8/5(金) ䷁ 坤爲地(こんゐち) 初爻

8/5(金) 坤爲地(こんゐち) 初爻


【運勢】
周りからの期待に応え、素直な気持ちで努力するのに良い時。
無理は続かない。ゆっくりと時間をかけて成長して行く事が大切である。
何気ない積み重ねが大きな力となる。
些細な事だと侮らず、問題の芽は早めに摘むと良い。


【結果】
䷁◎
坤爲地(こんゐち) 初爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陰][四爻 少陰]
[三爻 少陰][二爻 少陰][初爻 老陰]
《爻辭》
[初爻]


【原文】
《卦辭》
坤は元(おほ)いに亨(とほ)る。牝馬の貞に利(よ)ろし。君子往くところ有り。先(さきだ)つときは迷ひ、後るるときは主を得るに利あり。西南には朋を得る。東北には朋を失ふ。安貞にして吉。
彖に曰く、至れるかな坤元。萬物、資(よ)りて生ず。乃ち順にして天を承(う)く。坤、厚くして物を載す。德无疆に合ふ。含弘光大にして品物、咸(ことごと)く亨る。牝馬は地類。地を行くこと疆なし。柔順利貞は君子の行ふところ。先だつときは迷ひて道󠄃を失ひ、後るるときは順にして常を得る。西南には朋を得る。乃はち類と行く。東北には朋を喪ふ。すなはち終に慶有り。安貞の吉は地の无疆に應ず。
象に曰く、地勢は坤。君子以て厚德者物を載す。


《爻辭》
初六。霜を履みて堅冰至る。
象に曰く、霜を履む堅冰とは、陰始めて凝るなり。其の道を馴致して堅冰に至るなり。


【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
坤は貞によろしい。牝馬によい。馬下にあって行く。牝馬は柔順の至りである。柔順を尽くして後にうまく行く。牝馬の正しいものによろしい。西南は人を養う地である。坤の方角である。だから友を得る。東北は西南の逆である。友を失う。乾は龍を以て天を御し、坤は馬を以て地を行く。地は形の名である。坤は地を用いるものである。両雄は並び立たない。二人主が居るのは危うい。剛健と對をなす。長く領土を保つことが出来ない。順を致していない、地勢が順わない。その勢は順。


《爻辭》
霜を履むに始まり、堅冰に至る。所謂る至柔にして動くや剛なり。陰の道爲るや、卑弱を本とし、而る後に積著に至る者なり。故に霜を履むに取りて、以て其の始を明らかにす。陽の物爲るや、始に基づくに非ずして、以て著に至る者なり。故に出處を以て之を明らかにす。則ち初を以て潛と爲す。


〔東涯の解釋〕
《卦辭》
坤の爻はすべて陰。順の至りである。牝馬は柔であり強く行く。この卦は柔にして健である。主に遇うとは、陽に遇うことである。西南は陰、東北は陽。順の至りでうまく行く。君子まず行くところがあれば迷い、後に主を得る。西南に行くと友を得て、東北に行くとその友は離れる。正しいことだけをしていれば吉。天の気を承け萬物を生ず。陽に先んじてはならず、陽の後に行けばよい。
《爻辭》


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
坤は乾と對であり、乾は天、坤は地である。牝馬の話が出るが、これは乾の方が牡馬であることをも示している。臣たるもの、必ず朝󠄃廷に行って君に仕えなければならない。しかし、無学では全く役に立たないから、そのためには朋(とも)をもって助け合わなければならない。西南は坤である。
巽の卦、離の卦、坤の卦、澤兌の卦は陰の卦である。そこで、西南に陰の友が集まっている。朋は友と違う。一緒に勉強するもののことを朋というのである。友とは朋の中でも特に親しいものである。朋の字は陰で、友の字は陽である。始めのうちは陰の友達が必要である。そこで西南が良いのである。また、東北は朝󠄃廷を意味する。乾の気で萬物は始まり、坤の気で萬物に形が備わる。坤の卦は地の上に地を重ねているから、地盤は盤石である。天の気がどこまでも拡大していくのに、陰の気はどこまでも従うのである。牝馬が牡馬に従うように、臣下は君主に仕えるのである。先に行こうとしてはいけない。常に後ろについていくべきである。臣下は朋友を失うことになるが、君主に仕えることでそれを克服するだけの喜びを得る。慶(ケイ、よろこ)びは高級な臣下の卿(ケイ)に通じる字である。上に鹿の字が附くが、昔は鹿の皮を以て喜びを述べた。人々が集まってくるのである。
[大象傳]
地が二つも重なっているので盤石である。物を載せても耐えられる。つまり様々なことを任されても耐えられる存在なのである。
《爻辭》

8/4(木) ䷐ 澤雷隨(たくらいずゐ)→䷢ 火地晋(かちしん)

8/4(木) 澤雷隨(たくらいずゐ)→ 火地晋(かちしん)


【運勢】
先人に倣い、冷静に先を見据えて行動するのに良い時。
自分本位な気持ちを抑え、相手を思い遣ると良い。
義務感からではなく、自主的に周りからの信頼に応える事が大切である。道は大きく開けるだろう。


【結果】

本卦:澤雷隨(たくらいずゐ)
之卦:火地晋(かちしん)
《卦辭》
[上爻 老陰][五爻 老陽][四爻 少陽]
[三爻 少陰][二爻 少陰][初爻 老陽]
《爻辭》
[上爻][五爻][初爻]


【原文】
《本卦:
澤雷隨》
隨(ずゐ)は元(おほ)いに亨(とほ)る。貞(てい)によろし。咎めなし。
彖に曰く、隨は剛に來たりて柔に下る。動いて說󠄁(よろこ)ぶは隨。元いに亨り、貞。咎めなし。しかして天下時に隨(したが)ふ。時に隨(したが)ふの義、大なるかな。
象に曰く、澤中に雷あるは隨。君子以て晦(みそか)に嚮(むか)ひて入りて宴息(えんそく)す。


《之卦:
火地晋》
晋は康侯(しょうこう)用ゐて馬を錫(たま)ふこと蕃庶(ばんしよ)。晝日三接す。
彖に曰く、晋は進むなり。明󠄃地上に出づ。順にして大明󠄃に麗(つ)く。柔進みて上行す。是を以て康侯用ゐて馬を錫(たま)ふ蕃庶。晝日三接すなり。
象に曰く、明󠄃、地上に出づるは晋。君子以て自ら明德を照(あきらか)にす。


【解釋】
《本卦:
澤雷隨》
〔王弼、通解の解釋〕
隨はしたがうの意󠄃味である。内卦は震で動き、外卦は兌であり、よろこぶの意󠄃である。君主が行動するとき、人々はよく協力してくれ、思い通りにできる。人々は時機にしたがい行動する。


〔根本通明の解釋〕
随は後ろに随って行く義である。同じ「したがう」でも、従の字は左に付いても右に付いても従うだが、随の字は後ろに附いて行くという義である。初九はニに随う。二は三に随う。三は四に随い、四は五に随い、五は六に随う。先の方に随うという象があるが、何でも随へば良いわけではない。仁義礼智に外れないようにすれば咎が無い。
[彖傳]
初九の陽爻が二・三爻目に随っているので、剛柔に随う。下卦の震は雷なので動く。動いた先の兌が說ぶ。随うには正しき所をもってすれば、必ず大いに亨る。二・三・四爻目の艮は時の象がある。時は重要で、必ず随わなければならない。
[象傳]
兌は秋、雷は春である。春に雷が出で、秋に沢中に潜む。これは時に随うの義である。君子は晦に嚮(むか)う。晦は日の暮れる所である。


《之卦:
火地晋》
〔王弼、東涯の解釋〕
晋は進󠄃むである。地上に日が昇り、あまねく天下を照らす象である。陰が三つ上に登って太陽に付き従っている。これは名君に人々が仕える象である。そして立派な諸侯となり、王は恩恵を賜る。三陰は柔順の徳がある。君子は德を明らかにし、天下あまねくその恩恵を受ける。


〔根本通明の解釋〕
上卦の離は日であり、下卦の坤は地である。つまり地上に日が初めて出た所の象である。晋は日が出て万物が進むという義である。『説文解字』に「日出萬物進也」とあるように、太陽の働きで万物は育ち伸びてゆく。二・三・四爻目に艮がある。艮は東北の間であるから、将に日が出んとする所である。康侯は、諸侯の職分が民を康(やす)んずる所にあることに由来する。諸侯は天子に朝するに三度御目通りをするので「昼日三接」という。その時に諸侯は自国の名馬を献ずる。馬十匹を献ずることを錫(たま)うという。錫という字は古くは上下の区別なく、下から上へ差上げるのにも錫うという。『書経』にも「衆錫帝」とある。これが上から下に与える意味に限られるようになるのは、始皇帝の時からである。下から上へ差上げる時には、献ずる、奉るというようになる。蕃庶は馬十匹で多いことによる。
[彖傳]
日が出て万物が段々進んで来る、即ち天子が上に在って諸侯が進んで拝謁する所の象である。明は離の卦の象である。「大明に麗(つ)く」というのは、大明=乾の卦の真ん中に陰爻が麗いて離の卦になることである。天は大明、離は明である。「柔進みて上行す」というのは、元これは真っ暗の夜の象である地火明夷の卦であったことによる。五爻目の陰爻が二爻目にあり、それが上行して五爻目まで往く象である。
[象傳]
日が地の下にある真っ暗な状態は、欲に覆われて徳が明らかにならない状態である。君子は欲を取り払って、明徳を明らかにして四方を照らす。