【運勢】
日常を振り返り、自分自身を見直す事が大切である。
日常には、変化する所しない所があり、変化しない所に正しさを持たなければならない。
常に変わらない正しさがあれば、環境の変化に惑わされない強さを得られるだろう。
【結果】 ䷟◎二
雷風恆(らいふうこう) 二爻
《卦辭》
[上爻 少陰][五爻 少陰][四爻 少陽]
[三爻 少陽][二爻 老陽][初爻 少陰]
《爻辭》
[二爻]
【原文】
《卦辞》
恒は亨る。咎めなし。貞に利ろし。往く攸あるに利ろし。彖(たん)に曰はく。恒は久なり。剛上りて柔下る。雷風相ひ與す。巽にして動き、剛柔皆應ず。恒。恒は亨る。咎めなし。
貞によろしとは、その道に久しきなり。天地の道󠄃は恒久にしてやまず。往くところあるによろしとは、終れば則ち始まり有るなり。日月は天を得てよく久しく照らす。四時は変化して、よく久しく成󠄃る。聖人はその道を久しくして天下化成す。その恒とするところをみて、天地萬物の情󠄃見るべし。
《爻辞》
九二。悔亡ぶ。
象に曰く、九二、悔亡ぶとは、能(よ)く中に久しきなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辞》
恒であり享る。
恒の道は通り、咎めなく通る。
正しくしていれば良い。
常道を修めることが終われば、また始まりがある。
行って間違いはない。
剛が尊く柔が卑しいの順序が得られる。
長く陽で長く陰である。
互いに成就する。
動いて間違えることなく、よく連れ合い、長く続く。
窮まることがない。
《爻辞》
位を失ってもつねに中に居るので、悔いることはない。
〔伊藤東涯の解釋〕
《卦辞》
恒は常、久しいの意である。
卦は変じて咸となる。
咸の三爻が上に行き四爻となった。
上爻が下って初爻となった。
剛が昇り柔が下る。
雷も風も共に鼓動する。
内外全て応じる。
だから久しく続き不易である。
咎めなく、正しくしておけば良い。
作為や粉飾は恒の道でない。
必ず駄目になり、長く続くことはない。
正しくなければ恒であっても善でない。
恒で善であれば何をしても良い。
伊尹が畝の中に居て堯舜の道を楽しんだことは、身を終えたことはまさに恒と言えよう。
《爻辞》
二爻は恒に居て、陽なのに陰に居る。
正を得ていない。
悔いがあるだろう。
しかし剛中で応じている。
そして恒を得ている。
だから悔いも無くなるのである。
人は時に位に当たらない場所に居なければならない事もある。
また時勢のどうしようもない事もある。
ただ中にあり、持久して不易であれば、悔いを免れるだろう。
〔根本通明の解釋〕
《卦辞》
「つね」は常と恒の二つがある。
「常」の方は幾万年経っても少しも変わる所が無い。
しかし「恒」の方は毎日変わり続けて居るが、幾万年経っても易わらない所が有る。
是は日月の象になり、常の字は日、恒の字は月である。
太陽は幾万年経っても大小変化せず、何時も変わらない。
しかし月は毎日形が変わって居る。
この卦は夫婦の卦である。
夫婦は一旦婚姻を結んだ上は何処までも全うすべきものである。
しかし人の身の上というものは毎日変わって往く。
初爻目は下卦の主であり、四爻目は上卦の主である。
また初爻目と四爻目は互いに相応じて居る。
其処で正しい所が良い。
夫婦力を合わせ心を同じくして事を為せば、一家は段々盛んになり先に進んで往く。
[彖伝]
この卦は元は地天泰で、一番下の陽爻が四爻目に上り、また四爻目の陰爻が一番下に下った。
其処で陰陽相交わり雷風恆の卦になった。
雷が鳴って動けば、風が従って雷を助ける。
雷と風は相離れず、互いに相與しめ、万物を生じさせる。
初爻目と四爻目、二爻目と五爻目、三爻目と上爻目、皆剛柔応じて居る。
男女の道は天地陰陽の道である。
[象伝]
雷が春に起こって風が是を助ける。
雷気の滞る所を風が一帯に吹き散らし、能く気が循環して万物が育つ所がある。
君子は陽が外、陰が内という在り方を易えない。
《爻辞》
九二は下卦の真ん中だから中庸の道を行って居る。
陽爻が陰位にあり、位が不正である。
しかしながら中庸の道を久しく能く行えば宜しい。
其処で悔いが滅びる。
[象伝]
中庸の道を易わらずに行うから宜しい。