3/20(日) ䷇ 水地比(すゐちひ) 三爻
【運勢】
身近な人と親しみ、協力し助け合い、信頼関係を育むのに良い時。
何より大切なのは、相手の意見を尊重し、敬意を払う事である。
思い切りが大切。
幾ら能力に秀でて居ても、人を見下し蔑ろにする者とは、親しむべきでない。
【結果】䷇◎三
水地比(すゐちひ) 三爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 少陰]
[三爻 老陰][二爻 少陰][初爻 少陰]
《爻辭》
[三爻]
【原文】
《卦辭》
比は吉なり。原筮(げんぜい)。元永貞(げんえいてい)にして咎(とが)めなし。寧(やす)からざる方(まさ)に來たる。後るる夫は凶。
彖に曰く、比は吉なり。比は輔(ほ)なり。下順從するなり。原筮、元永貞にして咎めなしとは、剛中(ごうちう)を以てなり。寧(やす)からざる方(まさ)に來たるとは、上下應ずるなり。
象に曰く、地の上に水あるは比。先王(せんわう)以て萬國を建て、諸侯を親しむ。
《爻辭》
六三。之を比す、人に匪ず。
象に曰く、之に比す人に匪ずとは、また傷しからずや。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
比の時にあり、筮によって咎なきを求めようとしている。元永貞であろうか。人が群れて互いに親しみ、元永貞で無ければ、凶邪の道である。もし主に遇わなければ、永貞といえども咎を免れることが出来ない。永貞で咎なき者は、ただ五爻のみであろう。上下に五爻以外に陽がない。すべて五爻に帰す。親しみ安心する。後れるものは凶である。
《爻辭》
四、外自り比する。二、五を應と爲す。近くして相得ず、遠ければ應ずる則ちなし。與に比する所の者、皆己の親に非ず。故に之に比すること人に匪ずと曰ふ。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
比は相附き比することである。九五が位を得ている。そしてほかの五陰がつき従う。多くのものが一人を助けている。吉である。元永貞の後に郡陰に当たれば咎めがない。まだ安住の地に居ないものがいる。どんな剛強の者でも咎を免れない。柔弱󠄃であれば猶更である。
《爻辭》
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
比は親密なる所である。比は密であり、密は物と物とが密着して間に隙間の無いことである。上卦は水、下卦は地である。水は地の中に浸み込んでくるから、水と土は離れることが無く、密着した状態である。五爻目は陽爻で天子にあたる。天子は人民と密着しており離れることが無い。ちょうど水と土の関係のようである。これは吉である。「筮」は神に吉凶を問い訊ねることで、「原」は再びという意で三度問うことである。つまり天子は神に吉凶を訪ねるのと同じように、諸々の人民へ何事も懇ろに問い訊ねて事を謀るのである。「元永貞」とは元徳を持つ人が、永く怠らず、貞しい所を守っていることである。これは堯舜(古代中国で徳をもって天下を治めた聖天子である堯(ぎょう)と舜(しゅん)。転じて、賢明なる天子の称のようなものである。「後夫凶」は、四方の国が名君に服しているのに、後に残って服せずに居る男が禍を受けることである。
[彖傳]
比は吉である。また互いに相輔けることである。「下順従」の「下」は下卦の坤=人民のことである。そして「順従」は坤の卦の象であり、人民が皆九五の天子のもとに集まってくることである。「不寧方来」は上から下まで残らず天子に応じて服して来ることをいう。「後夫凶」は名君に服さない者が、自ずから往くべき所がなくなり、その道に窮することをいう。
[象傳]
地の上に水があるのが比である。地に悉く浸み込んで来る水は、名君の徳性が深く人民の方へ浸み込んでいく例えである。君と民は親密な関係であり、離れようもない。こうした君民一体の関係に、皇統一系の象が含まれているのである。
《爻辭》