7/9 (木) ䷏ 雷地豫(らいちよ) 初爻

【運勢】

物事が順調に進んでいるので、成果があったと感じるだろう。

順調に進んでいる時ほど、段階を踏むという、慎重さが大切になる。

成果を前提にして、色々考える事は、物事の道理からずれているので危険である。

【原文】

《卦辭》

豫は侯を建て師を行るによろし。

彖に曰はく、豫は剛應ぜられて、志行はる。順以て動くは豫。豫は順にして以て動く。故に天地も之の如し。而るを況んや侯を建て師を行るをや。天地順を以て動く。故に日月過(あやま)らずして、四時忒(たが)はず。聖人順を以て動く。則ち刑罰清くして民服す。豫の時義大なるかな。

象に曰はく、雷地を出でて、奮ふは豫。先王以て樂を作り、德を崇(たうと)び、之を上帝に殷薦して、以て祖󠄃考を配す。

《爻辭》

初六。鳴豫す。凶。

象に曰はく、初六の鳴豫は、志窮まりて凶きなり。

【解釋】

〔王弼、伊藤東涯の解釋〕

《卦辭》

豫はあらかじめすることや、楽しいことを意味する。

四爻のみが陽爻で、その周りを陰爻が囲んで仲良くしている。

上卦は諸侯を表し、下卦は村を表すので、兵を率いる時である。

統率するには、下の者が楽しみ喜んで馳せ参じる状況でなければならない。

そして、順調に行動すれば、罰を与えることも少なくて、民はよく治まるのである。

《爻辭》

初爻は四爻と応じており、喜びがあふれてしまい、周りの人に自分の喜びを言いふらしてしまう。

それは、正常でないし、災いを招くことになるであらう。

〔根本通明の解釋〕

《卦辞》

豫は象の中の最も大きなものをいう。

豫は舒(ゆる)やかという意味の舒、叙、序と同じで、物を急がず順序を踐(ふ)んで往く。

そこで必ず成功することから、悦び楽しむという義がある。

一方で、豫(あらかじ)めという義があるのは、十年も後の事を考えて今日から行動して往き、早計であることによる。

上卦の雷が下卦の地の上に出た象で、萬物が盛んになっていく。

天下が治まり安楽になるには、侯を建てるのが良い。

[彖伝]

四爻目は剛で震の主爻であり、天子である。

また長子でもあり、大臣にもなる。

この四爻目の剛に天下悉く応じる。

震は行くの義で、豫は順を以て動くの義であるから、天道天理に順って動いて行き、必ず悦びを得る所となる。

日月の運行、春夏秋冬の巡りに間違う所は無い。

三・四・五爻目の坎は法律の義がある。

法は備わっているが、用いずに民は服す所となる。

国家安楽であり、学問道徳を正しくする所があるから、義は大いなるかな、と言う。

[象伝]

豫は萬物皆悦ぶという義である。

この象を用いて作ったのは音楽である。

歌は最も古く、道徳功労を詩にして、詩を謡って天に誥(つ)げる。

そうしてその人の徳は愈々高く尊くなるのである。

殷薦というのは、有るだけの音楽を悉く奏することである。

黄帝、堯、舜、夏、殷、周を六代の楽という。

上帝を本にして祖考を合わせて祭り、音楽を殷(さか)んに奏す。

《爻辞》

初六は九四と応じて居る。

この卦の主である九四を力として、それに感じて悦び楽しんでいるのは良くない。

必ずを禍を得る。

九四は初六に気が向かなくなる。

震は上の方へ昇り、下には向かない。

[象伝]

初六は悦び楽しんでいるが、志が後に窮する所が出てくるから凶である。

コメントを残す