1/4(火) ䷡ 雷天大壯(らいてんたいそう) 上爻三爻

1/4(火) 雷天大壯(らいてんたいそう) 上爻三爻


【運勢】
礼節を重んじ、周りと信頼関係を築く事で、大事を成せるだろう。
急がば回れ。逸る気持ちを抑えて、堅実に正しさを守る事が大切である。
自らの力を弁えず、勢いに身を任せれば、進退窮まる結果となるだろう。


【結果】
䷡◎⚪︎
雷天大壯(らいてんたいそう) 上爻三爻
《卦辭》
[上爻 老陰][五爻 少陰][四爻 少陽]
[三爻 老陽][二爻 少陽][初爻 少陽]
《爻辭》
[上爻 優先][三爻]


【原文】
《卦辭》
大壯は貞に利し。彖に曰はく、大壯は大なる者󠄃、壯なるなり。剛以て動く。故に壯なり。大壯は貞に利しとは、大なる正しきなり。正大にして天地の情󠄃見るべし。象に曰はく、雷天上に在るは大壯。君子以て禮にあらざれば履まず。


《爻辭》
[上爻 優先]
上六。羝羊藩に觸れ、退くこと能はず。遂ぐること能はず。利しき攸なし。艱むときは則ち吉。
象に曰く、退くこと能はず、遂ぐること能はずとは、詳にせずるなり。艱むときは則ち吉とは、咎長かふざるなり。
[三爻]
九三。小人は壮(そう)を用ひ、君子は罔(もう)を用ふ。貞なれども厲し。羝羊(ていよう)藩に觸れて。其角を羸(くるしまし)む。象に曰く、小人は壮を用ひ、君子は罔なるなり。


【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
大は陽爻をいう。小の道は亡ぼうとしている。大は正を得る。故に利貞である。
天地の情󠄃は正大である。廣く正しくあれば天地の情󠄃を見ることが出来よう。
壮大で礼に違えば凶。凶であると壮を失う。だから君子は大壮でありながら礼を大切にするのである。


《爻辭》
[上爻 優先]
三に應ずる有り。故に退くこと能はず。剛長ずることを懼る。故に遂ぐること能はず。疑ひを持ちて猶豫し、志定まる所なし。斯を以て事を決すれば、未だ利する所を見ず。剛長ずるに處ると雖も、剛正を害はず。苟くも其の分を定め、固く志三に在り。斯を以て自ら處れば、則ち憂患消え亡ぶ。故に艱むときは則ち吉と曰ふ。
[三爻]
健の極みに處す。陽を以て陽に處す。其の壮を用ふる者なり。故に小人之を用ふるに以て壮と爲す。君子之を用ひ、以て己を羅(とら)うると爲す者なり。貞にして厲(あやう)し、以て壮。復た羝羊と雖も、之を以て藩に觸れる。能く羸(つか)れることなけんや。


〔東涯の解釋〕
《卦辭》
陰が小で陽が大である。四つの陽が壮である。二陰は徐々に薄れていく。君子の道が長く続く時である。其れなのに正しくしていれば吉というのは何故か。人は辛い状況では戒めの気持ちを持つが、楽しい時はとかく邪の心が生じやすいのである。陽の道が盛んな時だからこそ、其の機を逃すべきではなく、ちょっとした間違いに警戒しなければならない。四つの陽がみんな正しいわけではない。私なく、天地の性である正大の道を実践すべきである。盛大な時であるが、つまずくこともある。君子は平素から礼法をまもる。昔の人は天命を畏んだ。雷ほど天威に似たものはない。常に礼を大切にすべき時である。


《爻辭》
[上爻 優先]
[三爻]
罔は蔑なり。羝は羖羊(黒羊)なり。剛壮、觸を喜ぶ。此の卦は兌に似たり。羊の象有り。藩は籬落(竹、柴などを編んで作った垣)なり。四を指して言ふ。羸(るい)は困弊の意なり。此の爻、大壮に在りて、陽剛乾體なり。下の卦の最上位に居て、小人在れば、則ち其の拳勇を奮ふ。郷曲を武斷す。(むらざとの軍隊)君子在れば則ち、其の權力に負ひて、衆人を凌蔑(りょうべつ)す。爲す所、正しと雖も。厲きを免れず、四は陽を以て前に當りて、進むこと能はず。強之を犯さんと欲すれば、則ち必ず困辱を取る。猶ほ羝羊の藩に觸れて、其の角を羸困(るいこん)するが如し。故に、詞に系て此の如し。蓋し人、徒らに勇を尚ぶを知りて、時宜を量らざれば、則ち爲す所正しと雖も、卒に厲きを免れず。況(いわん)や、其の爲す所、未だ必ずしも正しきを出でざれば、豈、其の終はり良きを得んや。夫子(孔子)曰く、君子勇有りて、義無ければ、則ち亂と爲る。小人勇有りて、義無ければ、則ち盗と爲る。正に此れを言うのみ。


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
「大」の字は陽で、初爻目から四爻目まで重なっており、盛んな状態である。また「壮」の字は、鄭玄の解に「気力浸強之名」と有り、気力が浸(つ)いて強まって来たことだと云う。人の年齢で言えば、三十歳になり気力も積み重なって来た所である。剛いと云っても悪い方に強ければ害を為すので、正しい方に固まって居なければならない。
[彖傳]
大なるものが極めて剛くなった。卦徳では上卦の震は「動」、下卦の乾は「剛」である。従って、気力が強く動いて進む。また天の気が動き、萬物を生じる。人間の身体も天地の気を稟(う)けて居り、動いて事を行う時は正しくなければいけない。
[象傳]
雷の気は萬物を生じる所の気である。君子は礼に非ざれば履まずと云う。上卦の震は身体で言えば「足」であり、「礼」は天道天理を以て、履(ふ)んで往くことである。其処で礼に非ざる事であってはいけない。
《爻辭》
[上爻 優先][三爻]

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