【運勢】
脅威が刻々と差し迫る卦である。
熱海の土砂災害が起きた日は、剝の初爻であった。梅雨が未だ開けていない、強い雨が降る可能性は大いにあり、どこでも同じようなことが起こり得る。
慎重に注意して行動することが大事である。
【原文】
剝は往く攸有るに利しからず。
彖に曰く、剝は剝なり。柔剛を變ずるなり。
往く攸有るに利しからずとは、小人長ずるなり。順にして之を止む。象を觀るなり。君子は消息盈虚を尚ぶ。天の行なり。
象に曰く、山、地に附く剝。上以て下を厚うし宅を安ず。
【解釋】
〔王弼、伊藤東涯の解釋〕
剝は割くの意󠄃である。
下から陰が侵食し、最後に上爻だけに陽が残っている。
これは徳の無い者がはびこり、有徳者が衰退している時である。
このような時は何か事を起こす時ではないと、強く戒めるべきである。