4/4(月) ䷖ 山地剥(さんちはく) 初爻
【運勢】
悪人が多く蔓延り力を増す。物事を前に進めるのが困難な時。
正しさは内に秘めておくと良い。
何事も、土台が不安定では上手く行かない。
弱みにつけ込まれる事のない様に、冷静に己を俯瞰し、土台を固める事が大切である。
【原文】
《卦辭》
剝は往く攸有るに利しからず。
彖に曰く、剝は剝なり。柔剛を變ずるなり。
往く攸有るに利しからずとは、小人長ずるなり。順にして之を止む。象を觀るなり。君子は消息盈虚を尚ぶ。天の行なり。
象に曰く、山、地に附く剝。上以て下を厚うし宅を安ず。
《爻辭》
初六。牀を剥するに足を以てす。貞を蔑にす、凶。
象に曰く、牀を剥するに足を以てすとは、以て下を滅するなり。
【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《卦辭》
剝は割くの意󠄃である。下から陰が侵食し、最後に上爻だけに陽が残っている。これは徳の無い者がはびこり、有徳者が衰退している時である。このような時は何か事を起こす時ではないと、強く戒めるべきである。
《爻辭》
牀は、人の安んずる所以なり。牀を剥するに足を以てす、猶ほ牀の足を剥ぐと云ふがごときなり。蔑は猶ほ削るがごときなり。牀の足を剥ぐ、下を滅する道なり。下道始めて滅べば、剛隕ち柔長ず。則ち正削られて凶來たるなり。
〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
剝は刀で削り取っていくという意味である。徳の無い者が削り取りながら有徳者にせまっていくところである。このような時には有徳者は遁れておくのが良いのである。
[彖傳]
剝にはものを破る、落とすという義もあるが、この場合は削り落とすの意󠄃である。小人が世の中の隅々にはびこっているので、君子たるものはどこにも行かない方が良い。そして正しい行いをつづけていかなければならない。今はすべてが陰になろうとしているが、固く道徳を守り、一陽来復に備えておくべきである。
[象傳]
地の上に山がある。地は民であり、山は君主である。地が厚ければ山は盤石であるように、民の生活基盤が盤石であってこそ、君主は盤石なのである。卦の形は牀のようである。牀とは今の机のことで、一番上の上爻が机で、五爻までの陰爻が足である。
《爻辭》