小過は亨る。貞に利ろし。小事に可にして、大事に可ならず。飛鳥之れが音を遺す。上るに宜しからず、下るに宜し。大吉。上六。遇はずして之に過ぐ。飛鳥之に離る、凶。是を災眚(さいせい)と謂ふ。
小過は陰の過ぎたること、少し過ぎたことの意󠄃である。
小さなことをするのは良いが、大きなことをしてはならない。
昇ろうとするのは良くないが、降ろうとするのは良い。
この卦の形は☵を二倍にしたようであり、その形は大きな鳥が羽ばたいているように見える。
そこで空を飛ぶ鳥の話になる。
鳥が姿が見えないほど高く飛んでいるから、これ以上高く飛ぶべきでないというのである。
上爻は陰が過ぎる、徳のないものが究極まで来てしまったということである。
ついに遇うべき人にも遇えなかった。
飛ぶ鳥が網に引っかかるようなことになる。
凶であり、災いというべきである。
早急に己の言動を反省すべきである。
自己の能力が不足しているので、周りの為に行動をする事は困難。
周りに助けてもらう時期を逃してしまったため、物事を良い方に進める事は出来ない。
慢心を続けるのなら、災いを招くだろう。