1/29(土) ䷶ 雷火豐(らいかほう) 二爻
【運勢】
勢いのある時は、その勢いを正しい方向へ進めなければならない。
如何に遠回りであっても、周りから疑われない様に、注意して行動する事が大切である。
独善的にならず、公明正大さを心掛ければ、何事も上手く行くだろう。
【結果】䷶◎二
雷火豐(らいかほう) 二爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陰][四爻 少陽]
[三爻 少陽][二爻 老陰][初爻 少陽]
《爻辭》
[二爻]
【原文】
《卦辭》
豐は亨る。王、之に假る。憂ふる勿れ。日中に宜し。
彖に曰く、豐は大なり。明󠄃以て動く。故に豐なり。王、之に假るとは、大を尚ぶなり。憂ふる勿れ。日中に宜しとは、天下を照らす宜しきなり。
日中するときは則ち昃(かたむ)き、月󠄃盈(み)つるときは、則ち食󠄃す。天地の盈虚、時とともに消息す。而るを況や人に於いてをや。況や鬼神に於いてをや。
象に曰く、雷電皆至るは豐。君子以て獄を折し刑を致す。
《爻辭》
六二。其の蔀を豐にす。日中斗を見る。往けば疑疾を得ん。孚有りて發若すれば吉。
象に曰く、孚有りて發若すとは、信以て志を發するなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
豐の義はひろめる、ひらく、微細にするである。
隠れ滞っているものを通して天下の主となって、微隱にはうまく行かない。
憂えは未だに収まっていない。
だから、豐は亨に至るのである。
そして憂えが無くなる。
豐亨憂えなきの德を用い、天中に居るべきである。そして天下を照らす。
《爻辭》
蔀は覆いである。光を遮るものである。明󠄃動の時に居て、自然に豐かにはなれない。光大の德で内に居る。陰で陰に居る。豐かなところに蔀がある。かすかにしてみえない。日中は明󠄃の盛である。北斗が見えるとは暗い事の極みである。だから往くと疑いを招く。そして中を履んで位に当たる。暗い場所に居て邪にならない。争うことがあれば、誠が大切である。闇に苦しまない。だから吉。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
豐は盛大である。
知有りて動く。
よくうまく行く。
王者が大事業を起こす時である。
火を日とし、下に在る。
その徳の光明、あまねく四方を照らせば、憂うことなく、自然と豊大である。
人は明󠄃がなければ物を照らすことできない。
動かなければ事業は出来ない。
明にしてよく動く。
昔は湯王の徳を慕っていった。
天が王に勇智を錫(たま)う。
《爻辭》
蔀は覆いである。北斗が暗いから見える。この爻には豐があり、明の主爻である。中正の徳がある。五爻が応じる。五爻は陰柔不正、よく動くことが出来ない。才があっても上が応じない。陰暗が甚だしくよく見えない。日中の一番盛に北斗が見える。五爻は柔暗、賢を下すことがきでない。もし行きて求めれば、人々の猜疑心を引き起こす。ただひたすら人に誠実にあるべきである。大変な賢人と暗愚の君、誠実のみである。
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
「豊」は腆(あつ)いと云う義で、物が厚く充ち満ちて居ることである。
世の中で云えば、天子が名君で政事が能く行き届いて居り、天下が盛んで富んでいることである。
しかしながらどれだけ盛んであっても、衰える所も出て来る。
下卦の離は日である。
東に在る時は未だ日が低いが、日中になれば遍く東西南北を照らし届かない所は無い。
ただし日が昃(かたむ)くといけない。
[彖傳]
天子の明徳は宜しく四海天下を照らすべきで、暗い所が出て来てはいけない。
しかしながら日が南中すれば、やがては傾いて往く所がある。
月も満ちれば、欠けて来る。
天地の道は斯くの如きもので、いつまでも保つことは難しい。
人間の主でなって居る所の鬼神と雖も、神明なることもあれば、時には神明ならざることもある。
自然の勢いと云うものは、力を以て動かすことは出来ない。
[象傳]
雷と電が一書に来るのが豊の卦である。
天下が皆富んで、上下安楽の時である。
しかし安楽であると、自然と人の心には奢りが出て来るようになる。
其処で刑罰を厳重にしなければいけない。
《爻辭》
この卦は安楽の義が有り、小人が君に楽しみを勧め奢りを助長させる所がある。蔀(しとみ)は遮り塞ぐ物で、君の明徳を蔽って塞ぐ所が甚だ盛んである。六二は陰爻を以て陰位に在り、離の卦の主爻でもあるから、明徳ある賢人のことである。賢人が往って君を輔けようとするが、讒言が多い為に往けば君から疑われる。天子が惑いから覚めて、忠臣の精神に感じ入り、志を動かす様になれば吉である。
[象傳]
六二の信が六五の天子の志を動かす。其処で信以発志也と云う。