5/6(金) ䷟ 雷風恆(らいふうこう) 変爻無し
【運勢】
一貫した姿勢で、段階を踏み、自らの本分を全うするのに良い時。
時は得難くして失い易し。やるべき事を後回しにしてはいけない。
不測の事態に備える事が大切である。
心に余裕があれば、相手の気持ちも尊重出来る。
【結果】䷟
雷風恆(らいふうこう) 変爻無し
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陰][四爻 少陽]
[三爻 少陽][二爻 少陽][初爻 少陰]
《爻辭》
[変爻無し]
【原文】
恒は亨る。咎めなし。貞に利ろし。往く攸あるに利ろし。彖に曰く。恒は久なり。剛上りて柔下る。雷風相ひ與す。巽にして動き、剛柔皆應ず。恒。恒は亨る。咎めなし。貞によろしとは、その道に久しきなり。天地の道󠄃は恒久にしてやまず。往くところあるによろしとは、終れば則ち始まり有るなり。日月は天を得てよく久しく照らす。四時は変化して、よく久しく成󠄃る。聖人はその道を久しくして天下化成す。その恒とするところをみて、天地萬物の情󠄃見るべし。象に曰く、雷風は、恆なり。君子以て立ちて方を易へず。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
恒であり享る。恒の道は通り、咎めなく通る。正しくしていれば良い。常道を修めることが終われば、また始まりがある。行って間違いはない。剛が尊く柔が卑しいの順序が得られる。長く陽で長く陰である。互いに成就する。動いて間違えることなく、よく連れ合い、長く続く。窮まることがない。
〔東涯の解釋〕
恒は常、久しいの意である。卦は変じて咸となる。咸の三爻が上に行き四爻となった。上爻が下って初爻となった。剛が昇り柔が下る。雷も風も共に鼓動する。内外全て応じる。だから久しく続き不易である。咎めなく、正しくしておけば良い。作為や粉飾は恒の道でない。必ず駄目になり、長く続くことはない。正しくなければ恒であっても善でない。恒で善であれば何をしても良い。伊尹が畝の中に居て堯舜の道を楽しんだことは、身を終えたことはまさに恒と言えよう。
〔根本通明の解釋〕
「つね」は常と恒の二つがある。「常」の方は幾万年経っても少しも変わる所が無い。しかし「恒」の方は毎日変わり続けて居るが、幾万年経っても易わらない所が有る。是は日月の象になり、常の字は日、恒の字は月である。太陽は幾万年経っても大小変化せず、何時も変わらない。しかし月は毎日形が変わって居る。この卦は夫婦の卦である。夫婦は一旦婚姻を結んだ上は何処までも全うすべきものである。しかし人の身の上というものは毎日変わって往く。初爻目は下卦の主であり、四爻目は上卦の主である。また初爻目と四爻目は互いに相応じて居る。其処で正しい所が良い。夫婦力を合わせ心を同じくして事を為せば、一家は段々盛んになり先に進んで往く。
[彖傳]
この卦は元は地天泰で、一番下の陽爻が四爻目に上り、また四爻目の陰爻が一番下に下った。其処で陰陽相交わり雷風恆の卦になった。雷が鳴って動けば、風が従って雷を助ける。雷と風は相離れず、互いに相與しめ、万物を生じさせる。初爻目と四爻目、二爻目と五爻目、三爻目と上爻目、皆剛柔応じて居る。男女の道は天地陰陽の道である。
[象傳]
雷が春に起こって風が是を助ける。雷気の滞る所を風が一帯に吹き散らし、能く気が循環して万物が育つ所がある。君子は陽が外、陰が内という在り方を易えない。