1/3(月) ䷱ 火風鼎(かふうてい) 三爻

1/3(月) 火風鼎(かふうてい) 三爻


【運勢】
火を長く灯すには、常に新しい風を送り込む必要がある。
偏見や拘りを持たず、相手の意見を尊重し、協力する事が大切である。
過ぎたるは猶及ばざるが如し。
一つの事に入れ込み過ぎず、冷静に全体を俯瞰して見ると良い。


【結果】
䷱◎
火風鼎(かふうてい) 三爻
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 少陰][四爻 少陽]
[三爻 老陽][二爻 少陽][初爻 少陰]
《爻辭》
[三爻]


【原文】
《卦辭》
鼎は元(おほ)いに吉、亨(とほ)る。
彖に曰はく、鼎は象なり。木を以て火に巽れて、亨飪(かうじん)するなり。聖人亨(かう)して以て上帝を亨す。而して大いに亨して以て聖賢を養ふ。巽(そん)にして耳目(じもく)聡明(そうめい)。柔進みて上行す。中を得て剛に應ず。是を以て元いに亨る。
象に曰はく、木の上に火有るは鼎(てい)。君子以て位を正し、命を凝(あつ)む。


《爻辭》
九三。鼎の耳革る。其の行塞る。雉の膏食はれず。方に雨ふらんとして悔を虧く。終に吉。
象に曰く、鼎の耳革るとは、其の義を失ふなり。


【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《卦辭》
古い制度が新しく刷新され、新しい制度が定着するので大吉である。
さらに、それが長くなる持続するので亨るという。
鼎(かなえ)は食べ物を煮炊きする器である。
程子はこの卦自体が鼎の形を象っているとする。
初爻が鼎の足で、二爻から四爻までが鼎の腹、五爻が口で、上爻が蓋であるとする。
下が木德であり、上が火德であるから、物の煮炊きに良いので、鼎とされるのである。
革の卦と対応しており、五爻と二爻が応じており、和順で聡明である。
だから、大吉なのである。
何かをする時に人の助けがあり、その人に任せられる。
君臣の心が通じ合っている。
おそらく、亨と烹は音が通じるので古代にはどちらも使われていたのであろう。
《爻辭》
鼎の義爲る。中を虚にして以て物を待つ者なり。而して三は下體の上に處りて、陽を以て陽に居り、實を守りて應ずるなく、納れ受くる所なし。耳とは宜しく空にして以て鉉を待つべくして、反りて其の實塞るを全くす。故に鼎の耳革る、其の行くこと塞ると曰ふ。雉の膏有ると雖も、終に食ふこと能はざるなり。雨とは、陰陽交はり和して亢に偏らざる者なり。陽爻を體すと雖も、陰卦を統屬す。若し全く剛の亢なるを任ぜざれば、務めは和し通ずるに在り。方に雨ふらんとすれば則ち悔虧く。終ふれば則ち吉なり。


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
鼎は三足の鍋で、天下の宝器であり、王の象徴である。
日本でいうところの三種の神器である。
鼎は五味を調和することが出來る。
だから肉であれ、魚であれ、釜で煮た後、最後は鼎に移して味を調えたのである。
天地宗廟の祭祀に用いる神饌は鼎で調理され、賓客への御馳走も鼎が用いられた。
伏羲の時代には、一つの鼎が宝器であった。
もとより天地万物は一つのものから生じたわけで、天地人の三才は鼎の三足、それが鼎により調和されるのである。
それが黄帝の時代に三つの鼎になった。
三才を表すためであるという。
堯舜までは三つであった。
その後、夏王朝初代の禹王の時代に九つになった。
なぜなら、九州(漢󠄃土全体は九つの國に分かれていた)を象徴するためである。
周代まで九つであった。
政治も料理と同じで、五味を調和して誰にとってもおいしいものでなければならない。
だから鼎が王の象徴なのである。
王を助けるのは宰相であるが、この宰の字は肉を盛って料理をこしらえるという意味である。
そして十翼に鼎を主るのは長子であるとする。
つまり、皇太子が皇統を継ぐべきであるというのである。
それでこそ元吉なのである。
[彖傳]
初爻が鼎の足、二から四までに
があるが、これは物が入る部分である。
五爻が耳、上爻が持ち運びのためのひもにあたる。五爻の耳に通すのである。
元来、鼎は門外で煮炊きするもので、宗廟の門外東である。
[象傳]
木の上に火がある。
火は物を煮炊きするのに必要であり、強すぎても弱すぎてもいけない。
火にも陰陽があり、陽の火は強すぎて、すぐにものが焦げてしまう。
逆に弱すぎると火が通らないで生のままである。
陰陽が程よい状態ではじめて煮炊きが可能である。
牛羊豚で鼎を分ける。
是を三鼎という。
三鼎は日月星を表す。
心は巽順で耳目がしっかりしている。
五爻の王は二爻の賢人を用いて大いに栄えるのである。
《爻辭》

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