10/29(金) ䷙ 山天大畜(さんてんたいちく) 四爻

10/29(金) ䷙ 山天大畜(さんてんたいちく) 四爻

【運勢】

事の初めに注意すれば、ものごとがよく進むとき。

まだ間違いがそこまで広がってなく、対処可能なとき。対処すべし。

今から物事をなそうとするなら、今は力を貯めるとき、悪いものを抑えようとするなら今行動するという判断をすれば良い。

【原文】

《卦辭》

大畜は貞に利(よろ)し。家食󠄃せざる吉。大川を渉るによろし。

彖に曰はく。大畜は剛健篤實輝光。日にその德を新たにす。剛上りて賢を尚ぶ。能く健を止むるは大正なり。家食󠄃せずして吉。賢を養ふなり。大川を渉るによろしとは、天に應ずるなり。

象に曰はく、天山中に在るは大畜。君子以て多く前言往行(わうこう)を識して、以てその德を畜(やしな)ふ。

《爻辭》

六四。童牛の牿(こく)。元吉。

象に曰はく、六四の元吉は喜(よろこび)有るなり。

【解釋】

〔王弼、通解の解釋〕

《卦辞》

大畜は大きく蓄へる、とどむることである。

剛健篤実でますます徳が高くなることを表す卦である。

剛い者が最上位に登り、賢者を尊んで賢者を養う。

賢者は家から出て朝廷に仕えはじめた。

吉である。

大事業をするのに良い時である。

《爻辞》

童牛とはまだ角が生えきっていない牛のことである。

初爻が童牛である。

四爻は初爻と相性が良い(応じている)。

牿(こく、四爻)は牛の角を抑える横木のことで、牛がまだ若いので抑えることはたやすい。

よくとどめておくことができるので、喜びがあるのである。

〔根本通明の解釋〕

《卦辞》

大畜は、君が臣を止めて畜(やしな)う卦である。

大は君のことである。

大畜とは反対に小畜という卦がある。

小畜は、臣の方が君を止めるという卦である。

小は臣のことである。

上卦の艮は身体である。

三・四・五爻目の震は仁である。

また二・三・四爻目に兌は義である。

つまり仁義の徳を身の内に具えていることになる。

畜の字は、止めるというだけでなく、之を育てて善くするという義がある。

徳を十分に養はねばならない。

君は、臣の早く出世を求める心を抑えて、十分に学問を以て徳を養わせるのである。

また養われる側も、貞所を守るのが良いので、「利貞」という。

「不家食吉」とは、学問道徳のある人物は君に用いられ、禄を以て養われる所となる。

そのため賢人は家に居って食することは無い。

朝廷に招かれた賢人は、危険なことがあっても之を踏み越えて往くのが良い。

そこで「利渉大川」という。

[彖伝]

天子に剛健なる徳が具わっている。

政務を執っても疲れることがなく、篤実である。

篤実は艮の卦の象である。

また艮の陽爻が上にあり、光輝く所がある。

「日新」というのは、乾の卦で象で、日々昇り沈んでいく太陽である。

「其徳剛上」は、上九を指していう。

上九は剛にして一番上に居る。

[象伝]

上卦の艮は山、其の山の中に天がある。

山中には天の元気が十分に満ちている。

火気と水気の働きで草木が良く生じ、禽獣も繁殖する。

これが大畜である。

「前言」は震の象である。

また震は行くという事もある。

《爻辞》

六四は大臣の位で、陰を以て陰に居る。

この正しい所の大臣が、賢人を留めて養う。

「童牛之告」は、牛が角を人に突き立てることが無い様に、体が小さな頃から角に木を結んで物に当たるのを防ぐのをいう。

下卦の乾は陽の卦であるから、強くて剛である。

その剛なる所を以て人へ突きあてるようではいけないので、子供の内からこれを引き留めて程よくする。

そこで「元吉」である。

[象伝]

大臣たるものは、人材を養うにあたりその人の剛なる所を程よく引きとめる。

後に、その人は立派な賢人になって国家の用を為すことになる。

そこで喜ぶ所となり、喜びは後に出てくるのである。

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