【運勢】
正しい生き方をしようと一人一人が努力する事で、足並みを揃える事が出来る。
この機会に難しい問題を集中して取り組むべきである。
問題を先送りにせず、率先して解決にあたる事で、周りから深い信頼を得られるだろう。
【原文】
《卦辭》
渙は、亨る。王有廟に假(いた)る。大川を涉るに利(よろ)し。貞に利(よろ)し。
彖に曰(いは)く、渙は亨(とほ)る。剛來(きた)りて窮(きはまら)ず。柔、位を外に得て上同す。「王有廟に假(いた)る」とは、王乃ち中に在るなり。「大川を涉るに利(よろ)し」とは、木に乘じて功有るなり。
象に曰(いは)く、風、水上を行くは渙。先王以て帝に亨して廟を立つ。
《爻辭》
我が生を観る。君子は咎なし。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辞》
渙とは散ること、問題が解決することである。
王が散らばっている民心をまとめて、混乱を収拾し、宗廟(そうびょう)に先祖を祭り、天下を統一したことを表す。
☴は木であり、☵水の上に木があるから、舟が水に浮いている様を表すので、大きな川を渡るによいというのである。
つまり大きな難題を解決できるのである。
その時、常に正しさを守るべきである。
《爻辞》
尊位に居て、正を履んでいる。𢁉の中に居て、汗を多く散らして、險阨を洗い流しているものである。渙の主になり、唯、王に居る。即ち、咎めなく、得ている。
〔根本通明の解釋〕
《卦辞》
渙は四方の水が散じて往く所の義である。下卦の坎は季節では冬、方位では北にあたり、水は冰(こお)る。氷は陰の固まりである。
二・三・四爻目は震の卦で、春の真ん中(旧暦二月)であり、その時期には雷が鳴り氷が砕ける。
『詩経』には、妻を娶るなら氷の泮(と)けないうちに娶れとある。
妻を娶るのは陰を迎えることだからである。
よって氷の融けた後には妻を迎えない。
これは古からの礼である。氷が砕けて泮けるのは、渙の字と同じ義である。
普通、陽は正しい方に取り、陰は悪い方に取るが、渙は悪い物を融かし砕いて正しい所にする。
小人の悪い物が摧(くじ)けて無くなり、道徳の方が亨る所となる。
[彖伝]
剛は二爻目の陽爻である。
坎=水であり、能く流れて何処までも達する所があるので「不窮」という。
「柔」は四爻目の陰爻であり、これが巽の主爻である。
有廟を假にするとは、廟を大いに盛んにすることである。
天下の人は東西南北から集まり祭りを助ける。
[象伝]
風が水上を吹くのは、ちょうど二月である。氷が融けようとする時に風が吹き、氷は皆砕けて消えてしまう。
これは天下の難が解ける所の象である。
そこで先王は天を祭り、廟を立て、天下の諸侯皆集まって会するのである。
《爻辞》
データ無し