10/7(木)䷿火水未濟(かすいびせい) 変爻無し

10/7(木) ䷿火水未濟(かすいびせい) 変爻無し

【運勢】

未だ困難から脱出することができない。

しかし、抜け出すための一歩を踏み出しており、最後には抜け出すことができる。

今は、焦って行動すれば失敗してしまう、力を貯める時である。

【原文】

未濟は亨(とほ)る。小狐、汔(ほとん)ど濟(わた)る。其の尾を濡らす。利(よろ)しき攸(ところ)无(な)し。
彖に曰はく、「未濟は亨る」とは、柔、中を得るなり。「小狐、汔(ほとん)ど濟(わた)る」とは、未だ中に出でざるなり。「其の尾濡らす利しき攸无し」とは、續いで終らざるなり。位に當たらざると雖も、剛柔應ずるなり。
象に曰はく、火、水上に在るは未濟。君子以て愼みて物を辨(わきま)へて方に居る。

【解釋】

〔王弼の解釋〕
柔が中にあり、剛に違わない。
よく剛健を納めるので、うまく行く。
小狐が大きな川を渡ることができない。
あと少しの所󠄃で実現できない。
剛健が難を抜き、その後に可能になる。
ほとんどわたれるが、危険を脱することができない。
小狐渡れるだろうが、余力がない。
もう少しで渡れるのであるが、力尽きる。
終わりまで続けられない。
今も険難の時である。
未濟はまだ険難の時が終わらないの意󠄃味である。
位に当たらないので未濟である。
剛柔が応ずれば済む。


〔東涯の解釋〕
未濟は事が成就しないことである。
火が上に在り、水が下に在る。
上下交わらない。
互いに用いないので未濟という。
五爻は柔で中にいる。
ことはよく通󠄃るが、初爻は陰で一番下にいて中に到らない。
狐は陰の存在であり、積極的にやろうとすると失敗に終わる。
始めはうまく行く。
そして、下に止まっていればよいのである。
いたずらに難局を打開しようとすれば失敗する。
君子は外は時勢を見て、内は己の才をはかる。
上が陽で下が陰である。
互いに妨害しない。


〔根本通明の解釋〕
下は水上は火である。
水は低きにあり火は上に昇るもので、居るべき場所にいるが、互いに和することが無い。
互いが作用しないので、萬物が創造されない。
しかし、両者あるべき場所に在る。
しかし、いずれは互いに動き出し、交わり始めるのである。
だから最終的には亨るのである。
☵坎は狐である。
この卦の場合、小さな狐である。
それが川を渡ろうとするが、終にはしっぽを濡らしてしまう。
狐は川を渡る時にしっぽを濡らさないようにあげている。
疲れてくるとしっぽが下がり、水につかって驚いて引き返してしまう。
忍耐力が無いのである。
忍耐力が無いと何事をしてもうまく行かない。
気力が無いと何事も達成できないのである。
[彖傳]
柔が中を得ている。
五爻のことである。これが主爻である。
また初爻に關しては、あと少しのところまでやって、忍耐力なく引き下がる。
この卦全体でみると、ことごとく全て位を外している。
陰は陽に居て、陽は陰に居る。
しかし、隣同士陰陽で相性が良く、うまく行っている。
また、初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と上爻、それぞれ応じている。
最終的にはうまくいくのである。
[象傳]
火は南に居り、水は北に居る。
自分の居場所をはっきりとしていて、混じるところが無い。
何事もはっきりと分ける象である。
☲離はものを明󠄃らかにする。
それぞれが自分のいる場所にいることを示している。

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