5/12(木) ䷜ 坎爲水(かんゐすい) 変爻無し
【運勢】
大きく道を見失う時。
どんなに辛い状況でも、芯を曲げず自分を信じて行動する事が大切である。
思い悩み立ち止まれば、問題は先送りになり、進退極まる結果となるだろう。
やるべき事を整理して迅速に取組むと良い。
【結果】䷜
坎爲水(かんゐすい) 変爻無し
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 少陰]
[三爻 少陰][二爻 少陽][初爻 少陰]
《爻辭》
[変爻無し]
【原文】
習坎は、孚(まこと)有り。維(こ)れ心亨(とほ)る。行いて尚ふること有り。彖に曰く、習󠄃坎は重險(じゅうけん)なり。水流れて盈(み)たず。險(けん)を行いて其の信を失はず。維(こ)れ心亨るとは、乃ち剛中を以てなり。行いて尚ふること有りとは、往いて功有るなり。天の儉(けん)は升(のぼ)るべからざるなり。地の險は山川丘陵なり。王公、險を設けて以て其の國を守る。險の時と用と大なるかな。象に曰く、水洊(しきり)に至るは、習󠄃坎。君子以て德行を常にして敎事を習󠄃ふ。
【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
☵坎(水)は險難の卦である。それが二つも重なっているので、道を見失ったような状況である。この状況を脱するには、心に実(じつ)がなければならない。どんな辛い状況でも誠を貫き通せば、最終的には安楽の境地に達し、人に尊ばれることになる。
〔根本通明の解釋〕
危険なるものの上に危険なるものが重なり、険難の象である。
しかし如何に危険な状況にあっても孚(まこと)を失ってはいけない。
たとえ禍のために僵(たお)れても、その行いの尊ぶべき所は死後も人から称される。
この孚が水から出てくるのは、潮汐は時を間違えず、月は旧暦十五日に必ず満月になる。
この間違いの無い所から孚の象がある。
[彖傳]
習坎は陰を重ねたもので、これは習の字を釋(と)いたものである。
水は常に流れ続け、塞がる所が無ければ、盈ちて溢れることが無い。
水の流れは岩にぶつかったり、流路が屈曲したり困難な所があるが、潮が上り潮が下るという所においては間違いが無い。
このように人は如何なる危険な所にあっても、如何なる苦しみに遭っても、信を失ってはいけない。
信を失わず進んでゆくのが功である。
二爻と五爻の陽爻は剛にして中正であり、中庸の徳を持っている。
山川丘陵の険しく侵し難い所を、王公は外国からの護りに用いる。
また小人が跋扈し君子が難に遭い苦しみを受ける世の中である。
[象傳]
洊(かさ)ねるという字は「再び」「仍る」と解くことができる。
水は如何なる危険な所を流れても常に失わない孚がある。
そこで徳の行いを常にする。
教育を重ね、徳を育てなければいけない。