9/26(日) ䷴ 風山漸(ふうざんぜん)→䷢ 火地晋(かちしん)


【運勢】
成長を望めるとき。
徐々に進んでいくが、段々とその勢いが増していく。
謙虚でいて、柔順でいることが大事。


【結果】

本卦:風山漸(ふうざんぜん)
之卦:火地晋(かちしん)
《卦辭》
[上爻 少陽][五爻 老陽][四爻 老陰]
[三爻 老陽][二爻 少陰][初爻 少陰]
《爻辭》
[五爻][四爻][三爻]


【原文】
《本卦:
風山漸》
漸は女歸いで吉。貞によろし。彖に曰はく、漸は進󠄃むなり。女歸いで吉なり。進みて位を得るは往きて功あるなり。進󠄃むに正を以てす。以て邦を正すべきなり。その位剛。中をえる。止りて巽。動いて窮まらず。象に曰はく、山上に木あるは漸。君子以て賢德にをりて風俗を善くす。


《之卦:
火地晋》
晋は康侯(しょうこう)用ゐて馬を錫(たま)ふこと蕃庶(ばんしよ)。晝日三接す。
彖(たん)に曰(い)はく、晋は進むなり。明󠄃地上に出づ。順にして大明󠄃に麗(つ)く。柔進みて上行す。是を以て康侯用ゐて馬を錫(たま)ふ蕃庶。晝日三接すなり。
象に曰はく、明󠄃、地上に出づるは晋。君子以て自ら明德を照(あきらか)にす。


【解釋】
《本卦:
風山漸》
〔王弼の解釋〕
漸は漸進の卦である。止まりて巽。だから適度に進む。巽に留まるから進󠄃む。だから女嫁いで吉なのである。進んで正しいものを用いる。進んで位を得るとは五爻を指す。この卦は進むことを主る。漸進して位を得る。


〔東涯の解釋〕
漸は次順番通りに進むことである。巽は長女、進んで上に在る。進めることをゆつくりしなければならないのは、女が嫁ぐ時である。五爻が位を得て、剛が中にある。家を正し、功があるだろう。君子が仕えるときは、進󠄃むに礼を以てし、退󠄃くに義を以てする。五爻剛中の徳がある。


〔根本通明の解釋〕
漸は、小さな木が次第に成長して大木になるように、順序を立てて進んで往く意である。この卦は鴻雁(こうがん)の象を取っている。雁は水鳥で、陰鳥であるから、陽に能く従う。そのため婚礼の時には、雁を以て礼を行う。即ち、女が夫に従う義を取ったのである。また臣たるものは、必ず君に従う。国に生まれた者は、皆君に仕えなければならないと云う義も示している。
[彖傳]
女の嫁入りは、速やかにするものではない。六礼といって、六つの段に分かれており、順次進んで往って婚礼が成る。また天子は天下を治めるのに、先ず我が身を正しくする。正しい所を以て、国家を正しくすることが出来る。
[象傳]
山の上に木がある。君子はこの義を用いて、賢徳ある人物を高い所に据え、賢人の徳を以て社会風俗の悪い所を能く直して行く。


《之卦:
火地晋》
〔王弼、東涯の解釋〕
晋は進󠄃むである。地上に日が昇り、あまねく天下を照らす象である。陰が三つ上に登って太陽に付き従っている。これは名君に人々が仕える象である。そして立派な諸侯となり、王は恩恵を賜る。三陰は柔順の徳がある。君子は德を明らかにし、天下あまねくその恩恵を受ける。


〔根本通明の解釋〕
上卦は日を表し、下卦は地を表す。太陽が昇ったばかりを象っている。萬物も誕生すると、太陽と同じように進んでいく。萬物は日の力を借りて生長するのである。『説文解字』に「日出でて萬物進󠄃むなり」とあるのは、そういうことである。康侯とは「国を平和にする臣下」の意味である。そして、自分の国を平󠄃安に治める諸侯は、国情を君主に報告するために朝廷に來る。一日に三回報告することになっていて、自分の国で生まれた名馬を献上するのである。
[彖傳]
太陽が地上に出て、大地をあまねく照らす様を表す。天子が上に在って、諸侯が拝謁する所󠄃を表す。
離は明󠄃である。大明󠄃は乾であり、その真ん中の爻が下の地に影響されて陰になっているので、「順にして大明󠄃に麗く」というのである。
[象傳]
地の下に日があると真っ暗なように、陽の上に陰があると暗い。陰は人の心の欲である。欲があると徳が輝かないので、君子は自らの明徳を示すためにこの卦を参考にする。『大学』で「大学の道󠄃は明徳を明󠄃らかにするに在り」とはこのことである。

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