【運勢】
現実に即した考え方というのは、ただ悲観的である事とは違う。
良く考え行動する事は大切だが、複雑に考え過ぎるとかえって的外れになってしまう。
一人で思い悩まず、人との交流を深め、見聞を広げる事が大切である。
【結果】 ䷣◎上
地火明󠄃夷(ちかめいい) 上爻
《卦辭》
[上爻 老陰][五爻 少陰][四爻 少陰]
[三爻 少陽][二爻 少陰][初爻 少陽]
《爻辭》
[上爻]
【原文】
《卦辭》
明󠄃夷は艱貞によろし。
彖(たん)に曰はく、明󠄃、地中に入るは明󠄃夷。内文明にして外柔順。以て大難を蒙る。文王これを以てす。「艱貞によろし」とは、その明󠄃を晦すなり。内艱にして能くその志を正す。箕子之を以てす。
象に曰はく、明󠄃地中に入るは明󠄃夷なり。君子以て衆に莅(のぞ)みて晦を用ゐて明󠄃なり。
《爻辭》
上六。明ならずして晦(くら)し。初めは天に登り、後には地に入る。
象に曰く、初めは天に登るとは、四國を照らすなり。後には地に入るとは、則を失へばなり。
【解釋】
〔王弼の解釋〕
《卦辭》
衆に莅むは顯明にして、百姓を蔽ひ僞る者なり。故に蒙を以て正を養ひ、明夷を以て衆に莅む。
明を内に藏めれば、乃ち明を得るなり。明を外に顯かにすれば、乃ち辟くる所なり。
《爻辭》
明夷の極に處り、これ晦きに至る者なり。その初めに本づくなり、光照に在り。轉じて晦きに至り、遂に地に入る。
〔東涯の解釋〕
《卦辭》
明󠄃夷は目をくらますことである。心の中では聡明で大きな徳を有しているが、外面は柔順である人、例えば文王のような人である。箕子は紂の親戚で國内にいたが、難󠄄に会い、内に志を正した。
《爻辭》
〔根本通明の解釋〕
《卦辞》
明らかなるものが傷ついて夷(や)ぶる。内卦の離は明らかなるもので、外卦の坤は欲である。前の卦の火地晋の明徳が欲のために夷ぶれ亡びようとする所の卦である。
[彖伝]
明らかなるものは地の底に這入って悉く失われる。明徳を身に懐いていながら、その明徳を外に現さずに巽順にして能く仕えている。その結果、柔順なる聖人は大難を蒙る。ちょうど文王と殷の紂王の無道なる時に該当する。
[象伝]
明らかなるものが地の中に這って真っ暗に為った所が明夷である。君子は万民の上に立って晦を用いる。天子は余り世間の事を細かい所まで見るようではいけない。
《爻辞》