8/2 (日) ䷘ 天雷无妄(てんらいむまう) 四爻

【運勢】

予期していない出来事が起こり、大きく選択を迫られるだろう。

欲に従わず、自身の善性に従うと良い。

正しさを守り、誠実に物事を進める事で、災いを防ぐ事が出来る。

【原文】

《卦辭》

无妄(むまう)は、元(おおい)に亨(とほ)る、貞に利(よろ)し。其れ正に匪(あら)ずんば眚(わざわい)有り。往く攸(ところ)有るに利(よろ)しからず。

彖に曰く、无妄は剛外より來(きた)りて、内に主になり、動いて健。剛中にして應(おう)ず。大(おおい)に亨り以て正し。天の命なり。其正に匪ずんば眚有り、往く攸有るに利しからずとは、无妄の往く、何(いずく)にかゆかん。天命、祐(たす)けず、行かんかな。

象に曰く、天の下に雷行き、物に无妄を與(あた)う。先王以て茂(さかん)に時に對(たい)して萬物を育す。

《爻辭》

九四。貞(てい)すべし。咎(とが)无(な)し。

象に曰く、貞すべし。咎无しとは、固(かた)く之れを有するなり。

【解釋】

〔王弼、伊藤東涯の解釋〕

《卦辭》

妄(もう)は、望と音に相近し。

无妄は、希望することがない。

『史記』では无望󠄇とかく。

この卦をさかさにすると䷙山天大畜になる。

主爻は初九である。

无妄は予期せずに来るものである。

卦体は震が動くで、乾が健やかである。

五爻と二爻は応じている。

まさに天命である。

逆に正しくないことをしていれば、どんどん禍いを増す結果となる。

舜禹が君で伊傅が臣であるようなものだ。

《爻辭》

陰の四爻に陽であるので、謙順を失いがちである。

至尊󠄄の五爻に近いので、正しいものをつけるべきである。

初爻と応じていない。

何もしようとせず、正しさを守っていればよい。

〔根本通明の解釋〕

《卦辞》

无妄は欲がないということである。

無望の意味である。

『史記』や『戦国策』にも無欲の意味で使われている。

ただ誠にのみ志すのである。

志が正しくなければ、災いがおこる。

[彖伝]

外卦が天で、内卦が雷である。

五爻と二爻が応じており、上下心が通う。

天命を受けることを表す。

その天命に従うのがよい。

それ以外のことをしようとするのは、天命でないことをすることになるので、よろしくない。

[象伝]

天の下に雷があるのが无妄である。

人間が无妄であるのは当然であるが、万物も无妄であるべきである。

先王はこの无妄の卦を用いて、つとめて万物を育んだ。

春夏秋冬、天に従った生き方をした。

《爻辞》

四爻は陰の位に陽がきているので、正しくあるべきと戒めている。

[象伝]

四爻は、仁の徳を初爻と共に大切に育めば問題ない。

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