6/10日 ䷦ 水山蹇 上爻

《運勢》

今はとても苦しい状態にある。

どうにか変えようと、前を向いて見ても、険しい山(辛い道)が続いているので、このまま進むのであれば上手く行かないだろう。

一度来た道を戻り、良き協力者を得ることが重要である。

そうすれば新しい道が開ける。

《原文》

蹇(けん)は西南によろし。東北によろしからず。大人を見るによろし。貞にして吉。彖に曰はく、蹇(けん)は難󠄄なり。險(けん)前に在る。險を見てよく止まる。知なるかな。「蹇は西南によろし」とは、往きて中を得る。「東北によろしからず」とは、その道窮(きは)まるなり。「大人を見るによろし」とは、往きて功あるなり。蹇の時用大なるかな。象に曰はく、山上に水あるは蹇。君子以て身に反して德を修(をさ)む。上六。往けば蹇(なや)み、來たれば碩(せき)なり。吉。大人を見るによろし。象に曰はく、「往けば蹇み、來たれば碩なり」とは、志内に在るなり。「大人を見るによろし」とは、以て貴に從ふなり。

《原文解釈》

蹇は悩みがあって前に進むことが出来ないさまである。

水は坎で難渋を意味し、山は動かないことを表すので、悩み先へ進めないことを意味するのである。

西南に平地が広がり、東北には山があるにで、西南を撰ぶ方が良い。

立派な人の力を借りて、正しくあろうと努力すべきである。

上爻は蹇の極みであるから、そのまま進んでも上手くいかない。

しかし、心配しなくてもよい。

助けてくれる人に既に心当たりがある。

その人と協力して貴人に会えたのなら、道が開ける。

(三爻)に既に心当たりがある。

その人と協力して貴人(五爻)に会えたのなら、道が開ける。

6/9日 ䷻ 水澤節󠄄 上爻

《運勢》

自尊心からか、周りの意見を聞かずに、考えを貫こうとする人がいる。

初めのうちに、その事に気が付いて対処出来るなら良いのだが、もう過ぎてしまった後なのでどうしようも無い。

今は、その物事に固執するのでは無く、次、同じ様な事があった時に、如何するべきか考える事が重要である。

《原文》

節󠄄は亨(とほ)る。苦節貞(てい)すべからず。彖(たん)に曰はく、節󠄄は亨(とほ)る。剛柔(ごうじゅう)分かれて、剛中を得る。苦節は貞すべからずとは、その道窮(きは)まるなり。よろこびて以て險(けん)を行き、位にあたりて以て節󠄄(せつ)す。中正にして以て通ず。天地節󠄄して四時成り、節󠄄して以て度を制すれば財を傷(そこな)はず、民を害せず。象に曰はく、澤上に水あるは節󠄄。君子以て數度(すうど)を制し、德行を議(ぎ)す。上六。苦節す。貞(てい)なれば凶。悔(く)い滅ぶ。象に曰はく、苦節、貞なれば凶とは、その道窮(きは)まるなり。

《原文解釈》

節󠄄とはほどほどであることである。

この卦は陰陽の數が等しく調和がとれている。

また節目である。

物事には節目を設けて区切る必要がある。

自然界には四季があり、物には度量衡が設けられている。

しかし、苦節がひどすぎると有害である。

上爻は苦節が行き過ぎている。

苦節に固執してはいけない。

しかし、極限まで行ったので、この苦節に堪えたなら、道が開けるだろう。

6/8日 ䷛ 澤風大過 四爻

《運勢》

重大な責任を任される。

確かに負担に感じることもあるが、周りに恵まれて、支えられているので大丈夫である。

しかし、責任を放棄すると、信頼を失ってしまい、後悔することになる。

《原文》

大過は棟(むね)撓(たわ)む。往くところ有るによろし。亨(とほ)る。彖に曰はく、大過は大なるものは過󠄃ぐるなり。棟撓むとは、本末弱ければなり。剛すぎて中。巽にして說󠄁(よろこ)びて行く。往くところ有るによろし。乃(すなは)ち亨る。大過の時、大なるかな。象に曰はく、澤木を滅するは大過。君子以て獨立して懼れず。世をのがれて悶(うれ)ふることなし。九四。棟隆き吉なり。它(た)あれば吝(りん)。象に曰はく、棟隆きの吉は下に撓まざるなり。

《原文解釈》

大過は大いに過󠄃ぎることである。

二爻から五爻までの陽爻を棟木と捉え、それを初爻と上爻の陰が支えることが出来ず、撓(たわ)んでいる。

しかし、大事を成し遂げるには勢いが必要であるから、四つも陽があるので、大きなことをする機は熟している。

四爻は高い位置にある棟木である。

人に例えると、高い位にある立派な大臣である。

初爻の陰爻に惹かれて、下を見ると撓んでしまうので、高潔な態度を失ってはならない。

6/7日 ䷧ 雷水解 初爻

《運勢》

何かしら、疑いをかけられる事がある。

しかし、これを心配する必要はない。

今日は、物事の本来の性質が現れるので、善人が認められ、悪人は否定されるだろう。

《原文解釈》

解はとけること、西南の方角に行くと仲間を得られる。

西南でやることが無くなれば、東北に戻ればよい。

下卦の☵水は困難であり、それを脱するには行動すべきである。

しかも速やかに行動するのが良い。

初爻は咎めがない。険難は速やかに解決するであろう。

《原文》

解は西南によろし。往くところなし。それ來たり復すれば吉。往くところあれば、夙(つと)にして吉。彖(たん)に曰(い)はく、解は險(けん)以て動く。動いて險(けん)より免(まぬが)るるは解。「解は西南によろし」とは、往(い)きて衆を得るなり。「それ來たり復して吉」とは、乃(すなは)ち中を得るなり。「往くところ有れば夙(つと)にして吉」とは、往きて功あるなり。天地解(ひら)けて雷雨作(おこ)り、雷雨作(おこ)りて百果艸木(ひゃくかそうもく)皆甲拆(こうたく)す。解の時大なるかな。象に曰はく、雷雨作るは解。君子以て過ちを赦(ゆる)し、罪を宥(ゆる)す。初六。咎めなし。象に曰はく、剛柔の際、義咎めなきなり。

6/6日 ䷂ 水雷屯 五爻

《運勢》

様々な悩みが生まれて、現状に不満を覚えてしまう。

しかし、これは統率者に力が無いからではなく、今の時期が不安定で難しいからである。

現状を最善に導く事は難しいので、打開のために改革を断行するのでは無く、出来ることを一つずつ行っていれば、悩みはいずれ解決するだろう。

《原文解釈》

屯はなやみある象、また草が萌芽しはじめたところである。

なやんで通ずることが出来ない状況である。

ただし、時が至れば険難を脱して安泰な境地に至る。

そのためには、正しさを固く守らねばならない。現在は草創期であり、社会の秩序がまだ整わない時である。

こういう時は、適材適所で良い人材を登用しなければならない。

五爻は、辛い時代に望臨む君主である。

君主は賢臣の正しい助言が欲しいけれども、悪い臣下に邪魔される。

小さな改革を行うのは良いが、大改革をしようとすると、悲惨な結果となる。

《原文》

屯(ちゅん)は元(おほ)いに亨(おほ)る。貞(てい)によろし。往くところ有るに用ゐるなかれ。侯(こう)を建つるによろし。彖(たん)に曰はく、屯は剛柔始めて交はりて難生ず。険中に動く。大いに亨(とほ)りて貞し。雷雨の動く滿盈(まんえい)。天造󠄃草昧(てんぞうそうまい)。侯を建つるによろしくして、寧せず。象に曰はく、雲雷は屯。君子以て經綸(けいりん)す。九五。その膏(あぶら)を屯す。小貞は吉。大貞は凶。象に曰はく、その膏(あぶら)を屯すとは施すこと未だ光ならず。

6/5日 ䷴ 風山漸 四爻

《運勢》

大きな志を立てて邁進していく事は大切である。

しかし、無理をして、急ぎ過ぎては挫折してしまうだろう。

志を達成する為には、手順を踏みながら、小さな事を一つずつ実現する事が大切である。

今はまだ不安定であるが、この調子で進める事が出来たなら、最後には安定し、志を達成する事が出来る。

《原文解釈》

漸はようやく済むことや、順序良く進むことを言う。

上卦は木德であり、下卦は山であるから山の上に木があり、順序正しい。

また上卦は長女であり、下卦は小男であり、やはり順序が守られている。

人生で最も重要な儀礼の一つが婚姻であり、順序正しく進めていくことが極めて重要である。

秩序正しくあることが吉である。

四爻は、鴻がようやく進んで木に止まることが出来た事を表す。

しかし、木の枝にとまることは水鳥にとっては安全なことではない。

さらに進んで、建物の垂木にとどまる事が出来たなら問題ない。

《原文》

漸は女歸いで吉。貞によろし。彖に曰はく、漸は進󠄃むなり。女歸いで吉なり。進みて位を得るは往きて功あるなり。進󠄃むに正を以てす。以て邦を正すべきなり。その位剛。中をえる。止りて巽。動いて窮まらず。象に曰はく、山上に木あるは漸。君子以て賢德にをりて風俗を善くす。六四。鴻木に漸む。或はその桷(えだ)を得る。咎めなし。象に曰はく、或はその桷(えだ)を得るとは順にして以て巽(したが)ふ。

原文から始まると、分かりづらいとのご指摘があったので《運勢》《原文解釈》《原文》
の順に変更しました。

今後も徐々に改善していこうと思います。

気になる点がありましたら是非ご連絡下さい。

6/4日 ䷏ 雷地豫 上爻

豫は侯を建て師を行るによろし。彖に曰はく、豫は剛應ぜられて、志行はる。順以て動くは豫。豫は順にして以て動く。故に天地も之の如し。而るを況んや侯を建て師を行るをや。天地順を以て動く。故に日月過(あやま)らずして、四時忒(たが)はず。聖人順を以て動く。則ち刑罰清くして民服す。豫の時義大なるかな。象に曰はく、雷地を出でて、奮ふは豫。先王以て樂を作り、德を崇(たうと)び、之を上帝に殷薦して、以て祖󠄃考を配す。 上六。冥豫す。成るも渝ることあり。咎めなし。象に曰はく、冥豫上に在り。何ぞ長かるべきや。

豫はあらかじめすることや、楽しくことを意味する。

四爻のみが陽爻で、その周りを陰爻が囲んで仲良くしている。

上卦は諸侯を表し、下卦は村を表すので、兵を率いる時である。

統率するには、下の者が楽しみ喜んで馳せ参じる状況でなければならない。

そして、順調に行動すれば、罰を与えることも少なくて、民はよく治まるのである。

上爻は過剰に楽しみがあるので、人々の締まりがなくなってしまった状態である。

早く頭を切り替えるべきである。

気が緩み過ぎてしまうと、物事の善悪の判断が出来なくなってしまう。

そうなると、もう現状維持は出来ないので、このまま歓楽に溺れて凋落するか、目を覚まして心を入れ替えるかしなければならない。

今、どう転換するかで今後の運命が変わる。

6/3日 ䷤ 風火家人 三爻

家人は女の貞によろし。彖に曰はく、家人女位を内に正し、男位を外に正(ただ)す。男女正しきは天地の大義なり。家人に嚴君(げんくん)有りとは、父母の謂(い)ひなり。父は父たり。子は子たり。兄は兄たり。弟は弟なり。夫は夫なり。婦は婦なり。而して家道󠄃正し。家を正しくして、天下定まる。象に曰はく、風火より出づるは家人。君子以て言物有りて行恒あり。九三。家人嗃嗃(こうこう)す。厲(あや)うきを悔(く)ゆるも吉。婦子嬉嬉(きき)たれば、終ひに吝なり。象に曰はく、家人嗃嗃すとは、未だ失はざるなり。婦子嬉嬉すとは、家節󠄄を失ふなり。

家人とは家族のことで、特に婦人を指す。

家族円満、一家の繁栄を示している。

嚴君はとても威厳がある父母のことで、父母は子をいつくしみ、子は父母に孝行し、兄弟は友情を大切にし、夫婦は力を合わせなければならない。

家族それぞれが正しい行いをすれば、家はまとまり、家がまとまれば国が治まり、国が治まれば天下が治まる。

三爻は家主が厳しすぎて、家族の和が乱されているさまである。

それでもまだ治まっているからよい。

逆に寛大にしすぎると、家族の絆が緩み、それぞれの素行が悪くなる。

そして恥ずべきことが起こってしまう。

家や職場などで、決まりを厳格に守る人は、部下や後輩などから疎まれる事がある。

しかし反対に寛容であって、内の人間が、一日中気が緩んでいる様では、最後には恥ずべき事になる。

なので、家や職場を治める時は寛容であるよりも、やや厳しい方が良い。

6/2日 ䷁ 坤爲地 四爻

坤は元(おほ)いに亨(とほ)る。牝馬の貞に利(よ)ろし。君子往くところ有り。先(さきだ)つときは迷ひ、後るるときは主を得るに利あり。西南には朋を得る。東北には朋を失ふ。安貞にして吉。彖に曰はく、至れるかな坤元。萬物資(よ)りて生ず。乃ち順にして天を承く。坤厚くして物を載す。德无疆に合ふ。含弘光大にして品物咸(ことごと)く亨る。牝馬は地類。地を行くこと疆なし。柔順利貞は君子の行ふところ。先だつときは迷ひて道󠄃を失ひ、後るるときは順にして常を得る。西南には朋を得る。乃はち類と行く。東北には朋を喪ふ。すなはち終に慶有り。安貞の吉は地の无疆に應ず。象に曰はく、地勢は坤。君子以て厚德者物を載す。六四。嚢を括る。咎もなく、譽れもなし。象に曰はく、嚢を括る。咎もなく、譽れもなしとは、慎めば害あらざるなり。

坤は地、臣、妻等の象である。

牝馬は柔順で無限にどこまでも走る。

坤德を有する有徳の賢臣が大志を抱いている。

臣下は何事も王命を待って行動するものである。

西南は陰の方角であり、友を得ることができる。

一方、東北は陽の方角で陰の友を失ふが、最終的には良い。

常に穏やかに正しくあれば吉である。

四爻は賢い宰相である。

物を袋に納めておくように、自分の能力を隠しているので、華々しい功績は得られないが、過ちもおかさない。

不安や迷いがある時、進むべきか止まるべきか選択を迫られる。

今は、世の中全体が不安定であるので進むべき時ではない。

そうすれば、褒められることもないが、災いも起きないだろう。