10/14(木) ䷻ 水澤節󠄄(すいたくせつ) 変爻無し

10/14(木) 水澤節󠄄(すいたくせつ) 変爻無し

【運勢】


節は、節度のことだが、その匙加減は難しい。

調子に乗って、周りを見失えば大変になるが、物事に固執し続けても、本質を見失うこともある。

自身の立ち位置を理解するするとともに、無理をしない程度にしとくべき。


【結果】 

水澤節󠄄(すいたくせつ) 変爻無し
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 少陰]
[三爻 少陰][二爻 少陽][初爻 少陽]
《爻辭》
[変爻無し]


【原文】
《卦辭》
節󠄄は亨(とほ)る。苦節貞(てい)すべからず。
彖(たん)に曰はく、節󠄄は亨(とほ)る。剛柔(ごうじゅう)分かれて、剛中を得る。「苦節は貞すべからず」とは、その道窮(きは)まるなり。よろこびて以て險(けん)を行き、位にあたりて以て節󠄄(せつ)す。中正にして以て通ず。天地節󠄄して四時成り、節󠄄して以て度を制すれば財を傷(そこな)はず、民を害せず。
象に曰はく、澤上に水あるは節󠄄。君子以て數度(すうど)を制し、德行を議(ぎ)す。


【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辞》
坎は陽で兌は陰である。
陽が上で陰が下である。
剛柔が分かれている。
剛柔が分かれて乱れない。
剛が中を得て制となる。
主節󠄄の義である。
節󠄄で最大は剛柔が分かれている時である。
節󠄄で苦を過ぎれば堪えられない。
それでは正に復せない。
喜んで險を冒さず、中を過ぎて節󠄄となれば道󠄃が窮まる。


〔伊藤東涯の解釋〕
《卦辞》
節󠄄は分かれて度がある。
竹の節のことである。
陰陽が均等である。
二爻と五爻が剛中である。
節󠄄があれば通り、及ばないという弊害がない。
上爻は陰柔で正を得て窮まれば、節󠄄を過ぎて窮まる。
君子の道は中に適うを貴しとする。
人は剛で折れず、柔で撓まなければよろしい。
又偏ることがない。
うまく行く。
及ばないことを恐れるのでなく、行き過ぎることに注意すべきである。


〔根本通明の解釋〕
《卦辞》
節は竹の節に由来する。
中が空洞で通っているが、所々に節があり止まって堅く動かない。
上卦は坎で水が流れて通じるが、下卦は兌で水が止まり、節の象がある。
総ての事は竹の節の様に分限がある。
天地の間にも、君と臣の間にも、一家の中にも各々身分に応じて為す所がある。
しかし己の分を守るということも、度を越せば苦節となる。
孟子に陳仲子という人物がおり、節義を守ることを徹底する余り、無道の君から受ける禄を穢れると言って嫌悪する。
しかしそれでは生きていくことは出来ない。
我が身を苦しめ無理をしてまで節を守ろうとしてはいけない。
[彖伝]
下卦が陰=柔で、上卦が陽=剛である。
上卦の主爻は五爻目で、下卦の主爻は三爻目である。
剛と柔が上下に分かれ、陽爻は皆中を得ている。
「苦節不可貞」は行う所の道が窮して行えなくなることである。
陳仲子の様に窮することになる。
[象伝]
沢の上に水が流れる。
沢は四方に堤防があって水を溜めている。
これが節である。
程好い所に止まっている。
君子は節に則って政を行う。

10/13(水) ䷥ 火澤睽(かたくけい) 五爻

10/13(水) ䷥ 火澤睽(かたくけい) 五爻

【運勢】

睽は、背くことであり、仲良くできず、相反し合ってる状態である。

されど五爻は、二爻と合い協力しあうことができるので、悔いがない。

仲良くしたいと思うのなら、行動するべきである。

【原文】

《卦辭》

睽は小事吉。

彖(たん)に曰はく、睽(けい)は火動いて上り、澤動いて下り、二女同居して、その志同じく行はれず。說󠄁(よろこ)びて明󠄃に麗(つ)き、柔進みて上行す。中を得て、剛に應ず。是を以て小事吉。天地睽(そむ)いてその事同じきなり。男女睽(そむ)いて其の志通ずるなり。萬物睽(そむ)いて其の事類するなり。睽(けい)の時用大なるかな。

象に曰はく、上火下澤は睽(けい)。君子以て同じくして異なり。

《爻辭》

六五。悔亡ぶ。厥の宗、膚(ふ)を噬む。往きて何のとがあらん。

象に曰はく、厥の宗、膚を噬むとは、往きて慶有るなり。

【解釋】

〔王弼と東涯の解釋〕

《卦辞》

睽は背くの意󠄃である。

小さな事には吉である。

二爻と五爻が相性が良く(応じている)、下の☱沢が喜んで☲火につき従い、五爻が柔(陰)であり、二爻と応じてゐる。

よって大きなことには用いるべきでないが、小事には良い。

《爻辞》

位に非ざるは、悔である。應ずる有るが故に悔亡ぶ。厥の宗とは二を謂ふ也。膚を噬むとは、柔かきを齧むのである。三、二に比しむと雖も、二の噬む所なり。己の応じることを妨げる者ではない。素早さを以てして行えば何の咎もない。往けば必ず合う。

〔根本通明の解釋〕

《卦辞》

睽は互いに相反して和せざる所の卦である。『説文解字』には互いに反目する貌とある。上爻の離の卦は目である。下卦は兌の卦で癸(みずのと)で、この陰の卦が主となっている。陰は小事の方が吉であって、大事は良くない。

[彖伝]

火の性は動けば上がり、水は動けば下方へ流れる。また火は物を焼いて害し、水は物を潤して生じるから、その性質は反対である。人でいえば、家族が別々になって相争う所の卦である。兌の卦は少女で、巧言令色で旨く寵愛を得ており、内の方で権を握って居る。少女を大切にして、年を取っている離の中女を遠ざけて居れば、互いに嫉妬心が起こり、火が熾(さかん)になるように互いに害しあう。兌にも毀折の象がある。しかし反目は何時までも続くのではなく、相和する所の象もある。兌は說(よろこ)んで明らかなる方へ麗(つ)く。五爻目が陰爻で、二爻目は剛で陽爻である。君臣でいえば、君が弱く、臣が強いという卦である。君を輔ける者が少ないから、大事を行うのはいけない。小事が吉である。しかし君臣は国家の為に為すべき所があり、天地は萬物を生じさせ、夫婦は一家を興す。つまり半目し合っていても志は通じており、大いなる仕事を為す所がある。

[象伝]

上る方の火と、下る方の沢とで相背くが如くである。しかし君の為に尽くそうという所は皆同じである。人によって皆長じる所が異なっており、武をもって事(つか)える者がいれば、文をもってする者もいる。君子は是を用いて事を為す。