11/29(月) ䷹ 兌爲澤(だゐたく) 二爻
【運勢】
支える側の負担は軽く、支えられる側は充分な生活が維持出来る、健全な社会を目指して行く事が大切である。
邪な考えを避け献身的な心を持つと良い。
外寛内明を心掛け互いに協力すれば、悔いのない結果を得られるだろう。
【結果】䷹◎二
兌爲澤(だゐたく) 二爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 少陽]
[三爻 少陰][二爻 老陽][初爻 少陽]
《爻辭》
[二爻]
【原文】
《卦辭》
兌(だ)は亨(とほ)る。貞によろし。彖(たん)に曰はく、兌は說󠄁(よろこ)ぶなり。剛は中にして柔は外。說󠄁(よろこ)びて貞によろし。ここを以て天に順(したが)ひて人に應ず。說󠄁(よろこ)びて以て民に先(さきだ)てば、民その労をわする。よろこびて
以て難󠄄を犯せば、民その死をわする。說󠄁の大、民勧むかな。
象に曰はく、麗澤(れいたく)は兌。君子以て朋友講習す。
《爻辭》
九二は。孚ありて兌ぶ。吉にして悔亡ぶ。
象に曰く、孚ありて兌ぶの吉は、志を信にするなり。
【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《卦辭》
兌は喜ぶこと、嬉しいことである。
この卦は☱が二つ重なってできている。
☱は内に强い意志を持ち、外に対しては温和な態度で臨むので、人との付き合いはうまく行き、人間関係は良好である。
内に强い意志を持ち、外に対して温和な態度の人は、天道にも、人道にも逆らわない良い人である。
喜びを大切にすれば、他の人はどんな労力も厭わずに協力してくれる。
《爻辭》
說びて中を失はず、孚有る者なり。位を失ひて說び、孚ありて吉なれば乃ち悔亡ぶ者なり。
其の志信なるなり。
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
兌は喜びである。
自然と出る喜びが本当のもので、私心からの喜びは偽りである。
立心偏のない「兌」が本来のもので、立心偏を添えた「悅」や言偏を添えた「說」になるのは後の事である。
彖伝が「說」の字で書くのは、喜びを言葉で表すからである。
上卦下卦とも兌であるのは、己と他者が互いに喜ぶ象である。
互いに相助ける所があるので、何事も亨るのである。
『中庸』に「致中和天地位」とある。この中和が兌の卦にあたる。
中庸の道を行い、人がそれに服し、親しみ和合するなら、天地陰陽の気までも調和する。
あくまで作られた喜びでなく、正しい所が無ければいけない。
そこで「貞利」なのである。
[彖傳]
「兌悅也」というのは、沢山咸の「咸感也」と同様に、「心」の字の有無と同じである。
「剛中」は二爻目、五爻目が陽爻で、それぞれ上卦下卦の中を得ていることを云う。
「柔外」は三爻目、上爻が陰=柔らかであることを云う。つまり剛は明らかにして正しく、外の人には穏やかで柔らかに交わるのである。
それによって自他ともに喜ぶのであり、正しい所にあるのがよろしい。
この卦を天地人の三才に分けてみると、上の二爻が天、下の二爻が地、中の二爻が人となる。
「天に順い」というのは、五爻目は天の正しい位で、其れに上六が陰爻で順っていることである。
また「人に応ずる」は、人にあたる三爻目が陰爻で、地にあたる二爻目が陽爻であるから、人に応じているのである。
己が先ず喜びを起こすことで、民も喜び順う。
上下和順しているから、民は労苦を忘れて働き、戦争が起これば難を犯して戦ひ、死をも忘れて尽くすのである。
[象傳]
兌の卦を澤と言う。
澤は潤うという義で物に湿潤の気を含んでいる。
『国語』の「周語」に、澤は美(水)を鐘(あつ)めるとある。
これが麗澤である。
《爻辭》