5/19(木) ䷜ 坎爲水(かんゐすい)→䷪ 澤天夬(たくてんかい)

5/19(木) 坎爲水(かんゐすい)→ 澤天夬(たくてんかい)


【運勢】
困難の絶えない時。
思い悩み立ち止まれば、問題は先送りになり、進退極まる結果となるだろう。
迷いを振り切り、決断する事が大切である。
後悔のないよう、志を曲げず、何事も迅速に取組むと良い。


【結果】

本卦:坎爲水(かんゐすい)
之卦:澤天夬(たくてんかい)
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陽][四爻 老陰]
[三爻 老陰][二爻 少陽][初爻 老陰]
《爻辭》
[四爻][三爻][初爻]


【原文】
《本卦:
坎爲水》
習坎は、孚(まこと)有り。維(こ)れ心亨(とほ)る。行いて尚ふること有り。彖に曰く、習󠄃坎は重險(じゅうけん)なり。水流れて盈(み)たず。險(けん)を行いて其の信を失はず。維(こ)れ心亨るとは、乃ち剛中を以てなり。行いて尚ふること有りとは、往いて功有るなり。天の儉(けん)は升(のぼ)るべからざるなり。地の險は山川丘陵なり。王公、險を設けて以て其の國を守る。險の時と用と大なるかな。象に曰く、水洊(しきり)に至るは、習󠄃坎。君子以て德行を常にして敎事を習󠄃ふ。


《之卦:
澤天夬》
夬は王庭に揚ぐ。孚(まこと)有りて號ぶあやふきこと有り。吿ぐること邑よりす。戎に卽くによろしからず。往くところ有るによろし。彖に曰く、夬は決なり。剛、柔を決するなり。健にして說󠄁(よろこ)ぶ。決して和す。「王庭に揚ぐ」とは、柔五剛に乘ずればなり。「孚有りて號ぶ、あやうきこと有り」とは、それ危めば乃ち光るなり。「吿ぐること邑よりす。戎に卽くによろしからず」とは、尚ぶ所󠄃乃ち窮まるなり。「往くところ有るによろし」とは、剛長じて乃ち終るなり。象に曰く、澤、天に上るは夬。君子以て禄を施して下に及ぼす。德に居りて則ち忌む。


【解釋】
《本卦:
坎爲水》
〔王弼、東涯の解釋〕
坎(水)は險難の卦である。それが二つも重なっているので、道を見失ったような状況である。この状況を脱するには、心に実(じつ)がなければならない。どんな辛い状況でも誠を貫き通せば、最終的には安楽の境地に達し、人に尊ばれることになる。


〔根本通明の解釋〕
危険なるものの上に危険なるものが重なり、険難の象である。しかし如何に危険な状況にあっても孚(まこと)を失ってはいけない。たとえ禍のために僵(たお)れても、その行いの尊ぶべき所は死後も人から称される。この孚が水から出てくるのは、潮汐は時を間違えず、月は旧暦十五日に必ず満月になる。この間違いの無い所から孚の象がある。
[彖傳]
習坎は陰を重ねたもので、これは習の字を釋(と)いたものである。水は常に流れ続け、塞がる所が無ければ、盈ちて溢れることが無い。水の流れは岩にぶつかったり、流路が屈曲したり困難な所があるが、潮が上り潮が下るという所においては間違いが無い。このように人は如何なる危険な所にあっても、如何なる苦しみに遭っても、信を失ってはいけない。信を失わず進んでゆくのが功である。二爻と五爻の陽爻は剛にして中正であり、中庸の徳を持っている。山川丘陵の険しく侵し難い所を、王公は外国からの護りに用いる。また小人が跋扈し君子が難に遭い苦しみを受ける世の中である。
[象傳]
洊(かさ)ねるという字は「再び」「仍る」と解くことができる。水は如何なる危険な所を流れても常に失わない孚がある。そこで徳の行いを常にする。教育を重ね、徳を育てなければいけない。


《之卦:
澤天夬》
〔王弼、東涯の解釋〕
夬は決める、引き裂くの意󠄃味である。形は
剝の反対である。君子が勢いを持ち、徳のないもの(上爻)を征伐する象である。五陽に一陰が載っている。危うい状態に耐えきったら大きな功をなす。徳の無い者と戦うときはただ武力のみに頼るのでなく、誠実さを以て臨むべきである。終には徳の無い者は除かれ、平和になる。


〔根本通明の解釋〕
夬は円(まる)い物を欠いて割るという義である。上六の陰爻は大奸物(だいかんぶつ:悪知恵のはたらく心のひねくれた人間)である。それが九五の天子に近接している。巧言令色をもって諂って居るのが、段々と蔓延(はびこ)って害を為す。必ず上六を撃たねばならない。「揚于王庭」とは、この大臣の悪を明らかにして皆に告げる所である。「孚号」は、大臣を除くにあたり誠心をもって協力を呼び掛けるのに号(さけ)ぶ所である。天下はこれを信じ、協力は得られる。しかし兵を挙げて撃つのではない。早まってはいけない。[彖傳]
密接している悪を斬って除く。一番上の陰爻を切り離す。剛が柔を決する。柔の小人は五人の賢人君子の上に上がって権勢を専らにしているので、その罪を揚げるのである。厲(あやう)い所があるから容易に手を出してはならない。危ぶみ慎しんで、人民が騒がしくならないように能く鎮撫する。孚(まこと)を尊び、時を見て動かなければならない。早く往き過ぎると却って窮する所が出てくる。剛が次第に長じてくる所であるから、終(つい)には事を終え遂げることが出来る。
[象傳]
沢の水の気が、乾の天の上にあり、水気がまた下に戻ってくる。君子は恩沢を下々の方まで汎く施す。恩沢を上の方で置き蓄えて、吝(おし)み下へ及ぼさないのは君子にとって忌み嫌う所である。

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