を以てす。六二。明󠄃夷。左股をやぶる。用て拯(すく)ふ。馬壮なり。吉。

明󠄃夷は光明がくらまされることである。

明徳ある人が外面に柔順であるので、徳のないものに傷つけられてしまったのである。

昔、殷代の末期、暴君の紂王が聖人の文王を羑里(ゆうり)というところに幽閉したのと同じである。

また殷の名臣であった箕子(きし)は、紂王の暴政に、心中多くの辛いことを抱えながらも、志を正し続けたのである。

二爻は左の股を傷つけたとある。

これはまだ軽傷であり、幸い馬は元気なので、困難を克服できるとする。

大きな障害を受けて、自力ではどうする事も出来無い。

けれど心配は要らない。

志を同じくする仲間に協力してもらい、最後には報われるだろう。

5/19日 ☰☵ 天水訟 二爻

訟は孚有り。窒がる。惕れて中すれば吉。終はれば凶。大人を見るに利ろし。大川を渉るに利ろしからず。九二。訟を克くせず。歸りて逋る。其の邑人(むらびと)三百戸、眚(わざはひ)无(な)し。

訟は訴訟などの言い争いを表す。

いくら言い分があろうとも、不利に働き、最後は凶となる。

有徳者に仲介してもらい、あまり大事にすべきでない。

二爻は、言い争いを途中でやめるが、それが結果的に良いとする。

小さな集団でのことあるから、そこまで揉め事を引きずろうとはしないのである。

自分の正しいと思う事が、必ずしも皆に認めてもらえるとは限らない。

相手に伝わらない、理解してもらえない時は対立をして事を荒立てるのではなく、相手の意見を聞く度量が大切である。

5/18日 ☵☱ 水澤節 初爻

節は、亨る。苦節は貞にすべからず。戸庭を出でず。咎なし。

節󠄄は節目、節制、節約などを表す。

初爻は節度をわきまえ、家の外にむやみに出ようとしないので、問題ない。

三爻四爻五爻は☶(艮)である。

艮(うしとら)は鬼門であり、それを二爻が戸となってふさいでいる。

これをくぐるのは良くない。

自分のよく知る範囲で、物事を進める事が大切。

物事の通塞(タイミング)をよく理解すれば、間違いは犯さないだろう。