12/20(月) ䷯ 水風井(すいふうせい) 五爻四爻
【運勢】
至誠通天、綺麗な飲み水が皆から好まれる様に、誠実な者の善行を受け入れない者は居ない。
敬い、助け合いの精神が、生活をより豊かにするだろう。
自らを偽る事無く、一貫した姿勢で中正を守る事が大切である。
【結果】䷯◎五⚪︎四
水風井(すいふうせい) 五爻四爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 老陽][四爻 老陰]
[三爻 少陽][二爻 少陽][初爻 少陰]
《爻辭》
[五爻 優先][四爻]
【原文】
《卦辭》
井は邑を改めて井を改めず。喪ふことなく得ることなし。往来井を井とす。汔(ほとん)ど至らんとして亦た未だ井に繘(ゐつ)せず。其の瓶を羸(やぶ)る凶。
彖に曰はく、水に巽れて水を上ぐるは井。井は養ひて窮まらず。邑を改めて井を改めざるは乃ち剛中をっ以てなり。汔(ほとん)ど至らんとして未だ井に繘(ゐつ)せずとは、未だ功有らざるなり。其の瓶を羸(やぶ)る、是を以て凶なるなり。
象に曰はく、木の上に水あるは井。君子以て民を勞し、勧め相(たす)く。
《爻辭》
[五爻 優先]
九五。井冽して、寒泉食はる。
象に曰く、寒泉の食はるるは、中正なるなり。
[四爻]
六四。井甃にす。咎なし。
象に曰く、井甃にす、咎なしとは、井を脩むるなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
井は不変の徳がある。常にあり、変化しない。ほぼ到達するのに井の水が出てこない。井は水が出なければ意味がない。至る直前でこぼしてしまったら、汲まないのと同じである。剛中である。だからよくその場にとどまり、変わらない。
《爻辭》
[五爻 優先]
冽は潔なり。中に居りて正を得、剛を體して撓まず。不義を食はず、中正にして高潔なり。故に井冽し、寒泉なり、然る後に乃ち食はるなり。
[四爻]
位を得て應ずるなく、自ら守りて上を給すること能はず。以て井の壞るを脩むべし。過ちを補ふのみ。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
汔はほとんど、繘は井戸の水をくみ上げる綱、瓶は水を汲む器、羸は破れるの意󠄃。内卦は木、その徳は入る。外卦は水。木が水の下に入って水をくみ上げる。よく人を養い、極まることがないのである。二爻も五爻も剛中の才があり、常の徳がある。そして人々を養う。井の水は減りもしないし、増えもしない。往来の人々は、みなその恩恵にあずかる。また、井は水を汲んで初めて役に立つ。水をほとんどくみ上げたところで、綱が上まで来なかったり、器が壊れてしまっては、何の役にも立たない。君子が德を修め、世の中に不正がはびこっても常に一人正しさを守り、世の中にどんな禍󠄃があろうとも不易の道を進む。窮まったり、通ったりで増えも減りもしない。あまねく人々のためになる。終始励み、怠らない。そして成功をおさめるのである。其の志を挫くことは出来ない。
《爻辭》
[五爻 優先]
[四爻]
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
此の井は、俗に言う井戸で、水を汲み上げて以て人を養う所である。井戸の水は人間の徳に譬えたものである。乃ち道徳である。邑が変わり、国が種々に変化しても、道徳は動かすべきものでない。井戸の水は幾ら汲んでも減じて無くなる事は無く、また汲まずに置いても溢れ出る事も無い。地の中に名水を掘り当て清水が湧出するのは、学問を修め仁義礼智の徳が湧き出でて来るが如くである。釣瓶縄を置かなければ之を汲み上げることが出来ないように、道徳ある人物を朝廷へ薦め挙げる人が無ければいけない。しかし、賢人を妬み釣瓶を壊す小人もあり、之は最も凶である。
[彖傳]
下卦の巽は五行では木の象である。其処で瓶に取る。上卦の水の中に瓶を入れる形である。井戸は、水を幾ら汲んで人を養っても尽きることは無い。賢人と云うものも道徳を以て多くの人に施し養うが、道徳は尽きることが無い。此の卦は二爻目と五爻目とも剛中を得ているから、中庸にして長く施して養う所がある。しかし折角井戸を掘っても繘(つるべ)が無い。学問道徳盛んな人があっても、朝廷において挙げて用いなければ養ったところの功が出て来ない。また釣瓶を蠃(や)ぶり、賢人を用いないように讒言を以て害する者がある。是を以て凶である。
[象傳]
木の上に水がある。即ち繘を井戸の中へ入れる形である。水は広く人を養うものであり、農業が最も盛んなるものである。君子は水を以て農民を良く励まし助ける所がある。
《爻辭》
[五爻 優先]
[四爻]