8/23(月) ䷤ 風火家人(ふうかかじん) 五爻二爻

【運勢】
家は夫と妻が居て始めて構成され、
夫が剛健中正、妻が柔順である事が道理である。
同様に、国や個人を構成する要素にも夫と妻の役割がある。
役割を果たし守る事が、広い視野で見て集団の維持に大切だと言える。


【結果】
䷤◎⚪︎
風火家人(ふうかかじん) 五爻二爻
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 老陽][四爻 少陰]
[三爻 少陽][二爻 老陰][初爻 少陽]
《爻辭》
[五爻 優先][二爻]


【原文】
《卦辭》
家人は女の貞によろし。
彖に曰はく、家人女位を内に正し、男位を外に正(ただ)す。男女正しきは天地の大義なり。家人に嚴君(げんくん)有りとは、父母の謂(い)ひなり。父は父たり。子は子たり。兄は兄たり。弟は弟なり。夫は夫なり。婦は婦なり。而して家道󠄃正し。家を正しくして、天下定まる。
象に曰はく、風火より出づるは家人。君子以て言物有りて行恒あり。


《爻辭》
[五爻 優先]
九五。王家を有つに假る。恤ふることなくして吉。
象に曰はく、王家を有つに假るとは、交々相愛するなり。
[二爻]
六二。遂(と)ぐるところなし。中饋(ちゅうき)に在り。貞にして吉。
象に曰く、六二の吉は、順にして以て巽ふなり。


【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《卦辭》
家人の爻は家族それぞれが一家を治める道について説く。
家の外の他人のことは分からない。
家人は夫人のことである。
は中女を表す。は長女を表す。
四爻が主爻である。主に女性について説かれている。
家をそれぞれがうまく治めることで天下も治まるのである。家庭円満の象である。


《爻辭》
[五爻 優先]
[王弼の爻辭]
假は至の意。正しくしかも応じている。
尊󠄄位に居て巽を体する。
王がこの道に至れば、一家をなす。
尊󠄄位に居て、家の道󠄃に明るければ、王化󠄃できないものはない。
父は父、子は子、兄は兄、弟は弟、夫は夫、婦人は婦人、みな仲睦まじく、楽しい。
家の道は正しく、家を正せば天下も定まる。
[東涯の爻辭]
假は至である。
陽剛中正である。
尊󠄄位に居て二爻も柔順中正で応じている。
この天子は位正しく、御成婚に至る。
古より天子の后妃は、色々問題を起こし、德を保つものが少なかった。
天子と后妃が德を大切にして親しくあることが最善である。
[二爻]


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
家人は家族全員のことであるが、この卦は上が長女下が中女であるから、女ばかりである。
家の中がいざこざなく、よく治まるためには女がしっかりしなければならない。
この卦の女性は全員和合しており、家はよく治まっている。
国家に当てはめると、五爻が天子、二爻が皇后である。
兩方中である。
皇后の助力により、宮中はよく治まり、朝󠄃廷が治まり、天下が治まるのである。
[彖傳]
五爻が天子で二爻が皇后であり、陰陽正しい位置にある。
これはすべての家に言えることで、嚴君というのは、立派な父親と母親を指す。
子供は母親に甘えがちであるが、母親が甘やかすと子供に良くないので、厳しさが求められる。
家族それぞれが自分の為すべきことをして家はよく治まる。
婦と妻と二つの字がある。
双方婚礼を平等にするときに妻といい、旣に嫁入りしてからは婦という。
中男と兄にも嫁がある。
一つの家に三つの夫婦が揃っている。
[象傳]
この卦の場合、
は木、は火である。
物を煮たり焼いたりするのは竈である。
竈をよく治めることが家を治める時の第一である。
家族は秘め事をしてはいけない。


《爻辭》
[五爻 優先]
「假」は「おおい(覆い)にす」と読む。九五の天子は四海を以て家とし、天下の人民を皆悉く我が家の子とする。天下も悉く天子を以て我が親の如くに親しく和して居れば、争いも起こらない。
[象伝]
一家の者が兄弟夫婦相愛するように、天下の間悉く迭(たがい)に相愛する。
[二爻]