9/2 (水) ䷥ 火沢睽(かたくけい) 上爻

【運勢】

周りと考え方や価値観が違うので、協力する事は難しい。

疑わしいと思うだけで拒絶してしまえば、理解する事は出来ない。

理解しようと努力を続ければ、志が同じである事に気付き、最後には協力する事が出来るだろう。

【結果】 ䷥◎上

火沢睽(かたくけい) 上爻

《卦辭》

[上爻 老陽][五爻 少陰][四爻 少陽]

[三爻 少陰][二爻 少陽][初爻 少陽]

《爻辭》

[上爻]

【原文】

《卦辭》

睽は小事吉。

彖(たん)に曰はく、睽(けい)は火動いて上り、澤動いて下り、二女同居して、その志同じく行はれず。說󠄁(よろこ)びて明󠄃に麗(つ)き、柔進みて上行す。中を得て、剛に應ず。是を以て小事吉。天地睽(そむ)いてその事同じきなり。男女睽(そむ)いて其の志通ずるなり。萬物睽(そむ)いて其の事類するなり。睽(けい)の時用大なるかな。

象に曰はく、上火下澤は睽(けい)。君子以て同じくして異なり。

《爻辭》

上九。睽孤(けいこ)。豕(ぶた)の塗を負ふを見る。鬼を一車に載す。先には之れが弧を張り、後には之れが弧を說󠄁く。寇するに匪(あら)ず婚媾(こんこう)せん。雨に遇󠄄ふときはすなはち吉なり。

象に曰はく、雨に遇ふの吉は群疑亡ぶるなり。

【解釋】

〔王弼と東涯の解釋〕

《卦辞》

睽は背くの意󠄃である。

小さな事には吉である。

二爻と五爻が相性が良く(応じている)、下の☱沢が喜んで☲火につき従い、五爻が柔(陰)であり、二爻と応じてゐる。

よって大きなことには用いるべきでないが、小事には良い。

《爻辞》

上爻は猜疑心が深い。

三爻とは相性が良いが信用しない。

毛嫌いして来るものを弓で威嚇して拒絶するが、猜疑心も終わりを迎え、最後には誤解が解ける。

〔根本通明の解釋〕

《卦辞》

睽は互いに相反して和せざる所の卦である。

『説文解字』には互いに反目する貌とある。

上爻の離の卦は目である。

下卦は兌の卦で癸(みずのと)で、この陰の卦が主となっている。

陰は小事の方が吉であって、大事は良くない。

[彖伝]

火の性は動けば上がり、水は動けば下方へ流れる。

また火は物を焼いて害し、水は物を潤して生じるから、その性質は反対である。

人でいえば、家族が別々になって相争う所の卦である。

兌の卦は少女で、巧言令色で旨く寵愛を得ており、内の方で権を握って居る。

少女を大切にして、年を取っている離の中女を遠ざけて居れば、互いに嫉妬心が起こり、火が熾(さかん)になるように互いに害しあう。

兌にも毀折の象がある。

しかし反目は何時までも続くのではなく、相和する所の象もある。

兌は說(よろこ)んで明らかなる方へ麗(つ)く。

五爻目が陰爻で、二爻目は剛で陽爻である。

君臣でいえば、君が弱く、臣が強いという卦である。

君を輔ける者が少ないから、大事を行うのはいけない。

小事が吉である。

しかし君臣は国家の為に為すべき所があり、天地は萬物を生じさせ、夫婦は一家を興す。

つまり半目し合っていても志は通じており、大いなる仕事を為す所がある。

[象伝]

上る方の火と、下る方の沢とで相背くが如くである。

しかし君の為に尽くそうという所は皆同じである。

人によって皆長じる所が異なっており、武をもって事(つか)える者がいれば、文をもってする者もいる。

君子は是を用いて事を為す。

《爻辞》

上九と九四が睽孤である。

独りに為り、助けてくれる者が無い。

睽孤は六三を疑っており、泥を背中に塗り付けた豕(ぶた)のように不潔なるものと見ている。

また車一杯に乗った悪人達で鬼の様に嫌悪すべきものが、相集って来る。

そこでこれら六三を弧で射ようとするが、心を落ち着けて考えてみれば、そのようなものでは無かった。

六三は兌の卦の主爻であり、我に対して說びあるもので、相和する所のものだった。

上九の陽と六三の陰は互いに親しくするべきである。

陰陽和すれば雨が降る。

大いに吉を得る。

そこで上九が六三と交わって互いに往来すると、雷天大壮の卦になる。

そうなると、仲春二月の卦となり、萬物花が咲いて說ばしき所になる。

[象伝]

睽弧が六三を悪人と見ていたが、その疑いが悉く晴れた。

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