5/18(水) ䷮ 澤水困(たくすいこん) 四爻初爻

5/18(水) 澤水困(たくすいこん) 四爻初爻


【運勢】
物事を前に進めるのが困難な時。
内実が伴わなければ信頼されない。
着飾ろうとせず、成果の出ない時は寡黙に努力し誠実さを体現すべきである。
希望を捨てず正しさを守り続ける事が大切である。好機は必ず訪れる。


【結果】
䷮◎四⚪︎初
澤水困(たくすいこん) 四爻初爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 老陽]
[三爻 少陰][二爻 少陽][初爻 老陰]
《爻辭》
[四爻 優先][初爻]


【原文】
《卦辭》
困は亨(とほ)る。貞なり。大人は吉にして咎なし。言ふ有り。信ぜられず。彖に曰く、困は剛、揜(おほ)はるるなり。險以て說󠄁(よろこ)ぶ。困みてその亨るところを失はず。それただ君子のみか。貞なり。大人は吉。剛中を以てなり。言有り。信ぜられずとは、口を尚(たうと)べば乃ち窮まるなり。象に曰く、澤に水なきは困。君子以て命を致して志を遂ぐ。


《爻辭》
[四爻 優先]
九四。來ること徐々。金車(きんしや)に困(くる)しむ。吝(りん)なれども終はり有り。象に曰く、來ること徐々とは、志下に在るなり。位に當(あた)らずと雖(いへど)も、與(とも)有るなり。
[初爻]
初六。臀(とん)、株木(ちゅぼく)に困(くる)しむ。幽谷(ゆうこく)に入る。三歳、観ず。象に曰く、幽谷に入るとは、幽(くら)くして明らかならざるなり。


【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《卦辭》
困は苦しむことである。しかし、最後は苦しいながらも屈することなく困難から脱出できるだろう。正しく生きるということは元々困難なものである。それでも正しいことを続けていかなければならない。徳のない人にはできないことである。口で立派なことを言っているだけでは駄目である。行動が伴わないと信用されない。


《爻辭》
[四爻 優先]
四爻は初爻を志しているが、二爻の金車(堅い車)に邪魔されている。金車とは二爻である。陽爻で剛く、物を載せるのによい車である。気の合う者󠄃がいても、間に障害があってなかなか会えないで困っている。しかも、初爻と二爻とは相性が良い。しかし、四爻は初爻と応じており、我慢すれば最終的には初爻と会うことが出來る。
[初爻]
最も底の下に處り、沈み滯り卑しく困しむ。居るに安んずる所なし。故に臀株木に困しむと曰ふなり。其の應ずるに之かんと欲すれども、二、其の路を隔つ。居れば則ち株木に困しみ、進めば拯ふを獲ず、必ず隱れ遯るる者なり。故に幽谷に入ると曰ふなり。困の道爲るや、數歳を過ぎざる者なり。困を以て藏しみ、困しみ解けば乃ち出づ。故に三歳まで覿ずと曰ふ。
幽と言ふは、明らかならざるの辭なり。明らかならざるに入りて、以て自ら藏するなり。


〔根本通明の解釋〕
《卦辭》
上卦の兌は堤防で水を止めて置く所である。他方、下卦の坎は流れる水である。つまり堤防の底から水が流れており、貯えた水が尽きて無くなる。即ち水不足による困となる。『説文解字』には、古廬(古き家)とあり、家の用を為さないことが困とある。しかし人というものは、困難に遭うことで益々奮発し気力が振るう。其れで大いに亨る所がある。孟子にも、天が国家の大事を任せ得ると思う人間に対しては、天の方から困難を与えるとある。九二は剛中で中を得ており大人(たいじん)であるが、初爻と三爻目の二陰=小人(しょうじん)に一陽が挟まれている。つまり君子が小人の為に苦しめられる所の象である。もし讒言に罹っても、正しきを弁ずるのはいけない。ここで君子は争わずに時を待たねばならない。
[彖傳]
「剛弇(おお)はるる」というのは、二爻目が陰爻に挟まれていることである。「険以説」というのは、困難の中にあって困らず、身が苦しくても心は道を失わず、亨る所となる。「言あるも信ぜられず」というのは、困難に遭った時に正しい所を弁じてはかえって窮する。それで言わない方が良いのである。
[象傳]
水が無くなり窮する所となるが、君子は天より享けた命=道徳を行う。何処までも履(ふ)んで行こうとする志を遂げるのである。


《爻辭》
[四爻 優先]
四爻は初爻と応じており、四爻は陽爻、初爻は陰爻で陰陽も応じていて、非常に相性が良い。しかし、初爻は小人である。徳が無い。その諸初爻が助けを求めるので四爻は助けに向おうとするが、何分初爻は信用できないので、二の足を踏んでいる。しかも、二爻の賢人が初爻のところに行ってはならないと教え諭す。初爻を助けたいという気持ちに悩まされるが、二爻の諫めもあって、初爻のところに行かず小人と関わらずに済んだ。
[象傳]
志が下に在るというのは、四爻が初爻を助けようとすることである。四爻は陰の位に陽でいるが、二爻の賢人の助けを得て、世の中を救うことが出來る。
[初爻]

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