9/3(土) ䷶ 雷火豐(らいかほう)→䷫ 天風姤(てんぷうこう)
【運勢】
世の中が活気づき、努力が実を結ぶ時。
自分本位に行動せず、周りからの期待に誠実に応える事が大切である。
思いがけない所に問題は潜んでいる。
広い視野を持ち、慎重に状況を見極め判断すると良い。
【結果】䷶→䷫
本卦:雷火豐(らいかほう)
之卦:天風姤(てんぷうこう)
《卦辭》
[上爻 老陰][五爻 老陰][四爻 少陽]
[三爻 少陽][二爻 老陰][初爻 老陽]
《爻辭》
[上爻][五爻][二爻][初爻]
【原文】
《本卦:䷶ 雷火豐》
豐は亨る。王、之に假る。憂ふる勿れ。日中に宜し。
彖に曰く、豐は大なり。明󠄃以て動く。故に豐なり。王、之に假るとは、大を尚ぶなり。憂ふる勿れ。日中に宜しとは、天下を照らす宜しきなり。日中するときは則ち昃(かたむ)き、月󠄃盈(み)つるときは、則ち食󠄃す。天地の盈虚、時とともに消息す。而るを況や人に於いてをや。況や鬼神に於いてをや。
象に曰く、雷電皆至るは豐。君子以て獄を折し刑を致す。
《之卦:䷫ 天風姤》
姤は女壮なり。女を取るに用ゐることなかれ。
彖に曰く、姤は遇なり。柔剛に遇ふなり。女を取るにもちゐる勿れ。與に長かるべからず。天地相ひ遇(あ)ひて、品物咸(ことごと)く章なり。剛中正に遇ひて、天下大いに行はる。姤の時義大なるかな。
象に曰く、天の下に風有るは姤。后以て命を施して四方につぐ。
【解釋】
《本卦:䷶ 雷火豐》
〔王弼の解釋〕
豐の義はひろめる、ひらく、微細にするである。隠れ滞っているものを通して天下の主となって、微隱にはうまく行かない。憂えは未だに収まっていない。だから、豐は亨に至るのである。そして憂えが無くなる。豐亨憂えなきの德を用い、天中に居るべきである。そして天下を照らす。
〔東涯の解釋〕
豐は盛大である。知有りて動く。よくうまく行く。王者が大事業を起こす時である。火を日とし、下に在る。その徳の光明、あまねく四方を照らせば、憂うことなく、自然と豊大である。人は明󠄃がなければ物を照らすことできない。動かなければ事業は出来ない。明にしてよく動く。昔は湯王の徳を慕っていった。天が王に勇智を錫(たま)う。
〔根本通明の解釋〕
「豊」は腆(あつ)いと云う義で、物が厚く充ち満ちて居ることである。世の中で云えば、天子が名君で政事が能く行き届いて居り、天下が盛んで富んでいることである。しかしながらどれだけ盛んであっても、衰える所も出て来る。下卦の離は日である。東に在る時は未だ日が低いが、日中になれば遍く東西南北を照らし届かない所は無い。ただし日が昃(かたむ)くといけない。
[彖傳]
天子の明徳は宜しく四海天下を照らすべきで、暗い所が出て来てはいけない。しかしながら日が南中すれば、やがては傾いて往く所がある。月も満ちれば、欠けて来る。天地の道は斯くの如きもので、いつまでも保つことは難しい。人間の主でなって居る所の鬼神と雖も、神明なることもあれば、時には神明ならざることもある。自然の勢いと云うものは、力を以て動かすことは出来ない。
[象傳]
雷と電が一書に来るのが豊の卦である。天下が皆富んで、上下安楽の時である。しかし安楽であると、自然と人の心には奢りが出て来るようになる。其処で刑罰を厳重にしなければいけない。
《之卦:䷫ 天風姤》
〔王弼の解釋〕
姤は遇うことである。柔が剛に遇う。人でいうと女が男に遇󠄄うのである。一人の女が五人の男に遇󠄄う。大変強靭な女である。取るべきでない。剛が中正であるから天下はあまねく王化󠄃に帰すのである。言義は見えるところを表現しきれない。
〔東涯の解釋〕
姤は遇󠄄うことである。一陰が下に生じて、五つの陽にあったのである。一陰が五つの陽に対峙する。その大壮はすさまじいが、陽が必ず勝つ。このような陰を用いてはならない。陰陽が互いに對待(たいたい)することは、天地の常経である。陰が盛んであると陽が損なわれる。臣下が君主に背くのも、婦が夫を凌駕するのも皆陰が盛んだからである。姤の卦が戒めるところである。
〔根本通明の解釋〕
この卦は初六の陰爻が主役で、他の陽爻は賓客のような訳になる。陰は長じて、次第に陽を侵食していく。陰爻つまり女の方から、進んで陽爻に遇う所がある。其処で女を娶るという方へ、この卦を用いてはならない。
[彖傳]
「遇」は多いがけない所で遇うと云う義である。柔は剛に遇うと云うのは、女の方から進んで男に遇うという義である。このような女を娶ると、次第に増長して往くから娶ってはならない。剛中に遇うというのは、九五の剛が九二の賢人に遇う所を云う。賢人は朝廷へ出ようとする初六を抑え止める。そのため剛は賢人と相謀って、初六を正しくする。
[象傳]
天の下に風が旋ぐるように、天下に命令を下す。四方に遍く告げ諭して、能く治め斉(ととの)える。旧弊を除きはらって政を以て天下を新たにする。