7/26(火) ䷯ 水風井(すいふうせい) 変爻無し

7/26(火) 水風井(すいふうせい) 変爻無し


【運勢】
絆を深めるのに良い時。
相手に対し敬いの心を持ち、公の為に尽くす事が大切である。
至誠通天。誠実な者の善行は万人から受け入れられる。
正しさを堅く守り、最後まで気を抜かず地道に努力する事が大切である。


【結果】

水風井(すいふうせい) 変爻無し
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 少陰]
[三爻 少陽][二爻 少陽][初爻 少陰]
《爻辭》
[変爻無し]


【原文】
井は邑を改めて井を改めず。喪ふことなく得ることなし。往来井を井とす。汔(ほとん)ど至らんとして亦た未だ井に繘(ゐつ)せず。其の瓶を羸(やぶ)る凶。
彖に曰く、水に巽れて水を上ぐるは井。井は養ひて窮まらず。邑を改めて井を改めざるは乃ち剛中をっ以てなり。汔(ほとん)ど至らんとして未だ井に繘(ゐつ)せずとは、未だ功有らざるなり。其の瓶を羸(やぶ)る、是を以て凶なるなり。
象に曰く、木の上に水あるは井。君子以て民を勞し、勧め相(たす)く。


【解釋】
〔王弼の解釋〕
井は不変の徳がある。常にあり、変化しない。ほぼ到達するのに井の水が出てこない。井は水が出なければ意味がない。至る直前でこぼしてしまったら、汲まないのと同じである。剛中である。だからよくその場にとどまり、変わらない。


〔東涯の解釋〕
汔はほとんど、繘は井戸の水をくみ上げる綱、瓶は水を汲む器、羸は破れるの意󠄃。内卦は木、その徳は入る。外卦は水。木が水の下に入って水をくみ上げる。よく人を養い、極まることがないのである。二爻も五爻も剛中の才があり、常の徳がある。そして人々を養う。井の水は減りもしないし、増えもしない。往来の人々は、みなその恩恵にあずかる。また、井は水を汲んで初めて役に立つ。水をほとんどくみ上げたところで、綱が上まで来なかったり、器が壊れてしまっては、何の役にも立たない。君子が德を修め、世の中に不正がはびこっても常に一人正しさを守り、世の中にどんな禍󠄃があろうとも不易の道を進む。窮まったり、通ったりで増えも減りもしない。あまねく人々のためになる。終始励み、怠らない。そして成功をおさめるのである。其の志を挫くことは出来ない。


〔根本通明の解釋〕
此の井は、俗に言う井戸で、水を汲み上げて以て人を養う所である。井戸の水は人間の徳に譬えたものである。乃ち道徳である。邑が変わり、国が種々に変化しても、道徳は動かすべきものでない。井戸の水は幾ら汲んでも減じて無くなる事は無く、また汲まずに置いても溢れ出る事も無い。地の中に名水を掘り当て清水が湧出するのは、学問を修め仁義礼智の徳が湧き出でて来るが如くである。釣瓶縄を置かなければ之を汲み上げることが出来ないように、道徳ある人物を朝廷へ薦め挙げる人が無ければいけない。しかし、賢人を妬み釣瓶を壊す小人もあり、之は最も凶である。
[彖傳]
下卦の巽は五行では木の象である。其処で瓶に取る。上卦の水の中に瓶を入れる形である。井戸は、水を幾ら汲んで人を養っても尽きることは無い。賢人と云うものも道徳を以て多くの人に施し養うが、道徳は尽きることが無い。此の卦は二爻目と五爻目とも剛中を得ているから、中庸にして長く施して養う所がある。しかし折角井戸を掘っても繘(つるべ)が無い。学問道徳盛んな人があっても、朝廷において挙げて用いなければ養ったところの功が出て来ない。また釣瓶を蠃(や)ぶり、賢人を用いないように讒言を以て害する者がある。是を以て凶である。
[象傳]
木の上に水がある。即ち繘を井戸の中へ入れる形である。水は広く人を養うものであり、農業が最も盛んなるものである。君子は水を以て農民を良く励まし助ける所がある。

7/25(月) ䷾ 水火旣濟(すいかきせい) 二爻

7/25(月) 水火旣濟(すいかきせい) 二爻


【運勢】
物事が成就する時。
現状に甘んじる事無く、今までの経験を活かし次なる目標を立てると良い。
気を引き締めて、注意深く進める事が大切である。
無理に追い求めるのは良くない。自然の巡りを信じ、気長に待つと良い。


【結果】
䷾◎
水火旣濟(すいかきせい) 二爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 少陰]
[三爻 少陽][二爻 老陰][初爻 少陽]
《爻辭》
[二爻]


【原文】
《卦辭》
旣濟は亨(とほ)る。小、貞に利し。初めには吉、終はりには亂る。
彖に曰く、旣濟は亨るとは、小なる者、亨るなり。貞に利しとは、剛柔正して位當たる。初めは吉とは、柔、中を得るなり。終に止まれば則ち亂る。其の道󠄃窮まるなり。
象に曰く、水、火の上に有るは旣濟。君子以て患を思ひて豫め之を防ぐ。


《爻辭》
六二。婦其の茀を喪ふ。逐ふこと勿れ。七日にして得ん。
象に曰く、七日にして得んとは、中道を以てなり。


【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
旣濟は完全に渡り切ったという意味である。小は残らず渡り切った。五爻と二爻が位に当たっているので、邪悪なことは出来ない。ただ正しければ上手く行くのである。柔が中を得たら、小はとおるのである。柔は中を得ていないならば、小はまだ通らない。小はまだうまく行っていない。剛で正を得ているといっても、まだ旣に渡り切れていないのである。だから旣濟の要は柔が中を得るにあるのである。旣濟を安定となすのは、道󠄃が窮まり進めないからである。止まるから乱れるのである。存續している時に亡びることを忘れない。旣濟は未濟を忘れてはいけない。


《爻辭》
中に居りて正を履み、文明の盛なるに處りて、五に應ず。陰の光いに盛なる者なり。然るに初三の間に居りて、近くして相得ず。上は三を承けず、下は初に比しまず。夫れ光いに盛なるの陰を以て、二陽の間に處り、近くして相得ず。能く侵さ見るなきや。故に其の茀を喪ふと曰ふなり。婦と稱するは、自ら夫有るを明らかにするを以て、他人之を侵すなり。茀は首の飾なり。夫れ中道を以て、貞正を執りて、侵さ見る者は、衆の助くる所なり。旣濟の時に處り、邪道を容れざる者なり。時旣に明らかに峻にして、衆も又た之を助く。之を竊む者逃竄して、之れ歸るなし。斯の勢を量るなり、七日を過ぎず、己の逐ふを須たずして、自ら得るなり。


〔東涯の解釋〕
《卦辭》
濟は交わり作用しあうことである。火が下に在って炎上し、水は上に在って下を潤す。陰陽が互いに作用していることである。陰陽六爻がそれぞれ正しいところにある。二爻は陰で中を得て、上には坎つまり止がある。だから始めは吉を得て、終には止まってしまい、衰乱の時代になる。治乱盛衰は永遠に互いに作用し続ける。陰陽が交わり互いに作用し、日が南中しているようであり、月󠄃が満月に近い状態である。よくうまく行くといっても、ただ小のみである。大吉ではない。ただ正しさを守るべきである。そうしなければ始めはうまく行っても、終いには乱れるのである。易の戒めるところである。
《爻辭》


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
水火相和して、萬物悉く生育する。何事も亨り達する。小なるものの二爻目は、主爻となり、陰爻を以て陰位にある。よって中を得て居り、小なるものが正しくして居る。内卦は始まりで、萬物が盛んになって来るが、半ばを過ぎれば衰えが出て来るから、油断をせずに対策しなければならない。
[彖傳]
二爻目は柔で陰位にあり、九五は剛で陽位にあり、正しく剛柔である。険難が除けて、天下泰平になる。安楽になれば人は動かず、為すべきことを怠って、乱れが起って来る。
[象傳]
水火相和しているというものの、性質で言えば分かれる所がある。水は火の上に在れば宜しいが、水の性質は下を好む。又火の氣が何処までも上がり、互いに反対に為って相害する所が出て来る。安楽なる内に災の出ない様に之を防がなければならない。
《爻辭》