2/14(月) ䷽ 雷山小過(らいさんしょうか) 四爻

2/14(月) 雷山小過(らいさんしょうか) 四爻


【運勢】
沢山の事を同時に済ませようとせず、一つの事に集中すると良い。
時間の余裕は心の余裕、拘りを持たず、速やかに進める事が大切である。
謙虚に正しさを守り、小事にも目を配れば、間違いを犯す事は無いだろう。


【結果】
䷽◎
雷山小過(らいさんしょうか) 四爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陰][四爻 老陽]
[三爻 少陽][二爻 少陰][初爻 少陰]
《爻辭》
[四爻]


【原文】
《卦辭》
小過は亨る。貞に利ろし。小事に可にして、大事に可ならず。飛鳥之れが音を遺す。上るに宜しからず、下るに宜し。大吉。彖に曰く、小過は小なる者󠄃過ぎて亨るなり。過ぎて以て貞に利し。時とともに行ふなり。柔、中を得たり。是を以て小事に吉なり。剛、位を失ひて不中。是を以て大事に可ならざりなり。飛鳥の象有り。飛鳥之が音をのこす。上るに宜しからず、下るに宜し。大吉とは、上るは逆にして下るは順なるなり。象に曰く、山上に雷有るは小過。君子以て行は恭に過ぎ、喪は哀に過󠄃ぐ。用は儉に過ぐ。


《爻辭》
九四。咎なし。過ぎずして之に遇󠄄ふ。往けば厲(あや)ふし。必ず戒む。永貞を用ゐることなかれ。
象に曰く、過ぎずして之に遇󠄄ふとは、位當らざるなり。往けば厲し必ず戒むとは、終に長ずべからざるなり。

【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
飛ぶ鳥がその声を残して、悲しみながら場所󠄃を求める。上には適当な場所がなく、降れば安住できる。上に行けば行くほど悪くなる。飛ぶ鳥と同じである。小過の小はおよそ小事全般を言う。小事を過ぎて、うまく行く。過ぎれば正しくしていればよい。時宜にかなうのである。恭しく儉約󠄃していればよい。大事をなすは必ず剛がいる。柔で大を犯すのは、剝の道である。上に昇ってはならず、降るのが良い。これは飛ぶ鳥の象である。


《爻辭》
陽爻であってもその位に居ない。主を責めない。だから咎めがない。位を失い下に在る。過ぎることが出来ないものである。咎を免ずるの合うを得る。宴会に耽っている。よろしくない。小過で不安な時に居て、陽で陰に居る。達成することが出来ないものである。だから自衛したら、咎を免れることが出来る。だから何か事業をするには危険な時である。助けがなく、危うい。戒めるべきである。危険を教えてくれる人もいない。卑怯で弱い。自守しなければならない。小が群れている中に、任に堪えないものである。長く用いてはいけない。


〔東涯の解釋〕
《卦辭》
陽は大であり、陰は小である。四つの陰が外に在り、二陽が内に在る。陰が陽に勝っているので小過という。陽が陰に勝るのが道理であるが、陰が勝って問題ない時もある。二五は柔が中を得て、三四は剛であり、中でない。卦の形は鳥が翼を広げているようである。上に向って鳴くので、下には聞こえない。下は順調で容易であるが、上昇は逆行するので難しい。任務にも大小があり、位にも上下がある。人の才分もそれぞれ違う。柔は下位にあって小事を治めるのが良い。それが分からなかった人が多く失敗してきたのである。易は中に適うことを尊ぶ。


《爻辭》
陽で陽にあり、過󠄃である。陽を以て陰にあるのを遇という。四爻は小過にあり、陽で陰に居る。位に当たらない。往けば危うい。戒め慎むべきであり、固く守ることが出来ない。陰が多い時、過甚の行でないといっても、身を立て不正である。長く守るべし。慎むべし。


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
小過の卦は全体でみると
の卦になっている。三爻と四爻が鳥の体であり、一二、五六が翼である。何の鳥かといえば鶏である。二三四爻にがある。これが鶏である。この卦は陰が過ぎる卦である。陽は君で陰は臣下である。君が鳥の体で、臣が鳥の翼である。陰が過ぎるとは臣下が調子に乗っていることである。だから小事は行われ、大事は行われない。鶏が高く飛べる道理はない。声だけ高く上がっても、体は高く上がらない筈である。この場合、鷹に咥えられたとするとよい。飛び去ってしまい悲しむ声だけが残るのである。上に行かれてはもうどうしようもないが、下にいるのなら人でも何とか救出できるかもしれない。
[彖傳]
祭祀に於いて祭式の起居進退は小事であり、道徳は大事である。しかし、小なることを徹底して、良くなることもある。この卦は陰が多すぎる。二爻も五爻も陰である。だから大事をするには不利である。君は常に民と共にあらねばならない。
[象傳]
大いなる山を、小なる雷が過ぎて行く。君子はこの卦をもとに行いを恭しくする。


《爻辭》
九四は初六と応じて居る。陰の初六は過ぎるだけの力が無く、陽の九四は程好く之を取扱って居るから、咎は無い。併し九四の方から初六に従えば厲(あや)うい。小人の勢いは盛んであるから、能く用心しなければいけない。永く正しい所を守り、動かずに居るのが宜しい。
[象傳]
九四は大臣の位にあるが、其れだけの権力が無い。小人が盛んな時であるから、往けば厲うい。戒めるべきである。小人は勢いを得ているが、長く其の儘に為って居るものでは無い。時を待って居れば、復衰えて来る。用心して固く守って動かずに居れば宜しい。

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