1/15(土) ䷵ 雷澤歸妹(らいたくきまい) 上爻二爻
【運勢】
何事も楽な道などない。
物の順序を無視して、不正な道を歩めば、最悪の結果を招くだろう。
大きな間違いを犯す前に、自らを省みる事が大切である。
理性的に判断し、無理な事には早めに見切りを付けると良い。
【結果】䷵◎上⚪︎二
雷澤歸妹(らいたくきまい) 上爻二爻
《卦辭》
[上爻 老陰][五爻 少陰][四爻 少陽]
[三爻 少陰][二爻 老陽][初爻 少陽]
《爻辭》
[上爻 優先][二爻]
【原文】
《卦辭》
婦妹は征けば凶。利(よろ)しき攸(ところ)无し。彖に曰はく、歸妹は天地の大義なり。天地交はらざれば萬物興らず。歸妹は人の終始なり。說󠄁(よろこ)びて以て動く。妹を歸く所󠄃なり。征けば凶とは位に当たらざるなり。利しき攸无しとは、柔、剛に乘ずればなり。象に曰はく、澤上に雷有るは歸妹。君子以て終を永くし敝(へい)を知る。
《爻辭》
[上爻 優先]
上六。女筐を承けて實なく、士羊を刲すに血なし。利しき攸なし。
象に曰く、上六の實なきは、虚筐を承くるなり。
[二爻]
九二。眇能く視る。幽人の貞に利し。
象に曰く、幽人の貞に利しとは、未だ常を變ぜざるなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
妹は少女のことである。兌は小陰で、震は長陽である。小陰が長陽を承けるので、よろこんで動く。妹を嫁がせる象である。陰陽が既に合って長と少が交わった。天地の大義、人倫の終始と言える。少女を長男に嫁がせる。少女は嬉しくない。不正を犯し、それを喜んで動くのは邪道である。終には敝を知る。
《爻辭》
[上爻 優先]
羊とは三を謂ふなり。卦の窮みに處り、仰ぎて承くる所なく、下も又た應ずるなし。女と爲りて命を承くれば、則ち筐虚たりて之れ與する莫し。士と爲りて命を下せば、則ち羊を刲すに血なし。羊を刲すに血なければ、命ずる所に應ぜざるなり。進むも退くも與する莫し。故に利しき攸なしと曰ふなり。
[二爻]
其の位を失ふと雖も、内に居りて中に處り。眇猶ほ能く視る。以て常なるを保つに足るなり。内に在りて中を履みて、能く其の常を守る。故に幽人の貞に利しなり。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
婦人のことを嫁とも歸ともいう。兌は少女、震は長男である。これは婦人が嫁ぐ時に礼を失している。二爻から五爻まで位を得ていない。三爻と五爻の陰爻が陽の上に居る。これは陰として正しくない。夫が先に声をかけて、それに妻は随うのである。これは天地の大義である。父母の命、媒酌の言を待ち、礼を尽くす。その後にそれぞれがその道を尽くして家道󠄃がなる。正しい道に由らないと、その夫婦は礼儀を乱し、制御できなくなる。
《爻辭》
[上爻 優先][二爻]
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
上卦は震で長男、下卦は兌で少女である。兄たる六五の天子は、六三の我が妹を以て、諸侯に嫁がせる。兌は巧言令色で、男子を玩ぶ象がある。しかし婚姻は必ず男子の方から求めるべきものだから、女子の方から征くのは凶である。
[彖傳]
夫婦の道は、天地陰陽の道である。陰陽が正しく交わって、萬物が生じる。天地の大義は、人の大倫である。孟子も、男女室に拠るは、人の大倫と云う。兌は說び、震は動く。これは妹が帰ぐ所の義にあたる。三爻目の陰が、一・二爻目の陽の上に乗っており、柔が剛を凌ぐ所がある。これは戒めなければならず、この女が征けば凶である。
[象傳]
澤上に雷がある。雷が動けば、澤も随って動く。これは男子が動いて事を行い、女子がこれに応じる象である。婚姻を終生の永いものとするには、後々弊害が出ないように能く対策し、始めを慎まなければならない。
《爻辭》
[上爻 優先][二爻]